油断大敵
相当なダメージを食らった模様(。>д<)
いま。
わたしは。
黒いやつと。
対峙している。
こいつは。
いきなり飛ぶ。
油断してはならぬ。
手に。
武器を。
携えて。
ごくり。
狙うは。
天井の黒。
やるか…?
やるぞ…。
今だ!!!
シュ―――――――――!!!
「ぎゃああああああああああ!!!!」
娘の悲鳴が、こだまする。
怖いならあっちの部屋に避難しとけばいいのに。
じたばたする黒。
落っこちてきた。
足元でじたばたしてる。
あんなに天井に張り付いていたというのに、背を床にしてじたばたとか。
地に落ちたものよのう。
私は別にこいつ見ても怖くないのさ。
手で触覚持って摘まめるし。
田舎育ちの虫ラブ女子舐めんなよ?
さ、あとはこいつ掴んで庭に放り出してと。
一歩踏み出した私の足の下に。
くるりと身をひるがえした黒いのが。
むちゅ
「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」
初めての足の裏の触覚に。
触覚…?
怖くて足をあげられない。
あげられない。
あげ、あげっ…。
一瞬の油断で、私は一生もののトラウマを手に入れた。
 




