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反映ーreflectionー  作者: たかさば


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115/135

二極化の選択

もー、極端なんだから~ヘ(≧▽≦ヘ)♪



さて、どうしようかな。

切るべきか、切らざるべきか。


ただいま絶賛中途半端な髪の長さを持て余している私は、切るのか切らないのか、迷っている。


切るなら、目に入らない長さの前髪に、大匙いっぱいのシャンプー量で済むだけのベリーショート。

切らないならば、髪のボリュームを抑えるべく縮毛矯正をかけたい。


さあ、どうする。


伸ばすのか、伸ばさないのか。

切るのか、切らないのか。


短い髪形は楽だが、地味に寝ぐせの始末がめんどくさいのと、美容院に行く回数が増えるのがネックだ。

長い髪は、縛ればいいけど抜け毛も気になるしシャンプーとコンディショナーとヘアケア用品代がかかるのがネックだ。


ああ、どうする、どうしよう。


「ねえ、髪の毛長いのと短いの、どっちがいいと思う。」

「どっちでも。」


旦那は相変わらず自分以外のことに興味がないな。

ずいぶん前に私がちりちりパーマをかけた時でさえ、あははと笑って済ませたくらいだもんな。


「ねえ、髪の毛長いのと短いの、どっちがいいと思う。」

「どっちでもいいんじゃない?」


相変わらず、娘は人のことに無関心だな。

ずいぶん前に私が腰まであった髪をばっさり切った時でさえ、あははと笑って済ませたくらいだもんな。


「ねえ、髪の毛長いのと短いのどっちがいいと思う。」

「坊主じゃなければなんでもいい。」


ああ、息子は私が丸坊主にした時の衝撃をいまだ忘れていないらしい。

息子にとっては、笑い事では済まなかったようだ。


いやね、その昔さあ、頭皮がひどくかぶれたことがあってですね。

丸坊主にしたらすぐ治るよって言われたから、丸坊主にしたことがあってですね。

それを見た息子が泣き出してですね。

急遽コスプレ用のウィッグを被ったことがあったりしてですね。


うん、私、何も考えてなかった。

あのときの息子よ、心からすまん!!


「もうヘアドネーション目指してみようかな。でも、白髪混じりって受け入れてもらえるのかな。」

「なんでそう、二極化が激しいのさ、今の長さでいいじゃん。」


いや、中途半端が嫌いというか…。

そう、私は中途半端が意外と嫌いなのさ。


長いなら長いでさ、で周りの人から「ながっ!!」って言われたいじゃん。

短いなら短いでさ、周りの人から「思い切ったねえ」って言われたいじゃん。


「極端なんだってば!!もっとさあ、普通の人でいればいいのに。」

「それじゃあ私が普通じゃないみたいじゃん!失礼ですよ!!」


いろいろ悩んだ挙句、私は髪を切ることをやめた。


「うわ!!何その色!!」

「ブリーチを少々…。」


が、髪の色を変えたのだな。


「年寄りのヤンキーかとか勘弁してよ…」

「年寄りって言うな!!」


あれ、おかしいぞ、なにやら息子の様子が。


「なんか、やだった。」


しまった、私はまたしても、やらかしてしまったのか。

リビングのソファで、猫を抱えながらおずおずと私に目を向ける、息子!!息子の目ええええ!!


「だから何でこう…いきなりド金髪にするのさ!!!白か黒かみたいなさあ、極振りは止めた方がいいよ、マジで!!!もういい大人なんだからさあ、もうちょっと落ち着いたらどうなの!!!」

「やめてほしい。」


なんか私、めっちゃ怒られてるー!!!


「ただいまーって!!うわ!!なにその頭!!」


旦那が帰ってきたぞ。

さあ、笑うのか怒るのかあきれるのか…どれだ!!!


「ねーねー今日のご飯なにー?」


旦那は安定の無関心だよ!!!

こいつの頭の中は!!食うことでいっぱいだー!!!


「今日は!!賞味期限が近い卵使ってオムレツに炊き込みチャーハンに中華コーンスープにミモザサラダにスコッチエッグ…。」

「卵ばっかじゃん!!!」

「卵割りたい。」

「わーい!手洗ってこよ!!」


ちなみに明日は冷凍庫の大掃除をするから、ラムチョップに叉焼丼にタンシチューと唐揚、ロールキャベツも作ろうって思ってるんだけど。

いやあ、冷凍肉ってさ、たまに入れ替えないと、いつまで経っても残っちゃうからさあ。


毎日ちょっとづつ計画して使うとか、細かい芸当がね、苦手って言うかね?

…うん、私、色々と、極端だわ!!!


よくよく考えたら、おしゃれは一切しないけど、外食には躊躇しないとかさ。

テレビは見ないけど、動画はめっちゃ見るとかさ。

団体スポーツには一切参加しないけど、ウォーキングは三時間するとかさ。


手出ししないことと、はまる事の二極化がだね、相当、甚だしいのだな、私って奴は。

中途半端に手出しをする、もやもや感が、非常に、こう、気持ち悪いというかさあ。


結局私は、何を選択したところで、やけに偏っているということなんだな。


「たまには卵尽くしもいいね!!うまうま!!!」

「美味いからいいや、パクパク!!」

「おいしい。」


私が偏ってたところで、家族はみんな特に気にすることはないんだから、まあ、いいか!


「…卵色。」


息子の私の髪を見つめる目は、ずいぶん、ずいぶん突き刺さってるけども!!

…うう、反省、しております。


私のおかしな極振りの癖、治るかな、直したいな。

ぼんやりそんなことを考えながら、炊き込みチャーハンをおかわりしようかなと、しゃもじを手に取る。


「ごめん!!ご飯もうなくなっちゃった!!!」

「ちょ…!!!私まだ茶碗に半分しか食べてないのに!!!」

「だってめっちゃおいしいんだもん!また作ってー!」

「かなりおいしい。」


私は、ばさばさの黄色い髪をかき上げながら、空になった炊飯ジャーをキッチンへと移動させたので、あった…。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 115/115 ・金髪!! ちょっと見てみたい。 [気になる点] 自分なら短髪、抜け毛は嫌なんじゃ! [一言] 卵と牛乳は全てを解決する!
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