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アイドルと・・・
いつもの薄暗いスタジオで、そそくさと、バンドメンバーの方々の準備をする。マイクコードなどが、ぐちゃぐちゃする中、頑張ってセッテングをする。
今日は、「s4プロ」だったっけ?
色々な人たちが、入れ代り、立ち代わり利用するので、顔と名前を、中々覚えられない。
研修中の身の上である俺、タクヤ は、チーフエンジニアの、山中さんに呼ばれた。
「録音もするらしーぞ」
そう言われて、
「じゃ、マイクですね。 何本ぐらいっすか?」
「まあ、5本も用意しとけばいいんじゃね?」
てな感じで、準備を続ける。
研修中のメンバーは、他に何人もいるが、この時、仕事をしていたのは、他に3人だけだった。
慌ただしい空気の中。
「おはようございますう・・・」
と、ゆっくり扉を開けてスタジオに入ってきたのは、北野陽子だった。