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カードレース・スタンピード!!  作者: 能登川メイ
episode 9 愛ゆえのロンド。千里vsアルジ
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激突!! 群れ成す器械兵!!

DEF30000のマシンを除去するのは、言葉で言うほど簡単では無い。


万能の単体除去はたいがい『重い』し、一定のステータス以下を焼き払う『火力』に分類される除去でも参照されるのはDEFの方だ。


だから、三万も防御力があれば十分な無茶ぶりのはずだったのだが…………やはり何事にも例外はある。


少なくとも……ここに集った三人には通じないようだ。





「拙者のターン! ファーストマシン《疾風の足軽》の上に《騎馬兵徴収部隊》を重ねる!!」



《疾風の足軽》✝

ギア1マシン サムライスピリット POW2000 DEF2000

◆【このカードを疲労させる】ターン終了まで、場のマシン一枚のPOWを+2000する。




《騎馬兵徴収部隊》✝

ギア2マシン サムライスピリット POW5000 DEF5000

◆【このマシンの上にマシンが重なった時】このマシンの下に重なったマシンと同名のマシンを二枚まで場に呼び出す。




「お前、それ……ホムラと同じ領域の!!」


「ふふふ。いかにも拙者らしいデッキにあろう』


驚く千里に向けて、古風な少女は自慢げに語る。


サムライスピリットは或葉のお気に入りだった。


「……さてと、ここに《戦場の朱鎧》を重ねる。徴兵部隊の効果で疾風の足軽二枚をデッキから呼び出す!!」


『…………!!』


器械兵も目を見張る中、空っぽの場が一息に一第戦線を築き上げる。


刃構えるその立ち並びは確かに、古風な彼女にはピッタリのデッキだった。




《戦場の朱鎧》✝

ギア3 サムライスピリット POW10000 DEF5000

◆【このマシンの上にカードが置かれた時】このマシンを空いているマシンゾーンに呼び出せる。




場には三枚の足軽。これで彼女の準備は整った。


……と、こちらも始めなければ。


「…………俺のターン!! ……ファーストマシン《ゴールデングース》の上に《ゴールデン・キッド》、更にその上に《ミスター・トレーラー》を呼び出す!!」



《ゴールデン・グース》✝

ギア1マシン スカーレットローズ POW2000 DEF2000

◆【ゲーム中一度】マシンまたはアシストの下に置かれたこのカードを、他のゾーンに呼び出せる。




《ゴールデン・キッド》✝

ギア2マシン スカーレットローズ POW6000 DEF9000




《ミスター・トレーラー》✝

ギア3マシン ATK10000 DEF8000 スカーレットローズ

◆【場札二枚を疲労/一ターンに二度】山札からギア1一枚を呼び出す。」




ゴールデンキッドはただのコスト。重要なのは残り二枚だ。


「ミスター・トレーラーの効果でグースとキッドの二枚を疲労、デッキから《パイクリート・ライド》を呼び出す!」




《パイクリート・ライド》✝

ギア2マシン スカーレットローズ POW8000 DEF8000

◆【ダブルギア1(このマシンはギア1としても扱う)】

◆【センターがギア2以外】このマシンのPOWとDEFは半分になる。




『エ、アノ、【ダブルギア】ハ禁止ノハズ……』


「手札に加えなきゃいーんだろう? これで相棒を出迎える準備は整った!」


「左様にござろうよ。さてと……こちらも詰めの一手と行くかの」


動揺する器械兵達を無視し、そして両者は共に放つ。


勝負を決める一手を。


両者最後の一枚が輝く。


「ーーーーマシンゾーン三枚全てにギア1が存在する場合のみ、このカードは発動できる。練り上げるは愛おしき偶像、我が道を照らす千遠火!! 夜明けの時を我と共に迎えようではないか!!!」


「ーーーー積み上げた時を運ぶ巨影、定刻通りにいざ参る! クロガネを喰らい我が道を切り開き進め!!!」


「発動せよ 《必勝! ウイニングチェッカー!!》…………そして現れよ拙者の最推し! 《勝利の導き手チエカ》ッ!!」


「…………来やがれ相棒ド有能!! 《グレイトフル・トレイン》!!!」


そうして現れる。


金髪美女と人面列車。


彼らの物語が始まった時からの勇士たちが、轟音と閃光を伴い現れる。




「ーーーーーーーーって結局呼ばれるんかいっ!!」


ーーーーーーーーGOSSYAAAAAAAAAAAA!!





《必勝! ウイニングチェッカー!!》✝Winning_ran_checker…

ギア1アシスト ステアリング

【三枚のマシン置き場それぞれからギア1を一枚ずつセンターに重ねる】

《勝利の導き手チエカ》一枚を作成し、センターに重ね呼び出す。その後このカードをセンターの下に重ねる。この効果は《勝利の導き手チエカ》の効果として扱う。




《勝利の導き手チエカ》✝

ギア4マシン ステアリング

【デミ・ゲストカード(自身の効果以外ではセンターに置けず、センター以外では走行できない)】

【二回行動(このマシンが疲労した場合、同名カード含め一ターンに一度のみ回復できる)】

◆【このマシンがバトルに勝利した時】このマシンをセンターに移動できる。

◆【このマシンの破壊時/センターに置かれたカード二枚を取り除く】破壊されたこのマシンをセンターに呼び出す。






《グレイトフル・トレイン》✝

ギア3 スカーレット・ローズ/マシン ATK10000 DEF10000

◆【自分の場のギア1マシンを疲労させる】コストカードのPOWとDEFとギアを自身に加える。




「「…………さあ、行こうか」」


『『…………ヒェッ』』


たじろぐ器械兵に構わず、彼らは詰み手を繰り出す。


「さて《朱鎧》の効果! 自身の上にカードが重なった時、空いている場に呼び出せる! 更に三枚の《疾風の足軽》の効果、一枚疲労させるごとに自身の兵一枚のPOWを2000ずつ上昇させる!!」


「さあフィナーレだ! ギア1扱いのパイクリート・ライドをグレイトフル・トレインの下に重ねてステータス吸収!!

更にゴールデン・グースは自分の効果で空いた場に参上! こっちも噛み砕く! ここにミスター・トレーラーのパワーを合わせれば…………!!」


……複雑なことをやっているように見えるが、結局バフデバフ型カードゲームとは足し算の連続だったりする。


或葉の場はPOW10000の朱鎧、POW14000のチエカに加え、足軽の2000点のバフが三回。


千里の場には素のPOWが10000のトレーラーに加え、グースのPOW2000とパイクリートのPOW8000がトレインのPOW10000に吸収されている。


つまり…………





或葉総戦力…………10000+14000+2000+2000+2000

………………………=30000!!




千里総戦力…………10000+10000+2000+8000

……………………=30000!!




『『ア、アイエエエエエ!! 打点ソロエタデストォオオオオ!? ワレラ初戦ナノニイイイ!!』』


「おーよ! テメーの飼い主に言っときな、実に絶妙なバランスがナイスだったってな!!」


「楽しませて貰った故。感謝のお布施は弾むと思って貰いたいの」


それは、完全に始末するつもりで来ていた器械兵にとっては侮蔑でさえある言葉だろう。


恐怖に震える器械兵にトドメを指すべく、彼らは幕を引く。


「さあ出会え出会えっ!! 勝利の導き手チエカと朱鎧の連携攻撃ーーーー」


「喰らいやがれ、グレイトフル・トレインとトレーラーの連携攻撃ーーーー」


ーーーーところで。このミッション自体はDEF30000のタンジェントを倒せばクリアだが、そのためにPOW30000のみを揃えた場合ちょっと悲惨なことが起こる。


「ちぇすとー…………アレ?」


蹴りを放つチエカが気づいた。三万対三万という事はつまり。




Death タンジェントDEF30000vs30000POW二体連携 Death




相打ちである。


「「必殺!! 大日本バンザイアターーーーーーーーック!!」」


「ちょっと酷ーーーーごぶふぁあ!?」


『『グムギャアアアアア!! コノ報イカナラズヤ……ゴホァアアアア…………』』


講義の暇も無く、どんがらがっしゃんと轟音を響かせタンジェント達(千里の相棒含む)と一緒に粗大ゴミと化していくチエカ。


爆発炎上する中で、彼らの視界に【おめでとうございますこの野郎!! 報酬はプレゼントボックスに投げ込みました!】というやけっぱちのメッセージが表示された。


「……ヨシ!! これで道は開けたな!」


「ウム! チエカ殿もこの先の旅路を見守ってくれてるにござろう」


もちろんチエカは自前の能力で復活できるし、最悪完全に破壊されても数えきれないほどのスペアと記憶を共有しているため平気へっちゃらなのだが、そこにはあえて触れない二人なのであった。












ーーーーと、そういえばもう一人の仲間はどうしただろうかと、三つ目の戦場を見やる彼らだが。


そこには。


「「…………ゑ?」」




Death タンジェントDEF30000vs45000POWユリカ OVERKILL




なんか訳の分からない打点になってるユリカさんにかなり恐怖を感じる二人。


もちろん器械兵も震え上がっていて。


『オヤメクダサイ、ユリカ様!! ワタシハタダ貴女二持チ場二モドッテホシカッタダケデ…………』


「んなことどうでもいいっての!! こちとらアンタのご主人様に用があって来てんのよさっさと退きなさい!

くらえあたしの攻撃ーーーーサディスティック・ヘル・ドロッッッッッッップ!」


『チョットマッテクダサイオネガイシマス! マッテ、タスケイヤアアアア!!』


ちゅどーーーーん!! ……とあっさりとオーバーキルで試練をクリアするユリカになにか声をかけようとした千里達だったが、


(…………いまはやめとこう。死ぬ)


(虫の居所が悪い時はそっとしておくに限るの)


その恐怖を以て、まだまだ練度ではベテラン勢に敵わないことと、ついでに同じようなデッキ使ってたはずの詩葉の弱さを再確認するのだった。

※ユリカと詩葉は、共にヘル・ディメンションのデッキを使ってます。

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