悪役令嬢との出会い
エミリア・レッドハート(転生者)の登場
こんにちは、易者です。国王陛下の褒美「教会や修道院や孤児院の新築工事」を頂き、教会の皆さんへの恩返しができました
【女僧侶】
「易者さん、良かったのですか、王宮付きの占い師を辞退なさって?」
【易者】
「えぇ、私はこの教会にお世話になった恩返しがしたかったのでちょうど良かったのです。それに私は宮仕えは性に合わないので。」
【女僧侶】
「はぁ~、易者さんは本当に欲のない御方ですね。」
女僧侶さんは立ちあがり・・・・
【女僧侶】
「そういう所が好きなんですけどね(小声)」
【易者】
「ん、何かおっしゃいましたか?」
【女僧侶】
「いいえ、何でもございません!・・・・易者さんのニブチン(小声)」
【易者】
「?」
それからいろいろあって、易者と女僧侶は結婚し、教会のみならず地域住民から祝福されました。その後、教会の近くに家を建て、やがて2人の子供を儲け、易者と女僧侶は家族4人で幸せに暮らしていた。それから数年後、易者の下にレッドハート公爵家より使者がきた
【易者】
「レッドハート公爵様が私を屋敷に招きたいと?」
【使者】
「はい、是非、お越し願いたいのですが。」
【易者】
「分かりました。女僧侶、留守を頼んだ。」
【女僧侶】
「いってらっしゃい。」
私は馬車に乗り、レッドハート公爵家へと向かった。そしてレッドハート公爵邸に到着した。王宮ほどではないが立派な屋敷である。私は公爵邸に入ると、小さい女の子が出迎えた
【エミリア・レッドハート(幼少)】
「貴方が評判の易者さんですね。初めまして、エミリア・レッドハートと申します。」
【易者】
「おぉ、公爵家のご令嬢でしたか。これはこれは、ご丁重なご挨拶、痛み入ります(んん、この娘は。)」
私は出迎えたエミリア嬢にどこか違和感を感じていたら・・・・
【レッドハート公爵】
「よくぞお越しになられた。エミリア、易者殿と大事な話があるから部屋に戻っていなさい。」
【エミリア・レッドハート(幼少)】
「はい、お父様、では失礼いたします。」
エミリア嬢はお辞儀をした後にその場から去りました
【易者】
「利発なご令嬢ですね。将来が楽しみですね。」
【レッドハート公爵家】
「お褒め頂き光栄だ。さぁ、こちらへ。」
私はレッドハート公爵の私室に入り、御付きの人を下がらせた後に、本題へ入った
【レッドハート公爵】
「今日、易者殿に参って頂いたのは他でもない。実は王家よりカルロス・ジークハルト殿下と私の娘のエミリアの婚約話のことなんだ。」
【易者】
「王家との婚約話とは大変名誉なことではありませんか。」
【レッドハート公爵】
「確かに我が家にとっては名誉なことなんだが、易者殿にはこの婚約の吉凶を占ってほしいのだ。」
【易者】
「分かりました。早速、準備をいたします。」
私はいつも通り、略筮法を始めた。それから5分後・・・・
【レッドハート公爵】
「それでどうだ。結果の方は!」
【易者】
「恐れながら申し上げます。此度の婚約の運勢は大凶と出ましてございます。」
【レッドハート公爵】
「大凶だと!まことか!」
【易者】
「はい、恐れながら王太子殿下との婚約が決まれば間違いなく大凶になり、御家の不運を招きかねます。」
【レッドハート公爵】
「そうか、分かった。」
占いの結果を聞いたレッドハート公爵はどこかすっきりした表情をしていた
【易者】
「ぶしつけながら、お尋ねいたします。なぜ私に婚約の吉凶を占いたいと申されたのでしょうか?」
【レッドハート公爵】
「実はエミリアからの願いなんだ。」
【易者】
「先程の御令嬢からですか。」
【レッドハート公爵】
「ああ、そのおかげで私も踏ん切りすることができた。礼をいうぞ。」
【易者】
「いいえ、お役に立てて、光栄です。」
私は馬車に我が家へ帰る途中、あの令嬢のことを考えていた
【易者】
「(エミリア・レッドハート、あの御令嬢、肉体と魂が別人だったな。)】
世の中、私が知らないことがいっぱいあるんだなあと思い、帰路についた。それから数日後、別の貴族の方々から王家との婚約の吉凶を占ってほしいとの願いがきた。やはり、カルロス・ジークハルト殿下に問題があるな。婚約話のあった家々を調べると、どれも大凶と出たのだ。私も易者をやってきたが、ここまで大凶が出るのは初めてだ。すると今度は王宮の使者が我が家に来た。私は使者と二人きりで話すようにするため、人気のない場所を移した
【易者】
「恐れながら、国王陛下が占ってほしいのは、カルロス殿下の御婚約のことでしょうか?」
【使者】
「そうなのだ。どの家にも王家との縁談を持ちかけたが全て辞退されたのだ。易者殿にはカルロス殿下の御婚約が誰が良いか占ってほしいのだ。」
【易者】
「恐れながら、国王陛下の命でも、それはできません。」
【使者】
「なぜですか!」
【易者】
「王家との御婚約は、大変重要なことです。そのような重要なことを易者如きに委ねるのは国を乱す元になります。私は政に口出すつもりは一切ございません。どうかご容赦のほどを。」
【使者】
「そうか、分かり申した。」
使者は王宮へ帰り、そこからは特に何もなく平穏でした。しかし私の中ではカルロス・ジークハルトを纏っていた闇の気が気がかりでしたが、これも政なので、口出すつもりはなかった。そこから歳月が流れた




