リードブロー・ファイト!! 千里VS炎のエネミー!!
チエカのカード紹介コーナー!今回紹介しますのはギア3《グレイトフル・トレイン》! パワー・ディフェンス共に10000で走力15。場のギア1を自身に重ねるとそのステータスを該当ターンのみ吸収できちゃいます!
タフなおかげで軸札としての需要もあるこの子。ですが上には上が居る! この子を下準備と呼ぶほどの切り札もあるのですがそれについてはまたいずれ。
それでは本編にGo!
此度の戦いの概要はシンプルだ。「周りに喧嘩売っている男がいたから千里が買った」。
電子の世界の戦いはそのくらいにあっさりと巻き起こるのだ。
ゲームは始まる。
「俺の先行!! ファーストマシン《ホワイト・エッグ》で走りターンエンド!!」
エネミー残り走行距離……100→95
「俺のターンドロー!! 俺は赤塗りのパトライドで疾走!!」
千里残り走行距離……100→95
「更に《パイクリート・サイドライド》を呼び出す! コイツをセンターと入れ換えるとギア2扱いにできるのよ!」
「ホォーン!?」
《パイクリート・サイドライド》
ギア2 スカーレット・ローズ/マシン
POW8000 DEF8000 RUN10
《ダブルギア・1(このマシンはルール上、ギア2としてもギア1としても扱う。また、任意のタイミングでどちらかのみとして扱うこともできる)》
◆《常時》センターのギアが2でないなら、このマシンのステータスは半分になる。
「 更に同じギアの《クリスタル・ミラー》《ゴールデン・ハイウェイキット》を呼び出して三台で疾走!!」
千里残り走行距離……95→85→75→65
「ターンエンドだ!!」
「俺のターンドロー! ホワイトエッグで疾走!! 更に《ルシフェル・アーリー》を呼び出す!!」
《ルシフェル・アーリー》
ギア2 ステアリング/マシン
POW7000 DEF11000 RUN20
◆『このマシンの呼び出しに成功したとき』自分は手札を一枚捨てる。
「!? なんかステータスエグくね?」
「デメリットの分強いのよ! 効果で手札を捨て、疾走!!」
エネミー残り走行距離……95→90→70
「続けてギア3《ダイナモ・アーミー》を呼び出して疾走!! 更にもう一台を呼び出してまた走る!」
エネミー残り走行距離……70→55→40。
「俺はターンエンド」
「ほーん? 俺のターンドロー……」
現在、千里の残り走行距離は65。
場には走力10のマシンが三台と、ルール上走れない《赤塗りのパトライド》。三台で走れば残り走行距離は30減って35になる。
相手はスデに王手をかけている。可能なら次のターンで勝っておきたい。
だが手札のマシンで追加で走れるのは……
《グレイトフル・トレイン》✝Great_full_train…
ギア3 スカーレット・ローズ/マシン
POW10000 DEF10000 RUN15
◆『自身がセンターである/コスト・自分の場のギア1を自身の下に置く』このマシンのステータスに、コストカードのステータスを加える。
(《グレイトフル・トレイン》だけか……)
コイツの走力は15。残り20の距離はただ走るだけでは勝てない。
だがコイツには場のギア1を吸収してステータスを上げる効果がある。
そして、場にはギア1にもギア2にもなれるパイクリートが居る。
であれば。
「俺は、クリスタルとハイウェイキットで疾走」
千里残り走行距離……65→55→45
「更に、センターに《グレイトフル・トレイン》を呼び出す。効果でギア1扱いにしたパイクリートを吸収!!」
「!?」
グレイトフル・トレインステータス……
POW10000+8000=18000
DEF10000+8000=18000
RUN15+10=25!!
「さあ行くぜ! 走力15扱いのトレインで疾走!!」
千里残り走行距離……45→20
「そしてだ! ファーストマシンだった《赤塗りのパトライド》の効果!」
「え!?」
「コイツをセンターに重ねれば、センターは回復し再び走れる!
コイツでウイニングランだ!!」
千里残り走行距離……20→0=GOAL!!
会場から、歓声が上がる。
対戦相手が遅れてゴールに到着する。
「…………よ。まっすぐないいレースだったぜ」
「……一つだけ、聞かせてくれ」
すっかり燃え尽きたらしい炎の男は問う。
「なんで、トレインの効果を使ってくれたんだ? 使わなくても、パトライドには「回復したマシンの走力を5増やす」効果もある。その力を使えば、もっとあっさり勝てたのに……」
「まぁ……なんとなく、かな。その方がおっちゃん喜びそうだったし」
「ああ、そうさな……」
男は空を仰ぎ語る。
「俺、そんな事考えちまうくらい効率重視しちまうからさ。コンボとか使いたくても体が拒否しちまうのよ。
脳筋ルシフェルを使ったのもそういうことよ。だからなんだ……ありがとよ、手間かけてくれてさ」
「なんつーかその……どういたしまして」
決着がつけば敵味方は無い。
両者は握手をかわし、再び歓声は巻き起こった。
その様子を、影から見ている者が居た。
シルヴァだ。
「……どうやら、なかなかの上玉のようだな……」
汗は滝のように流れ、息は絶え絶え。彼もまた、壮絶な戦いの直後だった。
「引き入れるか。そして……なんとかして、あのバケモノを止めなくては……」
彼は回想する。
暴君に討たれた記憶を。
次回「モノトーンの出会い」。お楽しみに!