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書く理由(その弐)

作者: 綿花音和

 私が、何かを書くのは自分の心に折り合いをつける為でした。

 だから、書くものも私小説よりで身近なことを元にしてそこに絵の具を混ぜるようにしてフィクションにしてきたように感じます。

 


 自閉症スペクトラムを抱えながら他人との付き合いに悩んだ幼い頃から思春期。

 一度浮上しながら、また沈み二十代前半は入院生活を経験しました。

 なかなか出来ない経験をしたと今は思いますが、当時は出口が見えず自立して暮らせるようになるなんて想像もしませんでした。

 


 障害のことは伝えずに契約社員として会社に入社し、数年前障害があることを会社に伝えました。幸いなことに現在までずっと同じ環境で仕事をしています。

 

 自分なりに描く普通というものに寄せたと思い込んでいましたがきっと違っていると感じます。

 そもそも普通なんて思い描く人それぞれにあるのだから、それを追っている時点で不自由だったんだと今は分かります。

 

 弱さやストレスから自分を大切にすることが難しく幾度も安易に命を危険にさらしてしまったこともありました。愚かな私から離れなかった友人や恩師、主治医に支えられて何とか命のリズムを刻んでいく日々が続きます。

 

 現在の恋人に出会って、やっと自分を大切に出来るようになりました。短編として経緯は上げていますが……。

 そして彼の友人が偶然優れた書き手だったこともあり、ある日読書の話で盛り上がりました。

 その時、『書き方が分からなくても、心の中にあるものは技術とか後回しで残した方がいいよ』という言葉をもらったのが私の出発点です。



 書くことが私を支えてくれてきました。彼にもらったピンクのキーボードを叩きながら、今も言葉という声を上げています。

 今日は二人でもんじゃ焼きを食べて、紀伊国屋書店で初めて小説の入門書を購入して帰りました。

 早速読んでみると、プロットの立て方から丁寧に記載してあって知らないことばかりです。さまざま鍛錬になることも挙げてあったので、本日より始めます。

 


 これからも、自分本位の作品を沢山書いてしまうと思います。それでも少しずつ読み手の人への気持ちの比重が増えていくように努めます。

 学びながら、今ある連載を一つずつ完結させて、それからまた違った距離で書くことの理由を探せたらと感じています。

 

読んで下さってありがとうございます。

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[良い点] 綿花さんの心に触れるエッセイ。噛み締めながら繰り返し読みました。 私の中で様々な感情が生まれ、どのように感想をお伝えすればいいのか悩みました。 結局、上手く言葉にできそうにありませんが、確…
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