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カードレース・スタンピード!!  作者: 能登川メイ
Episode.2 ローグとの邂逅! 〜センリvsシルヴァ!〜
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ヘルウェイ・ライディング! その1

チエカのカード紹介コーナー! 今日紹介しますのはギア2マシン「メタルコート・ライダー」! 所属クラスはステアリングで、パワー10000、ディフェンス6000、走力0のゲストカードですね!!

攻撃の為には味方一枚を破壊する必用がありますが、攻撃成功後は自機を5キロ進め、全体にパワー1000プラスの補正を与えます!

この子の味方壊しを破壊を逆手に取ったコンボは強烈でしたよね? ならもしそれをクラス全体でやってしまったら……? それこそが《ヘル・ディメンション》。気になる大暴れの様子は本編にGo!


「行くぜ俺の先攻! まずはピットアウト(呼び出し)! グリーン・タートル、レッド・オポッサム!

続けてピットトリップラン(入れ替え疾走)! タートル、オポッサム、イーグル!」


「フン!」


センリ残り走行距離……100→85


まずはセンリが先行する。


「俺はこれでターンエンド!」


「ならばオレのターン、ドロー! まずはファーストマシン《スカル・スクラップ》で疾走!」


シルヴァ残り走行距離……100→95


「そしてスカルの効果! 走行に成功した時、手札のマシン一枚を捨てる事で二枚をドロー!」


「ッ……ファーストマシンで手札補充?」


「これが本来のファーストマシンの役割だ」


シルヴァが語る。


これでシルヴァの手札は七枚。


「続けてギアアップ! 《ガードナ・ケルベロス》!!」


シルヴァの乗る、骨で組まれたバイクが内から割れる。


四足三面のケモノが、這うようにい出る。


ーーーールォオオオオオオオオン!!


咆哮を聞き、センリの顔が険しさを増す。


「ヘル・ディメンション……なるほど、地獄の番犬って訳スか!」


「おうとも! ケルベロスの効果! 手札一枚をコストに、新たなケルベロスをタップ状態で呼び出す!」


「!?」


「なんで手札をすぐ走れない奴に変えるんだって思ったろ? しっかり考えておけよ?

ケルベロスの効果は場に三枚並ぶまで使える! もう一度発動だ!」


「チ…………」


ケルベロスの首二つが霊体と化し分離する。


経験に乏しいセンリに意図は読めない。


「まだまだ行くぞ! ピットアウト《廃単車マックス》《英炎獣ウェル》!

さあピットトリップランだ! ケルベロス、ウェル、マックスの順で走行!!」


シルヴァ残り走行距離……95→65


シルヴァが一気に追い抜く。


「ここで英炎獣ウェルの効果発動。自身を破壊する事で、場の他のマシン一体を回復する!」


「んだと!?」


「獄卒共よ、荒みきった命を燃やせ!」


赤く輝く炎の霊体が爆発する。


その粉塵を吸い取り、錆果て無数の手の住処と化した大型バイクに光が宿る。


「オレは再びマックスで走行! と同時に手札からチューンカード《ナイトメアグリップ》を発動! 対象のターン終了時の破壊と引き換えに、この走行のみ走力を10追加する!」


「うげ…………」


シルヴァ残り走行距離……65→45


「オレはこれでターンエンド。とともにナイトメアグリップとマックスの効果を処理。

廃単車マックスが走行した回数分、スクラップのマシンを回収する。……オレは英炎獣ウェルと、テストカード《大悪魔ルシファー》を選択!

さらにマックスはナイトメアの効果で破壊! センターのギアが1になった為場の三体のケルベロスは『センターよりギアの高いマシンは手札に戻る』ルールに従い手札に戻る!

さあお前のターンだ!!」


「…………ハハ」


センリは笑うしか無かった。


あれだけ好き勝手やったにも関わらず、相手の手札は減るどころか七枚に増えている。


「……確か、手札制限の枚数がちょうど七枚だっけぇな」


そして薄々勘付いては居たが……このゲームは「手札に全戦力を保管できるゲーム」だ。


ギア上げの回数に制約が無い以上、全ての場札を回収しきれば次のターンに場の完璧な張り直しが行える。


そして、マシンの性能はギア2からが本番。さっきのようにコンボを決めるにもギア2からだ。


そもそもギア上げを考えるなら、ファーストマシン以外のギア1は不要。


そこに尖った所で、最初のターンに走れる距離など微々たるもの。


三ターン目で場をどうともできなければ、完璧な追撃が来る4ターン目を凌げない。


以上の事から、彼は冷静にこう結論付けた。


「ハハーン、さては後攻絶対有利ゲーだなコレ?」


「なんだやっと気が付いたか。自分のクラスの脆弱さに」


シルヴァは呆れるように言った。


「とはいえ、絶対的にってのは言い過ぎだ。三ターン目からは凶悪なギア3チューンが解放される。そいつをうまく使えばあながち不利とも言い切れんが……

そこは《フルスロットルレース》の悲しさだ。全長100キロ程度なら、さっさと走り切れれば勝つからな。

他のルール……《スローダンスレース》や《スチールハート・レース》ならこうはならんが……今後に期待、だな」


「なるほど。どーりであんなカードがあった訳ッスよ」


「…………?」


センリの表情は曇らない。


まだ勝てると信じて疑わない目だ。


「最初見たとき、ヘンピなカードだなって思ったんすよ。だが使い込んでいくうちに、ああこれはスゲーマシンなんだなってのが染みてきたんだ。

コイツのおかげで張り合える。アンタがゲームのヤバさを『実感』させてくれたお陰でそれを十まで理解できたんスよ! このカードの重要さが!!」


「まさかオマエ!」


コンボに酔っていた。


最善だと信じて疑う事を忘れた。


()()一戦が記憶から抜け落ちていた。


「俺のターン! 入れ替え走れ!! タートル、オポッサム、イーグルの順に走行!」



センリ残り走行距離……85→70



「そして、センターにギア1が三枚の時アイツは呼び出せる!」


「テメェまさか《必勝! ウイニングチェッカー!!》でチエカを……」


「まだ呼べねぇっての。てかテメェって?」


「あっ…………」


「ほーん……?」


何かを察し……向き直り続行する。


「センターのギア1三枚を重ねる事で、このマシンはデッキから呼び出せる!

脆弱なる三本の柱束ね、世界繋ぐ大地の王は君臨する!

来やがれド有能! ギア3!《マッチメイク・タンクローリー》だっっっ!!」




ズ    ド    ン    ………




「あ……あぁ…………」


視界の暗さが絶望を悟らせる。


それは天覆うコンクリートの雲。


それを背負うは……



ズ ド ド ド ド ド ド ド ド ……



一戸建てさながらの巨大さを誇り、長大な腕を掲げた金色のタンクローリーだ。



「マッチメイク・タンクローリーの効果! お互いの走行距離に100を追加する! 『クリエイト・ネクスト』!」


「…………!?」



大量のコンクリートが噴射される、。


新たなコースが組上がっていく……。



センリ走行距離……70→170


シルヴァ走行距離……45→145



「どうにもレースが長けりゃ長いだけ先行後攻の差は消えるみたいスね。だったらじっくり走りましょーぜ!」


「クソ……」


「さあここからだぜ! 手札からギア3チューン《当然のマニュアライズ改》!! センターの下を二枚タップする事でデッキのギア1を三枚『選んで』手札に加える!」


「そいつは! まさか二枚目のテストカード……!」


「俺は《赤塗りのパトライド》《パイクリート・サイドライド》と……最後のはすぐに呼び出す!!」


「まさか!?」


「おうスよ。俺が呼ぶのは、ステアリングのド有能!」


コースに、白い影がい出る。


「ーーーーご存知! 《ホワイト・エッグ》だッ!!」


姿を現したのは、原初にして最高の味方。


漆黒の戦場に抗う、センリの反撃が始まった。

センリクンとシルヴァサンのレースが遂に開幕! ガッチガチのコンボで襲いかかって来るシルヴァにセンリはどう立ち向かう!? ていうかガチレースがひさびさ過ぎてテンションがヤヴァーイ!!

次回、「ヘルウェイ・ライディング! その2」をお楽しみに!

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