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攻略対象者との出会い

カルロス・ジークハルト誕生です

こんにちは易者です。私は女僧侶さんの故郷の教会にご厄介になっております。そこで易者をしながら生活をしています。その教会の神父はかつて祖母の教え子で私とも知り合いの間柄でした


【女僧侶】

「それにしても驚きました。まさか神父様と易者さんが知り合いだったなんて!」


【易者】

「えぇ、私も驚いています。亡き祖母のおかげで、こうしてご厄介になることができたのです。私も教会の皆さんに恩返しをしたいです。」


【女僧侶】

「十分恩返ししてますよ!男手は神父様しかいないので、みんなは易者さんに感謝してますよ!」


【易者】

「ははは、主に力仕事ですけどね。」


【女僧侶】

「占いもですよ!地域住民の皆様から感謝されてます!」


【易者】

「ありがとうございます。」


私は易者として地域住民の要望に答えています。新たな水源の場所、物探し、人探し等、私の霊能力で解決してきました。最初は私のことを信用していませんでしたが、占いで次々と解決したことで信頼を得ることができました。私の評判を聞き付けたのか、この教会に様々な人たちがやって来て、私の占いで解決してきました。そんなある日、王宮から使者が教会にやって来たのです


【使者】

「失礼、そなたが、当たると評判の易者か?」


【易者】

「はい、私でございます!」


【使者】

「私は国王陛下の命により、そなたを王宮へ召喚するために参った。是非、着いてきてもらいたい。」


【易者】

「分かりました。準備があるので少々、お待ちください。」


私は準備をしている途中、女僧侶さんが入ってきた


【女僧侶】

「易者さん。王宮へ参ると聞きました。」


【易者】

「えぇ、どんな御用か分かりませんが城へ行ってきます。女僧侶さん、留守を任せました。」


私は馬車に乗り、王城へと向かった。王宮に着いた私は、使者の案内ですぐに国王陛下の下へ向かい、広間へと案内された


【使者】

「ここで待つように。」


【易者】

「はい。」


私は広間で待機していると・・・・


【家臣】

「国王・王妃両陛下のおなーりー!」


家臣の掛け声で私は平伏した


【国王陛下】

「面を上げよ。」


【易者】

「ははっ!」


私は面を上げ、国王・王妃両陛下と対面した


【国王陛下】

「そなたが評判の易者か。」


【易者】

「ははっ!」


【国王陛下】

「そなたを呼んだのは他でもない。王妃の腹の子供が王子かどうか、占ってほしいのだ。」


なるほど、ここへ呼ばれたのは王妃の腹の子供は王子かどうか調べてもらいたいのか


【易者】

「ははっ!では早速、準備いたします!」


私は持ってきた占い道具【筮竹(ぜいちく)算木(さんぎ)筮筒(ぜいとう)・算木入れ・筮竹台(ぜいちくだい)】を出した。私の占いは略筮法(りゃくぜいほう)という東洋に伝わる占いである


【略筮法】

筮竹は50本使う。その50本の筮竹の内、1本を抜く。その1本は、筮竹を立てるものに立てる。そして残りの49本で集中力を高め、気合を込めて左右両手に分ける。 左手に握ったのは天策に、右手で握ったのは地策のかたちどる。気持ちを集中させ、筮竹を少し混ぜ合わした上で左右に分ける。その後、右手の分から1本を抜き出し、左手の小指と薬指の間に挟む。これは人にかたちどる。右手の筮竹を下におき、右手で左手の筮竹を8本ずつ数えていき、8で割り切れる場合は残さない。小指の1本を加えて残数を数える。残りが1ならば、(けん)。2ならば()。3ならば()。4ならば(しん)。5ならばそん。6ならば(かん)。7ならば(ごん)。8ならば(こん)になるこれで内卦(がいか・下半分)が一度で得られる。次にまた49本で、全く同様の操作を繰り返して、外卦(がいか・上半分)を得る。これで、全卦(ぜんけ)が得られる。そして、第3に、49本を左右に割り、右の1本を左小指にかけ、左手の筮竹を今度は6本ずつ数えていく。割り切れれば残さない。小指の1本を残りに入れて、残りが1ならば初爻(しょこう)、残りが2ならば2(にこう)、残りが3ならば3(さんこう)、残りが4ならば4(よんこう)が、残りが5ならば5(ごこう)、残りが6ならば上爻(じょうこう)になる。以上で、内卦・外卦・爻が得られて、その組み合わせで卦爻(かこう)が分かり、そして占断ができる。64(家の数)×6(爻の数)=384個。384ある卦爻(かこう)の中から、その時の判断に的確な卦爻(かこう)が出てくる。時間にして約5分ぐらい占いである


易者はこの方法と持ち前の霊能力を合わせて的確な答えを導いたのである。そして略筮法を終わらせた後に、国王に報告をした


【易者】

「陛下、占いの結果が出ました。王妃様の御腹の御子は若君にございます。」


【国王陛下】

「まことか!」


【易者】

「はい、間違いなく。」


【王妃陛下】

「陛下、吉報にございますね!」


【国王陛下】

「うむ、易者よ。そなたは腹の子が生まれるまで、王宮に留まれ!もし男子でなければ分かっているであろうな?」


【易者】

「もし外したら、どのような処分も御受けいたします。」


【国王陛下】

「誰か、易者の部屋を用意せい!」


私は王妃様の出産までに王宮に留まることになった。一応、教会へ手紙を送っておいた。そこから数ヵ月が経ったころ、王妃様は産気づき、そして・・・・


【???】

「オギャー、オギャー!」


【国王陛下】

「生まれたか!」


【女官】

「おめでとうございます。若君にございます!」


【国王陛下】

「そうか!男子か!おい、易者を呼べ!」


私は国王に召し出され、広間へ移動した


【国王陛下】

「おお、待っておったぞ!易者、そなたの言う通り男子が誕生したぞ!」


【易者】

「おめでとうございます。」


【国王陛下】

「そなたのおかげじゃ!どうだ、王宮付きの占い師をやらないか?」


【易者】

「まことにありがたき、仰せにございますが、ご辞退申し上げます。」


【国王陛下】

「なぜだ?」


【易者】

「はい、私の占いは世のため、人のために使いとうございます。それに教会の皆様にお世話になった恩義がございます。どうか御礼は教会にお願いいたします。」


【国王陛下】

「うむ、殊勝な奴よ。よし教会に褒美を出そう。」


【易者】

「ありがとうございます!」


【国王陛下】

「王子の名前だが、カルロス・ジークハルトと名付けようと思う!」


【易者】

「よき名前にございます。」


【国王陛下】

「せっかくだから、息子の顔を拝んでいけ!」


【易者】

「ではお言葉に甘えて。」


私は国王陛下の案内で、生まれたばかりの王子の下へ向かった


【国王陛下】

「あれがカルロスだ。」


私は生まれたばかりのカルロス殿下を見たが、私の背筋がぞくっとした。カルロス殿下の周りには光と闇の気が混同していたのである。つまり善人にも悪人にもなるということである、判断を間違えなければ、名君にもなるし暗君にもなる


【易者】

「陛下、私から一言よろしいでしょうか?」


【国王陛下】

「何だ?」


【易者】

「はい、若君は無事に生まれましたが、万が一を考えて、もう一人か二人、若君を御作り願いますか?赤ん坊の死亡率は高いので、今後の用心のために。」


【国王陛下】

「そんなことか。あい分かった。そなたの忠告に従おう。」


【易者】

「ありがたき幸せ。」


私はこのカルロス殿下の行く末を案じた

略筮法は江戸時代の平沢常矩が案出し、古易中興の人、新井白蛾が普及させたと言われており、日本で普及している筮法です

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