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思考
ご飯を食べ終え、お茶を飲みながらぼんやりとキッチンの方を見ていた。
キッチンにいる彼女は食器を洗っている。手伝いを申し出たのだが、また断られたのだ。
ふと、彼女が顔を上げる。すると目線がぶつかり見つめ合う形になった。彼女は優しく微笑み、僕はそれに照れて、顔を背けてしまう。
エプロン姿に見惚れていたことに気づかれ恥ずかしいとか、喧嘩をして気まずいというわけではないが微妙な雰囲気が漂っていた。
目線を逸らしてはまた彼女を見つめる。
そんな僕を見てか、彼女は終始、嬉しそうに微笑みながら、食器を洗っていた。
なんで、そんなに嬉しそうなのだろうかと考えるが、何度も考えていることで結論は出ている。
考えても、わからないということだ。
僕の足りない頭では答えが出ないのだから、何も考えず流れに身を任せた方がいいだろう。
お茶を一口飲むと僕はまた、彼女のことを考えてしまうのだった。




