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カードレース・スタンピード!!  作者: 能登川メイ
Episode.3 開戦の狼煙。シルヴァーズvsマアラ!
24/190

仕掛けられたトラバサミ! 千里vsマアラその2

チエカのカード紹介コーナー!! 今回紹介しますのは《リーフ・エンブレム》!!


《リーフ・エンブレム》✝Leaf_emblem…

ギア3 ステアリング/チューン

◆このカードをセンターに重ねる。重なったこのカードは以下の効果を得る。

●『センターに効果が無い/コスト・このカードを含む敷き札二枚をタップ』センターを回復する。

●『センターの破壊時/コスト・このカードをスクラップへ』センターの破壊を無効にする。この効果は同名含め一ターンに一度のみ使用できる。


センターに重ねる装備型チューン!! バニラカードを超強くするド有能ってわけです! 地味に身代わり効果は効果持ちも庇えるのが有難いですね!


さてさて白熱若葉の試練!! 勝負の続きは本編へ〜っ、Go!!

マアラのターン。


派手な切り返しが始まる。


「僕は再びセンターに《シュクレフィレ・クラウド》を配置。続いて《メランジェ・ホールタンク》へ!!


センターはギア1からギア2、そしてギア3へ。


ターゲットを吸引するセンターを打倒すべく次々形を変える。


「まだですよ? 更にギアアップ! 現われよ菓子達統べる女王! 《ショコラクイーン・エレナ》!!」


ホールケーキの戦車が膨れ上がる。


ガラス細工のような飴の馬車が飛び出す。


率いるのは、チョコ色の若き女王だ。




《ショコラクイーン・エレナ》✝Chocolat_queen_

Helena…

ギア4マシン シュガーマウンテン

POW10000 DEF15000 RUN20

【常時/下にカードが無い】相手は可能な限り、このセンターを攻撃する。

【常時】このマシンはコントローラーのカード効果では破壊されない。

【一ターンに一度/センターのマシンカードを疲労】このカードはコストとなったマシンの効果を得る。




シルヴァハートが警戒を強める。


「出たなデカブツ。そいつで何をする気だ?」


「クイーン・エレナの効果! 敷き札一枚を疲労する事で能力を使用できる! 僕は《シュクレフィレ・クラウド》を疲労!」


ギョッとする。クラウドには『相手ギア2マシンの行動を禁止する』効果があった。


「しまっ……まさかそいつがロック効果を得るのか!?」


「もちろん! 前のターンに撃破しなかったのは失敗でしたかね?」


状況はよくない。


センターへの攻撃を強要する効果に加え、ギア2以下をロックする効果。


拘束力は想像を超えるだろう。


「更に僕は《クッキー・ボード・ソルジャー》を呼び出します! その効果でセンターのギアと同じ数まで分裂する!」


クッキーの塊が出現。


弾けるような音とともに四体に分裂する。



《クッキー・ボード・ソルジャー》✝Cookie_board_soldier…

ギア1マシン シュガー・マウンテン

POW 2000 DEF 1000

【登場時】自分のセンターのマシンのギアが2以上なら、その数値と場の《クッキー・ボード・ソルジャー》の数が同じになるように追加で場に置く。




「すっげーなにそのド有能。うちに欲しいくらいだ……」


「だったらお一ついかがです? クッキー・ソルジャー単体でセンターを攻撃!」


「は!?」




WIN ダイナモDEF10000vsPOW2000クッキー LOSE




ギア1でギア3に勝てる訳もない。


瞬時に爆散すると共に……マシンゾーンがひとつ空く。


「そして空いた枠に……僕の分身を呼び出します!!」


「ま、さ、か……」


「いでよマイ・アルターエゴ!《魔弾の撃ち手マアラ》!!」


虚空から白い綿雲が現れ……そこからもう一人のマアラが顔を出す。


そのまま雲に乗って疾走する。


「そいつは、たしか効果のデパート……!」


「ええ。まずは効果を使うため、センターのエレナを破壊!」 


「!?」


魔弾がセンターを貫く。


まだ攻撃してないのに……と思ったが、菓子の女王はけろっとしている。


よく見るとエレナには破壊耐性がある。


「僕のコストは効果を空振っても払ったことになりますからね。良い相方です!」


「うわすっげー。悪夢みてぇな連携だ」


「そして僕の効果! 自身をタップすることであなたのDEF10000以下のマシン一枚を破壊します! 当然センターのダイナモを破壊!」


発電車が爆発する。


並走するタンクローリーが手札に戻る。


センターが、ギア1でも2でもあるパイクリートに変わる。


進路妨害の拘束が解ける。


「ではいざ。ショコラクイーン・エレナで疾走!」


マアラ残り走行距離……50→30


「更に僕の効果! エレナを『破壊したこと』にして回復、効果を再使用!

……ここは二枚ドローしておきます!!」


30キロ走行に比べれば平和なやり取り。


おそらくはこれをもう少し控えめにしたのが普段の立ち回りか。


「ふむ……僕はこれでターンエンド。ではどうぞ!」



「……俺のターン。ターン開始時に、手札一枚を捨ててスクラップの《ルシフェル》を手札へ。そして再び場へ……」


ルシフェルの効果が起動する。


直前に使用した《進路妨害》が再び起動する。


状況を確認する。


ステータス0のマアラを打ち取りたい所だが、相性バツグンのエレナに庇われてはそうもできない。


そもそも、後40キロ走れば勝ちなのだからそちらに集中するべきだ。


その為には、ハイパワーでセンターを突破した上で更に走り抜く強靭な躯体が要る。


「…………ドロー」


ドローカードはギア1バニラ《グリーン・タートル》。


ファーストマシンに思いを馳せ悪巧みを思いつく。


「ピットアウト《グリーン・タートル》! センターのパイクリートと入れ替える!!」


「?」


「逝って来いやタートルッ!!」




《グリーン・タートル》✝

ギア1マシン スカーレットローズ

POW 0 DEF7000 RUN5




WIN エレナDEF15000vs 0POWタートル DEF





ギア1でギア4には勝てない。


あえなく爆散したタートルを見据える、彼の目的は……


「これで、センターは《赤塗りのパトライド》になった訳だ。再び入れ替える!!」


「!!」


センターに重ねる事で追加攻撃を可能にするパトライド。


ファーストマシンとして置いたこれを引きずり出したかったのだ。


センターはパイクリートに戻り、パトライドは効果待機状態へ。


「続いてギアアップ、さっき手札に戻った《マッチメイク・タンクローリー》! コイツで走り始めたい所だが……菓子の姫に呼びつけられちゃーそうも行かねぇ。

……更にギアアップ! 来やがれド有能! 《ブラック・グリズリー》!」


コースの床が競り上がり、黒い影が飛び出しタンクローリーを包む。


砕け散ると、熊を模した高級車が出て来た。




《ブラック・グリズリー》✝

ギア4マシン スカーレットローズ POW16000 DEF10000




「さあバトルだ!! ブラック・グリズリーでエレナを攻撃!」


「むっ!!」




WINグリズリー POW16000vs15000DEF エレナLOSE




クイーン・エレナが砕け散る。


ルールに従い、マアラが手札に戻っていく。


「ア・デュー……☆」


「この」


ハートのゴアイサツにマアラがいらだつ。


会場が沸き立つ。


決着の近さを知っている。


「ここでパトライドの効果! 自身をセンターに重ねる事で、センターマシンの走力を5上げて回復!!」


これで、ブラック・グリズリーは《リーフ・エンブレム》の効果込で50キロ走れる事になる。


コールが巻き起こる。


決着を望む声が響く。


ハートもそれに乗り……


「このままウイニングランだ! ブラック・グリズリー、で…………」












そこで。


ハートの手が止まる。











「……………………?」


「どうしました? シルヴァハートさん」


「あっさり過ぎる……」


無垢に見える笑顔が逆に恐ろしい。


まだ何か裏が無いと嘘だ。


(なんだ? 今の寒気は……全てを台無しにされるような感覚は!?)


ハートの全身に悍けが走る。


文字通りの百戦錬磨の感覚が警告する。


(何かヤバイ! このまま仕掛けるのは駄目だ!

なにか見落としている! 重要ななにか……最初に気にかけねばならなかったなにか!)


思考の奥から、シルヴァファイアの声が飛来する。




(ーーーーこれがファーストマシンの本来の使い方だーーーー)




(そうだ……ファーストマシンだ……アイツはここまで最初に場に置かれたマシンの効果を一切活用していない!!)


考察は続く。


思考が目まぐるしく加速する。


(俺のファーストは赤塗りのパトライド……さっきみたく他のギア1と入れ替えて効果を使う為に置いた。

あのモヒカン達もみんなやっていた事だ! ファイアだって、チュートリアルのチエカだってやっていた初歩の初歩をコイツはやっていない!

ここまでガチにしておいて……今更そんな事があり得るのか!?)


何かある。


確認せねば。


センターは一番上以外は隠れているが、望めば確認できる公開情報だ。


震える指が、確認のスイッチを押す。


そこには。






「……あーあ、バレましたか」






《菓子組みポッポ》✝The_GURATONI_train…

ギア1マシン シュガーマウンテン

POW  0 DEF  0 RUN5

【相手マシンの走行時/相手の残り走行距離が40以下/このカードがセンターに置かれている】使用条件となった相手マシンを()()()()()()()()()()()。その後、()()()()()()()()()()()()()。この効果はレース中一度のみ使用できる。






「うわぁあああああああああああ、ああああ!?」


「見られちゃいました? ちょくちょく引っかかってくれたりするんですけどね」


恐怖があった。


寒気だつような恐怖があった。


やはりあった。


トラバサミのように残虐な罠が仕込まれていた。


観客席のファイアも汗を流す。


(気付いたか! 流石にアレをバラすのはゲーマーとしてどうかと思い自重したが……

だが気づいただけでは状況は変わらない! そのまま動けば『喰われるだけ』が真実だ!)


「もし……もしもだ。もしもあのまま走っていたらブラック・グリズリーは……」


彼の脳裏に、小さなビスケットの箱に無理やり詰め込まれ、赤黒いオイルを垂らす熊外車の姿が浮かぶ。


惨事だ。


観客席からダイレクトチャットが飛ぶ。


(ハート! スマン、これだけは助言する訳には行かなかったんだ! だが気がついたのなら対策も取れるだろう!?)


(くそったれ律儀だなぁ!? まあ俺でもそうしただろーから気にすんな!

でもってまあ……対策は無くはない。だが中途半端だ! これを今! 放り込んでも半端な結果しかもたらさない。それがもっともマズイんだ!!)


(クソッ!!)


「……だがやるべき事はやる……走行に使えない二撃分、そこなマシンにお見舞いしてやる!

ピットアウト《ゴールデン・ハイウェイキッド》!!」


バニラのギア2が現れる。


今だけはギア2で動ける。


「ルシファー! ハイウェイキッド! クッキーを一体ずつ破壊! 更にグリズリーでセンターのホールタンクを攻撃!」




WIN グリズリーPOW16000vs11000DEFホールタンク LOSE




穴越しの戦闘により、ケーキの戦車が砕け散る。


だが、その中からコインチョコが溢れる。


「げ!?」


「サプライズ・エフェクト! ホールタンクの効果、の退場時に場の空いた枠それぞれに対しコインを振り、表の数だけギア1の《コイン・ホイール》を呼び出します!」




《メランジェ・ホールタンク》✝

ギア3マシン シュガー・マウンテン

POW8000 DEF11000 RUN15

【このマシンが破壊された時】自分の空いているマシンゾーンの数だけコインをふる事ができる。そうした場合、表が出た枚数だけ《コイン・ホイール》(ギア1/シュガー・マウンテン/POW・DEF0/RUN5)を作成し場に呼び出す。





コイントスの結果は三枚中二枚表。


二体のギア1が新たにい出る。


「最後の一撃で……コインホイールを攻撃」


コインは苦もなく撃破された。


それが限界だった。


ただの1キロも走れなかった。







「完封……だと」


観戦しながらあ然とする中、シルヴァファイアは一つ思い出した。


「忘れていた……シュガー・マウンテンの真の本質は、ランダム効果などではない」


悔しげに語る。


「その裏に潜む、喉に絡みつくようなロック性能こそがもっとも危険なんだ。

それを伝えそこねた! それを忘れちまうから負け犬だってのにオレはッッ!!」


もう準備は済んでいる。


ここまでお膳立てして、飛んでこないはずはない。


あのカードが来る。


スカーレット・ローズの試練の賞与が。






「僕のターン。僕はセンターのクラウドで攻撃」


ギア4へ向けたギア2での特攻。


冷酷に自爆命令を下し、自機のギアを再び1に戻す。


自爆特攻は彼が最初に習った事だ。


「僕は三体のギア1で連携攻撃! そして攻撃時に《キャランメリゼ・コート》を使用! これで次のあなたのターン終了まで『攻撃側のマシンは破壊されない』!」


「ちぃ……!!」


丸い穴から飛び出ては嫌がらせをして帰っていく菓子達。


センター含め行動終了したマシンが三体。


準備完了だ。


「では…今宵のゲストを招きましょう」


(……………来る)


そして口上は読み上げられる。


一枚のカードが掲げられる。


高らかに。




「ーーーーこれよりい出るは我らが陽光。行く末照らす千遠火! 夜明けを見よ!! 威光に打たれ目を覚ませ!!

決着は来たれり。礼を以って正しき時を出迎えるのだ!!!」




カードから光が溢れる。


共鳴するように、マアラのマシン達が光を放つ。


「ーーーー起動せよ!《必勝!ウイニングチェッカー!!》」




《必勝! ウイニングチェッカー!!》✝Winning_ran_checker…

ギア1チューン ステアリング

《コスト・センターを含め、タップ状態の三枚のギア1をセンターに重ねる》

《勝利の導き手チエカ》一枚を作成し、センターに重ねる。




「ポッポ! クッキーソルジャー! コインホイール!! 未来を掴むための礎となれ!!」


ゴォッツ!! と菓子達がカードに吸い込まれていく。


光り輝くカードが肥大化し、マアラすら飲み干す光のゲートと化した。


ゲートの向こうから駆動音が近づく。


そして。




ガオン! と音を立てて。


豪奢な黄金のバイクに跨がり、二人乗りのヤバイ奴等が現れる。




一人はもちろんマアラ。


もう一人は。


「ーーーーーーーーども! またまたお会いしましたね?」


最強、最嬌、最凶、災恐。


ゲーム史上最大のヒロイン。


ーーーー御旗チエカが、君臨する。

次回「スイート・トラップ その3」をこうご期待!

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