極限の鍔迫り合い!! 千里vsルイズ後編!!
《マッチメイク・タンクローリー》✝Match_make_Tank_rolly…
ギア3 スカーレット・ローズ/マシン
POW10000 DEF10000 RUN15
◆『コスト・場のギア1三枚をセンターに重ねる』山札、手札、スクラップの何れかからこのカードをセンターに重ねる。この効果はレース中一度しか使用できない。
◆上の効果で場に置かれたこのカードは以下の効果を得る。
●《二回行動(このカードの行動後、一ターンに一度のみ自動で回復する)》
●『このマシンの登場時』お互いの残り走行距離を100追加する。
千里残り走行距離……35→135
ルイズ残り走行距離……25→125
『チ……合体ロボの片割れはマッチメイクか!!』
「おーよ。お気に入りなんだぜこいつ」
青の領域。
双碗を掲げるマシンの瞳がみなぎる。
「早速行かせてもらうぜ!! 重機王で攻撃!!」
双碗が唸る。
首を掴み取り、鉄拳を打ち込む。
一撃へこませ。
二撃めり込み。
三撃潰し。
四撃光を握り潰す。
そして五撃目でルイズに亀裂が走る。
『ヌウ!?』
「ここで重機王のもう片割れの効果だ!!」
守備力二万に一万での攻撃。
無謀なはずの挑戦を、その下支えとなるマシンの力で突き通る。
《キャリアス・ロードローラー》
ギア2 スカーレット・ローズ/マシン
POW 0 DEF 0 RUN0
◆『自分の場のギア1二枚をセンターに』山札からこのマシンを
場に呼び出す。この効果はレース中一度しか使用できない。
◆このマシンをセンターの下に重ねる事ができる。この方法で接地されたこのマシンは、センターマシンが変更された場合捨て札にする。
◆このマシンを重ねているマシンは以下の効果を得る。
⚫️《常時》このマシンを+12000/+3000/10で補正する。
⚫️《××》××××××××××
WIN マッチメイク22000vs20000ルイズ LOSE
ルイズが砕け散る。
しかし千里は止まらない。
「まだまだ。キャリアス・ロードローラーの効果!」
千里が吠える。
「『センターに重ねたギア1マシン三枚を疲労させる事でセンターを回復する』!!」
『現在センターには6枚のギア1があるから、その走行回数は…………タンクローリー自身の二回行動と合わせると……』
「……つまりどういう事です?」
「鈍いなマアラ。合計四回、100キロ分の走行権だ」
規格外の能力。
それを見事に使いこなす。
「走れ」
千里が号令を下す。
機械の足が未来に向かう。
本来のゴールすら踏み潰して‼️
「走れ。走れ走れ走れ走れ走れ走れ!!」
千里残り走行距離……135→110→85→60!!
圧倒的走行能力。
一息に75キロもの距離を走りきる姿を見て、詩葉が誇らしげに語る。
「新規カードをよくぞ使いこなした。これで千里の勝ち…………」
「はたしてそうですかね?」
「ん?」
仕返しとばかりのマアラの声にいぶかしむ。
『舐めるなああああああ!!』
ルイズ残り走行距離……125→105→85→65!!
「なんだ? ルイズが五キロ後方につけている!!」
ルイズはボロボロの首ひとつで食い下がっていた。
忌々しげに吐き捨てる。
『……念のため最新パックのカードを入れておいて正解だったわッッ』
《死炎印》
ギア3 ステアリング/チューン
《使用条件・自分マシンが破壊されたとき/手札一枚を捨てる》
◆ターン終了まで、このカードは使用条件となったマシンのRUNと同値の《デットヒート(相手が走行したとき、デットヒートの数値分走行する)》を得て設置される。
『我も流行りに乗ってみたわ!! お陰でまだまだ食らい付ける!』
「ちょっ…………試練の番人がそんな簡単に流行りに流されて良いのか!?」
『たわけ! 我はAItubaルイズ! 他社のゲームも容赦なく実況しコラボ先でももっぱら巨大ボス担当!! その我が流行りに乗らんでなんとする。なんならツイッターで流行りのマクラエイギョウとやらでもやってやろうか!!』
「最悪じゃねぇか!?」
なんか彼らにどういう感情を向ければ良いかわからなくなってきた千里だが、それとは関係無く状況は進む。
もはや千里に打てる手は無い。
「…………俺はこれでターンエンド」
長い長い四ターン目が終わる。
ここからは流れるようなもの。
『我のターン! ドロー!
……ここまでの闘い実に見事!! だが試練は容赦せん!!
今こそ我が必殺技を打ち込んでやろうではないか!!』
千里が異常を察知する。
砕いたはずの鋼が赤くみなぎり始める。
集う。
『今こそ起動せよ! これぞ我の必殺奥義! 手札を二枚捨てて《断絶!! ルインズ・ガードナー!!》を発動ッッ!!』
再び。
巨影が、今度は赤熱して立ち塞がる。
《断絶!! ルインズ・ガードナー!!》
ギア1 ステアリング/チューン
◆《使用コスト・手札を任意の枚数捨てる》
◆捨てた手札の倍以下のギアの《進路妨害》を持つマシンを一枚山札か捨て札から選択し場に呼び出す。この方法で呼び出したマシンのDEFは倍になる。
ルインDEF……20000×2=40000!!
「防御力四万で復活した……だと!?」
『震えて怖じよ!! 復活した我で走行!! 貴様はそこで我の胴体と戯れているがいい!!』
赤い躯体に照らされつつ、大顋が千里を振り切る。
ルイズ残り走行距離……65→45→25
マアラが語る。
「千里さんの合体ロボの合計パワーは22000。残り18000のパワーを引き入れない限り勝ちはありませんね」
「くそ!?」
まだまだ壁は高い。
千里が二枚の手札を確認する。
(センターはギア3。ギア4のブラック・グリズリーは横に呼べない。でもってもう一枚はギア1扱いになるパイクリート。こっちはパワー4000として呼べるが…………)
捨て札には、手札一枚をコストに復帰するルシフェルがある。こちらはパワー5000。
つまり。
(マジかよ…………最後の最後にドロー勝負か!?)
残り9000。
そのパワーを引き入れるか否かの勝負。
『ハッハッハ!! これだからカードゲームは面白い!! お互いに打開の手札は無し! 後はドローが全てを決めるのみだ!』
とはいえ、パワー9000はギア3のラインだ。もちろんギア4を引いても呼び出せない。
つまり。
「ははっ……俺はもうギア3を引き当てるしか無いって訳だ!!」
『見せてみよお前の運命! そして我を打ち倒して見せるがいい!!』
「…………」
山札を見る。
電子の神さえ支配できない、確率の世界。
それに勝てと。
「後は信じるぜ」
アバターの手をのせる。
呼吸が早まる。
頂点を掴む。
そして。
「ーーーー俺のターン、ドロー!!」
引き入れた手札はーーーーーーーー




