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カードレース・スタンピード!!  作者: 能登川メイ
Episode.4 試練開幕! ???vsユリカ!!
30/190

戦況整理。挑むべき道との邂逅!

チエカのカード紹介コーナー! 今回紹介しますのは《ウェブシーク・デーモン》!



《ウェブシーク・デーモン》✝

ギア3 ラバーズ・サイバー/マシン

POW  0 DEF15000 RUN0

《呼び出しコスト・手札一枚を捨て札へ》

『進路妨害(相手は進路妨害を持つカードが存在する限り、可能ならそれを攻撃する)』



前回、ど派手に妨害してくれたド有能君!! 完全な壁専用マシンで、ギア一つ分の軽さのおかげでエレナより気軽に使えます!

手札コストこそあれどソー・バット!! 現環境ラバーズ・サイバーはドローの鬼。通常のレースでも十分コストを確保した上で繰り出せる事でしょう!


さあさここから物語は再始動! ついてきてくださいよりミナサマ!!

「ほう。調子良いじゃないか、千里」


「……ん? あー、詩葉さん居たんすか」


「ああ。借夏のやつに入れてもらったんだ」


リアル。


自室のPCの前、向かっていた千里は相棒の詩葉に声をかけられる。


『ゲーム中に気がついたら、自分の部屋に年の離れたおねーさんが居る』……と言えばその通りなのだが。


詩葉のスポーティーで男前な空気感がそれに一切気づかせない。なんだったら彼の実の兄借夏の方が女に見えるまである。


千里は兄譲りの中性的な顔を揺らし、詩葉に向き直る。


「おかげさまで頑張れてるっす。だいぶ慣れてきた。四対一でもなんとかなりそうっすよ」


「そうか……なら『次』は攻略できそうだな」


「そうっすね」


プー…………と終了のブザーが鳴った。




ーーーーそれは、執念を試す戦い。




『試練開始から合計12時間が経過した!! 現時刻を以て《『百人切り』の本試練》を打ち切るものとする! 残念だが試練は『失敗』だ!!』


剛列なる声が響く。


瑠璃色の巨影が『今日も』彼らを見下ろしていた。



挿絵(By みてみん)




「……ちっくしょ」


「100人中80人。初回でそれだけやれれば大したもんだ」


「そりゃどーも」


悔しげに背を投げ出す千里に、ぽんと詩葉が手を置く。


彼らの『勝利』はまだ足りなかった。







偉大なりき7つの試練。


待ち受けるそれらは、徹底的に挑戦者を打ちのめすのだ。







ーーーーそれは、極上を追求するタンゴ。




「ウイニングラン!! 私自身のカード《極上の乗り手ユリカ》で疾走!!」


「マ”ッ!?」



ユリカ残り走行距離……10→0=GOAL!!



「残念だったわね☆ アナタの実力で、アタシに挑むのは早かったようね!」




《極上の乗り手ユリカ》✝

ギア4 ヘル・ディメンション/マシン

POW16000 DEF9000 POW20

◆《デミ・ゲストカード》

◆『自分のセンターがギア4である』このマシンをセンターに重ねる事ができる。

◆『バトル開始時/センター一枚を横に』バトル終了まで対象のステータスを追加で得る。

◆《デットヒートXX》(XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX)




「ほらほらしもべ達!! そんなんじゃちっとも楽しめないわよ!!」


「あーその、自分一応さっき勝ちましたが……」


「なにー? か・ち・ま・し・たぁ!?」


ズイッツ!!


「ヒッ!?」


「最新のメタメタ厨戦法でハメ倒しただけでしょうに。自分勝手な子は嫌いよ! 《娯楽恐悦の試練》は『失敗』!!」


「そ、そんな!?」


「それと、さっきのコンボのパーツちゃんは評判につき修正(ナーフ)が決まっているので次から使わないよーに」


「ぎゃふん!!!」


幾十人目かの戦士が崩れ落ちる。


桃色の短髪姫は今日も傍若無人に振る舞う。







ーーーーそれは、器を試す護りの試練。



「三体の連携で《ヒロイン・スタチュー》を攻撃」


「あっ!?」



WIN 三体連携POW32000vs30000DEFヒロイン LOSE



「……お前は守るべき姫を守りきれなかった。《守護の試練》は『失敗』だな」



《ヒロイン・スタチュー》✝

ギア1 サイエンス・ケミストリー/マシン

POW  0 DEF30000 RUN0

◆《守護の試練》はこのカードを設置した状態で開始する。このマシンがフィールドを離れた場合、試練は失敗となる。




「チクショウ……もっと強くなんねえと」


「強さより、心を試す試練だと思っているのだがな」


科学の少年は、今日も冷静冷徹に裁きを下す。







それは、業火潜る荒行。



「受けてみよ!! 《秘剣!! 大蛇狩酒呑炎斬!!》」


「!?」




《秘剣・大蛇狩酒呑炎斬》✝

ギア() サムライ・スピリット/チューン

◆相手マシン一枚を破壊する。自分の残り走行距離がゲーム開始時の三分の一以下だった場合、()()()()()()()()()()()



ホムラ残り走行距離……65→GOAL!!



「そんな……最初に100キロもハンデもらってたのに!!」


「ふむ。修行が足りんようじゃな。《焔の試練》は『失敗』じゃ」


あやかしの幼女姫……を騙るナニモノカは、今日も揺るがない。






ーーーーそれは、電子の海を観測する追走劇。



『居たか?』


『いや、依然足取りは掴めてない』


『あの女は一体どこに……』


『おい! 時計塔でヤツの目撃情報があったぞ!!』


『『『何!?』』』


『よし今すぐそっちに向かう。無茶するんじゃあねぇぞ!!』



Buaaaaaaaa……kikitt!!



「……なんだ? 誰も居ないぞ!?」


「おい、あそこ見ろ!! 一人やられてる!」


gusyaaaaaaaa…………


「おい大丈夫か……いや待て、まさかお前『抜け駆け』したか!?」


「!?」


「ああ……前に『囲んだ』時は見つけたのにハブられたから……先に挑むくらい良いかなって……」


「…………色々とすまん」


「良かったらDMグループ組むか? 裏切りが出ないようによ」


「助かる」




「……頑張ってますけど……本日の《探査の試練》は『失敗』ですね」


死骨愛でるシャーマンは、今日も地を這う群れを見下ろしていた。




いくつもの試練が道を阻む。


未来へ続く道は、未だ堅く閉ざされたままだ。





状況を回想し、詩葉が再び口を開く。


「知っているか。チエカの上位フリークエストは今も健在だ」


「?」


「このゲームの今の最終目標は、七枚の必殺技カードを集めてイベントを起動し、最強の姿のチエカを倒し報酬を得ること。

だが奴のカード《必勝! ウイニングチェッカー!!》だけは二枚要る。一枚は『招待状』とやらに変換する必要があるからな」


「いや……でもアレは確か最初のカードプールで最強のデッキなんじゃ」


「もう最強じゃない。次のカードパックが出たからだ」


「え?」




ーーーーそれは、財布砕く衝撃…………?



「さあさ皆様よってらっしゃい見てらっしゃい!! 新パック《ノグァ・インパクト》発売ですよ〜!!」


「初回購入分には、明日最終回を迎える『チエカとマアラの初心者講座』の閲覧チケットもついてます! よろしければぜひ!!」


「悔しい……でも買っちゃう!!」


「俺も俺も!!」


「私にも五パック!!」


「拙者はボックス買いにござる!!」


「ハイナー♪」


旗担ぐ使者と若葉の少年。


彼らは今日も……あざとかった。





「マジすか」


「ああ。既に第三弾の発売も予告されている。どんどん多々買えって事なんだろう」


「深いっすね、闇」


戦々恐々とする二人。


その上で、詩葉は提案する。


「だからこそ、今後の攻略にはより強固な『拠点』が要るとオレは思うな」


「拠点?」


「ああ。この家の通信環境も中々だが、誰よりも先に攻略し『裏側』の問題を解決するにはプロ級の環境が要るはずだ。何より……」


ムンニュ。


「目、目の下に指!? 何すんすか詩葉さん!?」


「鏡見ろって話だ。ほれほれクマがくっきりだ!!」


「あ」


言われて見やると、確かに黒黒としたクマが浮かんでいた。


「今お前に必要なのは『癒やし』だと思うぞ。あそこならそれがラクに手に入るはずだ」


「あそこ?」


「オレの行きつけの店だ」


「マジっすか!」


詩葉の目は、自信に満ちていた。


千里の目も輝く。


「ひょっとしてス○バとかっすか? それとも無印なんたらの上にあるっていうネットスペースとか? タピる? タピっちゃいます? すっげーよヤベェよ大人の人が行く店とか初めてっすよ!」


「それはガキでも行く所だろう。さすがに小学生は見んが」


「え? そっすか?」


素で疑問符を浮かべる千里を尻目に。


冷や汗一つ、詩葉は思考しながら踵を返す。


「準備がある。一日待て」


「?」


「ドレスコードだ。然るべき場所に行くには然るべき格好をしなくっちゃーな?」


語る詩葉の顔は、ほんのちょっぴり悪い顔をしていた。







さて、こちらは薄赤い六畳間。


君主の領域は怪しげな雰囲気で満たされていた。


大いなる企みは、小さな小さな本拠地から発信されていた。


奇っ怪なオブジェクトが無数に並び、ヴラドの串庭のようになった室内。


そこで会話を繰り広げるのは、小さな君主と電子の姫君だった。


幼さなき姫が切り出す。


「さてと、これからの策を話し合いましょうか」


『オーライ☆ どんと来いです♪』


部下にも秘密の真なる聖域。


君主達の会談が、始まる。

次回! 『君主会談。危うき道との合流!!』をお楽しみに!!

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