表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反映ーreflectionー  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/135

空気

入院した時の心細さ。


※こちらの作品は、ノベリズムさんにて連載中の「誰かのため息は、ずいぶん蒼くて…重いらしい。」でも公開しています。

フシュー、フシューと、機械の音が、白い部屋に響く。


この部屋の中は、消毒薬の香りが染みついた、空気で満たされている。



満たされた空気を吸い込み、私はひとつ、ため息を、ついた。



目の前には、空気を吸えなくなった人が、一人。



空気を、吸えなくなった、人であった肉体。


肉体を維持するために、空気を自動的に、送り込まれて、いる。



この機械は、人だった肉体を、無理やりこの世に、繋ぎ止める、呪い。



無慈悲な一撃で、根こそぎ抉られた、記憶。


無抵抗な人から、根こそぎ奪われた、命の機能。



目を閉じてしまうと。


在りし日の姿を思い浮かべてしまう。


動かない肉体を、まっすぐ、見つめる。



見て、おくのだと。



私と同じ空気を吸えるのは、あとわずか。


私と同じ空気が送り込まれるのは、あとわずか。



私の愛する人が。


世界から消えるまで。


あと、わずか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 44/46 ・おうふ…… [気になる点] きっと交通事故ですね。 [一言] 『、』が多いです。おおう、胸が痛い
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ