13話 吸血鬼の王
数日後…。シエラはイザベラとリリアとお酒を飲むと言っていたので僕が空間魔法で送った。
「ゴクゴク。ぷはあーっ」
シエラは沢山、ビールを飲んでいた。
「飲み過ぎよ。シエラ」
イザベラはシエラがどんどんビールを飲むので心配だった。
「どうしたの?シエラ。ヨミに何かされたの?」
リリアは聞いた。
「ううん、されてない。それが嫌なの」
「ヨミは何も私のために何もしてくれない。それが不満なの」
「へえー、エリナの為にヨミが必死だったのが不満なんだ」
リリアは笑った。
「エリナじゃなくて私が病気なら良かった」
「……、シエラそれは言い過ぎよ」
リリアはシエラから放たれた言葉に戸惑った。
イザベラは一瞬、ものすごい目つきでシエラを見た。シエラはそれに気がつかなかった。
イザベラは怒りを抑えた。
「もうお開きにしましょ」
「まだ、もっと飲みたい~」
「リリア、送ってあげて」
イザベラはそう言い、リリアはシエラを空間魔法で自宅に送った。
シエラは自宅に戻ると自分の部屋で寝た。
翌日。シエラは起きて部屋を出た。
「おはよう、ヨミ」
「おはよ」
「シエラ。お前、昨日飲み過ぎだぞ。程々にしないと体に悪いぞ」
「分かっているわよ。一々口を出さないで」
シエラはそう言うと僕は黙った。
「何よ…、これ」
「どうしたんだ?」
僕がシエラの異変に気づき、声を掛けた。シエラはヨミの中にあるヒビの入った今にも砕けそうなガラス玉が見えた。玉はさっき言った言葉で割れた。
「ヨミの中にガラス玉が見えるの」
「どうした?大丈夫か?」
「大丈夫じゃ無い!」
僕はシエラを心配し、手をシエラの頬に当てるとシエラは僕の手を払い除けた。
シエラがそうする僕の中に見えるガラス玉がまた割れた。
「どうしたの?」
「シエラの様子が可笑しいんだ」
エリナはそう言うとみんな集まった。
「いやあっ!!こっち来ないで」
シエラは近づいてきたみんなを見ると拒絶した。シエラの目にはみんなの胸のあたりにガラス玉が見えた。
「シエラ。一旦、ソファーに座ろう」
僕はそう言い、シエラをソファーに座らせ、温かいココアを飲ませた。
「どうだ?落ち着いたか?」
「うん」
シエラは気が動転していたが落ち着いた。
「シエラ。一体どうしたんだ。ゆっくりでいいから教えてくれ」
僕がそう言うとシエラは自分の状況を話した。
「………、そうか。今のシエラには僕の中にガラス玉が見えていて、心が傷ついたらカラス玉もそれに応じて割れるってことか…」
「ルナ、人の心が見えるような魔法ってあるのか?」
「いいえ、聞いたことが無いです」
「そうか…」
「シエラ、イザベラの所に行くぞ」
僕はそう言い、シエラの所へ空間魔法で行った。
「シエラはここで待っててくれ」
僕はシエラにそう言い、城の中のソファーに座らせた。
「入って良いわよ」
イザベラの部屋をノックすると入って良いと言われた。僕は扉を開け中に入った。
イザベラは僕を見ると僕の目の目の前に来た。
「シエラに人の心が見えるようになる魔法を掛けたのはイザベラか?」
「ええ、そうよ」
イザベラは答えた。
「お願いします。シエラに掛けた魔法を解いて下さい」
僕はイザベラに土下座をし、お願いをした。
「ヨミ!」
イザベラは僕の行動にびっくりした。
「お願いします。お願いします」
僕は地に頭をつけイザベラの服の裾を握り涙を流し懇願した。
「ヨミ。お願い、頭を下げないで」
イザベラは慌てた様子で膝をついた。
「私は貴方を苦しめたい訳じゃないの。シエラに掛けた魔法は解くから…、だから顔をあげて」
僕は顔をあげた。僕は涙を流していた。
「ごめんさないね。ヨミ」
イザベラは泣きながらそう言った。
イザベラの部屋の外にはシエラが立っていた。シエラは話を聞いていた。自分のせいでヨミが苦しむことに涙を流し、膝から崩れ落ちた。
「シエラ、待たせて悪いな。どうしたシエラ、目が赤くなってるよ」
「あなたも目が赤くなってるよ」
「えっ、あ、そっか」
僕は目を掻いた。
「もう人の心の中は見えなくなった」
「そっか。それは良かった」
僕は安堵した。
「ヨミ、いつも酷いことばかり言ってごめんね」
シエラは謝った。
「良いんだよ、シエラ。だって僕とシエラは家族じゃないか」
僕はそう言った。
「じゃあ、帰ろっか」
「うん」
シエラは僕の手を握り、空間魔法で家に戻った。
僕が町で一人買い物に来ていたら僕の目の前に人が来た。
「何だ、お前」
僕の前に立ち塞がったのはフードを深く被った男だった。
「魔力…、固定」
フードを被った男は凄いスピードで剣を振るった。僕は黒い大剣を作り出し受け止めた。
僕は黒い大剣を振り、男を弾き飛ばした。
フードを被った男は弾き飛ばされ、フードが脱げた。
「お前は…」
僕は驚いた。死んだはずの男が目の前に居るのだから。
「フェリクス・ラスト」
僕は死んだはずの男の名前を呼んだ。
「久しいな、ヨミ」
「何でお前は生きている。死んだはずだ!」
僕は理解できなかった。
「エルドラドに殺されたのは私の影武者だ」
「ドレイクを殺したのはお前か?」
「そうだ」
ラストはそうだ。
「なぜ殺した?」
「奴は黒十字騎士の地位を利用し、沢山の人の人生を滅茶苦茶にしたから私が殺した」
「そうか…」
僕はそれを聞いて納得がいった。
「悪いがお前も死んでもらおう」
「何故?僕は何も悪いことをしてないぞ」
「死にたくなければ全力で掛かって来い」
ラストは剣を構えた。
「そっちがその気なら全力で行かせてもらう」
「暗黒解放:死と滅亡の運命」
僕は剣を持った右腕を横に伸ばし、黒い大剣を斜め下に向けた。頭の上には黒い天使の輪が現れ、黒い大剣からは黒い魔力が漏れ、身体から黒いオーラが漂った。
「ラストおおおおお」
僕は叫び、剣を振り下ろした。ラストは受け止めた。
「……くっ」
僕は幾度も剣撃を繰り出した。ラストはそれを受ける。
「貰った」
僕は幾度も剣を振り、隙が出来た。僕はラストを殺そうとした。
「なっ…」
ラストに僕の黒い大剣が当たる直前にラストは何かを唱えた。
ラストの体は無数の黒いコウモリとなり僕の剣をすり抜けた。
「くそっ」
僕は後ろに移動した。
「ヨミ、もう君の攻撃は効かない」
「これが私の暗黒解放だ」
ラストの周りに無数の黒いコウモリが飛んでいた。
「お前、そんな力を隠していたのか?」
「そうだ、私が黒十字騎士にいた頃はこの力を隠していた。私の正体は吸血鬼?いや、俺は吸血鬼の王だ」
「うおおおおおお」
僕は走り出し、剣を振るった。ラストの体は無数のコウモリとなり自由自在に僕の攻撃を受け流した。
「お前、避けているだけでいいのか?」
「お前のその無敵状態も制限時間があるんじゃ無いか?」
「くっくっく」
ラストは図星を突かれ笑った。
「ヨミィィィ」
僕とラストは剣を交えた。
「これで終わりだ」
(何だ…、その赤い光は)
ヨミの黒い大剣から赤い光が放っていた。
「くっ…」
ラストは僕の剣を防ぐがラストの剣は折れた。
(無駄だ、私に通常の攻撃は効かない)
ラストの体は再び黒い無数のコウモリとなっていった。
「ハードバースト・アナザー」
僕は叫んだ。
「があああっっ!!」
ラストの無体の体が実体となり、ラストに赤い斬撃を浴びせた。
「お前の負けだ」
僕は地に座っているラストに剣を向けた。
「ふふ、私の負けだよ」
「さあ、私に止めを刺せ」
ラストは血を吐きながらそう言った。
「ラスト、お前はここで死んでもいいのか?守りたいものは居ないのか?命乞いをしてでも足掻いてでも生きたいとは思わないのか?」
僕はラストにそう言った。
「私には大切な家族が居るんだ。妻と娘達が」
(そうだ、私は足掻いてでも生きなければいけないんだ!!)
「うおおおおおおおおおおお!!」
ラストは叫んだ。近くにあった自分の剣を手に取り、僕に立ち向かった。
「どうやらお前は生きたいらしいな」
僕はラストの剣を防ぎ、そう言った。
「見逃してやる」
「何で…?」
「僕は生きたいと必死な奴を殺さないからだ」
「そうか…。ありがとう」
ラストは泣いた。
「ほら、これ飲め」
僕は空間魔法で回復ポーションを出しラストに渡した。ラストはそれを飲んだ。ラストの傷は完治した。
「そういえば、何で僕を殺そうとした?」
「お前に恨まれるようなことをしたか?」
僕は気になっていたので聞いた。
「いや、お前は何も悪くないよ。上の命令でお前を殺そうとした」
ラストはそう答えた。
「上の命令?お前、何処かの組織に属しているのか?」
「ああ、僕が所属しているのは冥府の十二使徒という組織だ」
「聞いたこと無いな。どういう組織なんだ?」
「私も入ったばかりなので詳しくは分からない。ただ冥府の十二使徒は十二人の強者で構成されているということだ。私は欠番の穴埋めに組織に入ったただの末席さ」
「お前は何のために組織に入ったんだ?」
「私は世界を危機に陥れる者を監視、抹殺しようとしていたから組織に入り調査していた」
「スパイみたいなものか」
「ああ、そうだ」
ラストは答えた。
「まあ、この話はまた今度じっくりしよう」
「そうだな」
僕とラストは別れた。
それから三ヶ月時は過ぎた。冥府の十二使徒が襲ってきたが僕はそれを退けた。六人ほど冥府の十二使徒を殺した。あとルナが僕の知り合いの医者に弟子入りをし、助手として働きだした。ルナはいつかは世界中の病気で困っている人を助けるのが夢だと言っていた。
あと、目出度い話なのだがアリアが俺の子を妊娠していた。僕はアリアからそれを聞いた時もの凄く嬉しかった。
僕は今日、エリナと一緒に待ちで買い物を済ませ、帰ろうとしていた。
「ヨミ…」
エリナは僕の名前を呼んだ。
「どうした?」
僕はエリナの方を見て言った。
「言いづらいんだけど…」
「何だ?」
「私もヨミの子を妊娠したみたい」
僕はそれを聞いた時、驚いた。
「迷惑だったかな、ごめんね」
「いや、迷惑じゃないよ。嬉しいよ」
「盛大にお祝いしないとな」
「そうだね」
エリナは不安そうにしていたが僕の言葉に安心した。
「エリナ、ありがとう。僕の子を身籠もってくれて」
「うん」
「私も嬉しい。ずっと子供が欲しかったんだ」
「そうか」
僕はエリナがそう思っていたなんて思っていなかった。
「エリナそっちの荷物、僕が持つよ」
僕はそう言い、エリナの左手に持っていた袋を持った。僕達は家に帰った。
十年後…。
アリアとの間にできた子供はアリスと名付けた。アリスはすくすくと成長した。レオも元気に暮らしていた。
エリナとの間には男の子ができ、ルークと名付けた。ルークの後に女の子が生まれた、名前はエリカと名付けた。
シエラとの間には男の子が二人生まれた。まず最初に生まれたのはロキ、その次に生まれたのはクロスと名付けた。
ルナとの間には男の子供が生まれレイジと名付けた。女の子も産まれた、名前をリナと名付けた。
カミラとの間には女の子が産まれた名前をアメリアと名付けた。男の子も生まれ、テオと名付けた。
「ねえ、ねえ、お父さん。飛行機ごっこがしたいから起きて」
僕はソファーで眠っていたら僕の娘のエリカが僕を揺さぶって起こした。
「じゃあ、やるぞ」
僕は床にうつ伏せになり、両手を上にあげた。僕の娘達は僕の上に乗った。
「ういーん、がしゃん、本日は、ヨミエアラインをご利用くださいましてありがとうございます。この便はロンドン行きでございます。落ちないようにしっかりと服を掴むようお願いします。それでは出発します。出発進行!」
「ぶーん」
僕は風魔法で体を浮かせ、娘達を持ち上げた。
娘達はきゃっきゃと喜んだ。
「到着いたしました。この度はヨミエアラインをご利用頂きありがとうございました」
僕はそう言い、床にそっと着地した。
「もう一回して」
リナはそう言い、僕はまた風魔法で宙に浮いた。
娘達は大喜びしていた。
シエラはそんな僕たちを見て複雑な表情を見せた。
「シエラ~」
僕はシエラ洗い物をしていたのでシエラの尻を触った。
「………」
シエラは無反応だった。
「シエラどうしたんだ?調子でも悪いのか?」
僕はシエラを心配した。
「……、後で話したいことがあるから私の部屋に来て」
「分かった」
僕はシエラにそう言われたのでその場を去った。
二十分後。
「シエラ、いるか?入るぞ」
僕はシエラの部屋の扉を開け、中に入った。
「………」
シエラは黙って、ベッドに座っていた。
「ヨミ、こっちに来て座って」
僕はシエラにそう言われ、シエラの隣に座った。
「シエラ…、もしかして話したいことって離婚話じゃないよな」
僕は恐る恐る聞いた。
「違うわ。私が話したいことはね、貴方が私の子供以外をよく可愛がるからそれを見ていると心がモヤモヤするの。だから私の子供もちゃんと可愛がって欲しいの」
僕はシエラから予想外のことを聞かされた。
「お前の子供ともちゃんと遊んだりして可愛がっているぞ」
僕は答えた。
「貴方全然、私の息子達に構ってないじゃない」
「それは男の子だからだよ。男の子っていうのは父親とそんなべったりとするようなもんじゃないんだよ」
「貴方はそう言っていつも言い訳をする」
「何時まで経っても女の子を産めない私に当てつけるように貴方は他の娘達にばかり構って。少しは私の気持ちを考えてよ」
シエラは泣きながらそう言った。
「ごめんな…。シエラ」
「シエラはずっと一人で苦しんでいたんだな。僕はシエラの子供を愛してるよ。これは嘘、偽りじゃないよ」
「シエラが女の子が欲しいなら、産めばいいじゃないか」
「そう簡単に女の子は産めないわ」
「俺、シエラとの子供は沢山欲しいとずっと思っていたんだ。女の子が出来るまで子作りしようじゃないか。もちろんそれまでに生まれた子もちゃんと愛するからさ」
「沢山、子供が出来てもヨミは愛せる?」
「ああ、ちゃんと愛すよ」
僕ははっきりと答えた。
「それに正直なことを言うと僕の息子がシエラに甘えているのを見ると興奮するんだ。だからシエラには俺の息子を沢山産んで欲しい」
「そうなんだ。えへへ」
僕がそう言うとシエラは困った顔をした。
「シエラ、今から子作りしないか?」
「いいけど」
シエラは少し顔が赤くなった。
「シエラ、頼みがあるんだが」
「何?」
「息子の目の前でシエラとセックスしたいんだ」
「貴方、何を言っているの?」
「お願い、一生のお願い。僕とシエラがセックスしているところを息子に見せたいんだ。シエラも興奮しそうなシチュエーションだろ」
「絶対にだめ。私の子供の教育に悪影響よ。私の子の性癖がねじ曲がったらどうするの!確かに私も興奮するかもだけど」
「なあ、そうだろ」
「でも絶対だめ!」
シエラは想像しているからかどんどん顔が熱くなっているようだった。
「じゃあ、百歩譲って。息子が寝ている隣で声を押し殺して子作りするのはどうだ?」
「なあ、いいだろ。昔もしたじゃないか」
「それなら、まあ、いいけど」
シエラは渋々了承した。
「愛しているよ、シエラ」
僕はシエラの胸を揉み、キスをし、部屋から出て行った。
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