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カードレース・スタンピード!!  作者: 能登川メイ
Episode.4 試練開幕! ???vsユリカ!!
31/190

君主会談。危うき道への合流!!

チエカのカード紹介コーナー!! 今回紹介しますのは《極上の乗り手ユリカ》!!



《極上の乗り手ユリカ》✝

ギア4 ステアリング/マシン

POW16000 DEF9000 RUN20

◆《デミ・ゲストカード》

◆『自分のセンターがギア4以上である』場このマシンをセンターに重ねる事ができる。

◆『バトル開始時/コスト・味方マシン一枚を横に』バトル終了まで、コストカードのステータスを得る。

◆《デットヒートXX(XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX)》



前回ちら見せした《ヘル・ディメンション》の女王様事ユリカさんのカード! ド級の打点に加え、自バフも備えた攻守敵無しの一枚!

更に気になる能力,《デットヒート》!!こちらはまだ秘密という事で。

ではでは、久しぶりにワタシがいっぱい出る本編に参りましょう!!

鳥文邸。


両親が留守のことがほとんどなこの家は、実質一人娘の為の聖域と化していた。


一人娘。


彼女。





そこは、自宅でも彼女が特に好む場所だった。


薄暗い六畳間の自室。


童女君主が電子に語る。


「現在、《スタンピード》のグランドクエストは《リセット》状況にある。そうね?」


語るのは鳥文良襖。正真正銘の女子小学生だ。


千里の旧友であり、電子の世界ではYagami123として暗躍する。


問題の塊。


このゲームのスキャンダルの中心核。


そして、もう片翼。


『ハイ☆ 辛くも旧試練をくぐり抜けた方が手にしたカードにも《スタンプ》を押して鍵としての用途は潰しました」


もう片方は御旗チエカ。


正体不明、真意不明、制御不能の電子の怪物。


「よしよし、偉いわよ。……このゲームのグランドクエストの不在は本気でマズかった。無茶はしたけど、それをせずに業界から消えたら元も子もないもの……」


『でも、おかげでやらなきゃマズイ事が一気に増えちゃいましたね?』


「……うだー」


幼女君主はうなだれる。


神様役も楽では無いのだ。


「ま、正しく調整するわよ。手も打ってある……。チエカ、《NS》の担当は捕まったんでしょ?」


「イエース! 自信たっぷりの作者サマをダース単位で♪」


「よし。彼らの物語で競い合うとして、後はあたしの仕事だけど……」


『進捗は?』


「最悪」


赤毛がひしゃげる。


ブルーライトカット用グラスにひびが入る錯覚。


「《NS》関連もヤバイけど、差し当たりヤバイのは第三弾パック《リーサル・フォース》の看板ね。ギア5ステアリングの素ステオール0ってとこまでは詰めてるけど」


『それなんにも決まってないのと同じでは?』


「言わないの。確かにもっとデザを詰めないとだけど……うがー」


言って、椅子から崩れ落ち。


「……ふふっ」


何故か彼女は笑う。


「? 大丈夫ですかー?」


「……おっかしーの」


「?」


「あたしたちってば社会に触れちゃいけないレベルの存在なのに。実際世界を回そうとしちゃってるもの」


薄暗い天井を見上げ、少女はまどろむ。


電子嘯く少女が返す。


「それはまぁ、才能ってやつですから? 今の想像力を大人になるまでオアズケとか枯れちゃいますし!」


「だ、け、ど、よ? もしこんな事が公になったら?」


何故か少女は嬉しそうだった。


「既に万単位の人々を魅力する《スタンピード》の運営が、もし女子小学生とアナタという『バケモノ』だったとしたら? アナタとあたしの『正体』がバレたらヨユーで業界に風穴開くわね」


『そりゃあアナタは法律とかいろいろ引っかかりますし、ワタシの『正体』に至ってはもうもう』


「『世界が壊れる』。冗談抜きで」


身を震わせる。


恐怖からではない。この程度で恐怖を感じるなら君主は務まらない。


「ゾクゾクしない? 良くも悪くも『世界を変える』ほどの力があたしたちにあるっての。最ッ高の気分よ。アナタはどう? チエカ」


『そりゃあもう』


御旗チエカは電子に踊る。


今日日ブラウン管の画面の中にきめ細やかな電子の肢体が映し出される。


『たまりませんとも。バズの中心核で在れる感覚は何よりの『生きがい』ですので。何度でも言わせてもらいますとも。「アナタに出会えて良かった」と』


「ふふっ。ふふふふふふ」


『ふふふふふふふふふ』


不気味に笑う二人。


彼女らは指先ひとつで明日の地球をぶち壊せる。


視点が違うのだ。


……と、チエカが仕切り直すように言う。


『……さてと。では今の心境を看板にぶつけましょう!』


「話が別。機嫌のいい悪いじゃない……何か新しい経験が要るわ」


『ぷーい』


彼女の思考、その頭上には鼠色の雲。


モヤは晴れない。


ひとつ、ふたつ。


思考を空転させた上で、彼女は。


「……ダメね、ちょっとこのままじゃムリかも」


『ということは、またあちらへ?』


「ええ。傍楽のヤツも連れて行くわ。付き添いは必要でしょう?」


チエカはすぐに察する。


どうしてもと行き詰まった時、彼女には向かうべきところがある。


『ハイハーイ♪ くれぐれも、貴女の正体が公にならないように☆』


「リョーカイ」


癒やしの場所。


優しさ温もる彼女の休息地点。


「久しぶりかも、私のセーブポイント。……ちょっち癒やされて来るわ」






そして翌日。


学校を終え、詩葉の元に向かうと。


女子用の子供服が置いてあった。


「…………………?????????」


「おお、よく来たな。着ろ」


「なんでッ……!? 何がどうなりゃそうなるっ!?」


「何故って、あそこは男子禁制だからな。と言っても、きっかり女装して雰囲気を崩さなければオマエでも入店できる。癒やしを得るには必要な事だ」


「イーミーフー!!? ス○バ的な何かじゃ無かったのかよっ!!?」


混乱を吐き捨てる千里。


そして問う。


「もうあれだ。この際諦めるとして……つーか。女装が必要な店とかどこのナニガシすか」


「どこって? そりゃあまあ……」






そして同じ頃、少女は向かうべき場所に想いを馳せていた。


(久しぶり。ちょっとドキドキするかも。仕方ないわよね、店名が店名だもの。何しろあの店の名前は……)







(「百合喫茶」)






そして、同一同時に同じ単語が語られてから数十分後。





((ーーーーなんでここに知り合いがッッッ!?))


大惨事は起きた。


方や慣れない女装姿の千里。


方やお忍びの裏事情持ちの良襖。




この後の話の転がり方など、ろくなものでもないに決まっている。

次回「百合花舞う聖域」。ちょーっとお待ちを。

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