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カフェオレとちっぽけな

作者: 小英惟初

真白なミルクと栗色のコーヒー豆とが

かき混ぜられて

丁子茶に色を変える

注がれた砂糖が潜って中に溶け込んでいく


私はカップを再びかき混ぜ

鼻を近づけて香りを嗅ぐ

ほろ苦い香りがした

とても優しくまるで布団のようだ


一口を飲む

カフェオレは舌にふわりと味わいを乗せ

私は食道へ案内してからカップの傾きを戻しつつ

それを静かな食卓に送り届けた


飲み口から一雫だけ零れている

カフェオレは今日も美味しいのだ

その美味しさに私は心を震わせている

その温かさに私は身を託している


隣にあるサンドイッチとなった冷静なパン生地とサラダを

一口だけ頬張って

またもやカップを手に持って

カフェオレを喉に流し中に潜り一息つく


私独りだけひとりぼっち

みんなはおはようと私にも言ってくれるけれど

なぜかなんだか

私は泣きたくなってしまう


サンドイッチと徐々に手を取り合い

また温かさを求めて

カフェオレを啜る

どうやら少し冷めたようだ


パン生地とサラダと触れ合ううちに

いつか体は温まったみたいだ

ついには泣きたい衝動のまま

私は泣いてしまった


美味しい朝ご飯を食べ終えた

ごちそうさまでしたと手を合わせた声は

まだ小さくしか出せず

面持ちもまだ引き攣っている


カフェオレは今日も美味しいのだ

喉に流し中に潜り一息つく

私は泣きたくなってしまう

みんなはおはようと私にも言ってくれるから

面持ちもまだ引き攣っている

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