電光石火
自分に負けた…
「うぐぐ…。やばい…ヤバイぞ…。」
私は、『電光石火』の文字を目の前にして、唸っていた。
敬愛してやまぬ文学青年とのテーマ共有という、無謀な挑戦。
明らかに違う世界観を持つ二人が、同じタイトルで物語を発表する。
そこに面白さと、意気込みと、達成感を見出し、て、いた、のだがっ!
ここにきて、ぱたりとイメージが、わいてこない。
まっしろだ。
真っ白だよん。
何この白さ。
似たような四字熟語がね、続いたのがねって言い訳すんな!!
うぉおおお!!絞れ!!絞り出せ!!自分の頭ン中の妄想を!!
・・・。
電:電気、ビリビリ、なんかすごい
光:ひかり、ぴかぴか、ちょーすごい
石:そこら辺に落ちてる、かたい、すごい高いのもある
火:燃える、めらめら、すごいあつい
何一つ物語のかけらが見つからん!!!
座卓のパソコンデスクから手を放し、後ろに手をついて、フローリングに背を合わせうーんとひと伸び、する。
ばき、ぼきっと、背中が鳴る。
そのまま、天井を見つめながら、頭の後ろで、手を組んで。
そっと、目を閉じる。
私の、神待ち。
こうすると、ふわっと自分の中の妄想がね、降りてくるのさ。
神は、私の頭の中にいる。たぶん。
・・・。
・・・。
・・・!!
キタ――(゜∀゜)――!!
腹筋を使って、がばと起き上がる!!
思いついたら即行動!
物語のかけらは即打ち込む!!
よし!!これで書けるぞ!!
すんげえの、きた!!
勢いよくキーボードに手を伸ばした私は。
ふと、スペースキーの汚れに目を取られ。
あれ。
電光石火の物語は、その名にふさわしく、きわめて短い時間で消え去った。
ちいとまえ、にたような話を書いたのです。同じオチを書くなど言語道断、只今絶賛頭抱えてますうわあああああん(。>д<)




