〜氷 蛇〜
千年鬼姫 3
北海道には、流氷が例年より早く来てしまう、
三週間も早い冬であった。
網走で事件があり、女子高校生が被害に遭われたのである。
特殊部隊サーガの出動することに、、、
早速、扇姫たちが現場に向かう。
「うぅ、寒いよ、」
「赤、これぐらいで根をあげてるのか?」
「俺、暑いのは平気だけど、寒いのは苦手だから、」
「姫は、大丈夫ですか?」
「わたしは平気だよ、」
「やせ我慢しないで、これ使って、」
寅夫は携帯用ホットカイロをいくつも出していた。
それを見て、竜司と扇姫は、呆れていた。
襲われたのは、昼間だったこともあり、
かってに夜目がきかないのではと思い、
今日は、民宿に泊まりゆっくりすることにした。
「なんだ、暑いな、外はあんなに寒いのに、、」
「あはは、そんなに着込んでれば、暑いわな、赤、」
「寒い地方は、しっかりと密閉してるんだろう、」
「まぁ、風呂入ってくるか、青、、姫一緒に入る?」
「やだね、ほんとにエッチなんだから、もう、、」
「それじゃ、先入るね、姫、」
寅夫と竜司は、何故か外にあるお風呂に入っていく。
翌日
三人は、別れて探索していた。
見つけた場合は一人で戦わずにみんなを呼ぶことにしていた。
赤石と青石には、扇姫が仕込んでおいた弾丸を使う。
二人にコルト式短銃を持たせてある。
小物なら倒せることができる。
赤石寅夫から、連絡があり二人は駆け付ける。
だが、寅夫が居ない?
二人は、辺りを見回すと、、
「あっ、姫、居ました!」
「えっ、どこどこ、、」
氷の箱に閉じ込められている寅夫を発見する。
中で叫んでるのだが声が聞こえない、、、
二人は、氷を割ろうとするがなかなか割れない!
そんなところに、氷蛇が現れて二人に襲いかかる。
流氷の海から次々と襲いかかるので、、
短銃で撃ち抜く、小物は粉々に消えていく、、
近くに大物が居るはず、、なかなか姿を見せない。
すると、、流氷の海から、、
今までの三倍はあろうか、、氷蛇が出てきた。
扇姫は、股を広げてスカートから、弾丸を、、
ボトッ、、ボトッ、、
ショットガンに弾を詰めて、、
ドッカーン、、
その弾を氷の結晶がはじき飛ばす。
あと1発、、どうする扇姫、、、
すると、辺りが暗くなってくる、あちこちで炎が上がり、、
氷蛇に降りかかる、、、
堪らずに氷蛇が逃げて行く、、
暗かったのが明るくなってくる。
「良かった、ギリギリだったね、姫ちゃん、」
「あっ、葵さん、なぜここに、、」
「対策本部の要請でね、、」
「そうなんですか、、」
「九尾ノ館が、あの事件以来暇でね、妹たちで十分なんで、」
「私含めて、紅と芍も応援してるってことで、」
「さっきのは、なに?」
「あれね、芍の幻想世界で、私の炎を入れているのょね、」
「そうなんですか、ってことは、現実じゃない?炎は、、」
「炎は、現実だから、氷蛇が逃げて行ったのでしょう、」
「そうですか、私の武器は無理なのかなぁ、、」
「大丈夫よ、姫ちゃん、、」
「そうだといいんですけどね、」
氷の箱は、溶けてきて中の寅夫が、、、
ヘックション、、
びしょ濡れになっていた。
「大丈夫、赤、、」
「あぁ、なんとかね、姫、」
「いったいどういうことなの?」
「うん、、」
寅夫は、扇姫に説明する。
大物の氷蛇に乗っていた少女が叫んでいたこと、、
「これ以上、わたしたちを困らせないで、今度来たら、容赦なく殺すわよ、」
その少女が言ってたことはどういうことなのか?
不思議でならない、まるで私たちが侵略者のようだ!
扇姫と竜司は、疑問に思っていた。