カードレース・スタンピードMiki 《マスター・フォーミュラ》
《マスター・フォーミュラ》✝
ギア5マシン スカーレットローズ POW15000 DEF15000
【自分の場に、1~4までのギアが一枚ずつ全て揃っている場合のみこのマシンは場に呼び出せる】
【登場時】経過ターン数と自身のギアを0にする。以降、このマシンは【マルチギア(経過ターン数と同じギアを全て得る)】を得る。【三回行動】
STPDー01で登場したカード。困難な呼び出し条件と引き換えに、経過ターンごと盤面をリセットするという豪快な能力を持つ。
■概要✝
最初期から存在する、当初は本ゲーム唯一とも言えたリセットカード。非常に重いカードながら、得られるアドバンテージは凄まじいものがある。
まず1~4までのギアを揃える手段だが、マシンゾーンは三枚しかないため設置アシストカードが必須となる。
ステアリングで行けば、どうせ手札戻すからと効果を無視して 《シンプル・レーシング》を使うのもいい。こちらはデミ・ゲストカードを軸とするデッキで使いやすく、横に並ぶマシンに気を使ってギア1を混ぜる必要はなくなる。
出張パーツとしては 《化学の担い手アルジ》とともに使う手があり、あちらの効果でサーチされつつセンターに置く条件を共有できる。
自身が所属するスカーレットローズで使う場合、むしろギア2の方が呼びずらいため凡庸メタカードの 《マスト・カウンター》を使った方が安定する。ギア1を呼び出す能力を持つギア3の 《ミスター・トレーラー》辺りを使えば安定して繰り出す事もできるだろう。
そうして場に出た場合、自身のギアと経過ターンをゼロに変更すると共に【マルチギア】を得る。
このゲームのルール上、経過ターンを超えるギアを持つカードは場に存在できず手札に戻ってしまう。このためこの効果が発動したが最後、このマシンと相手センターの一番下のマシン以外のカードは全てバウンスされることになる。
どれだけ劣勢に追い込まれても、どんなに頑丈なマシンに陣取られても、このマシンの呼び出しにさえ成功すれば一発でリセットできてしまうのだ。
こちらには攻守15000かつ三回攻撃が可能な大型マシンが残るため、以降の駆け引きを優位に進めるられるだろう。
ただし自身のギアもゼロにしてしまうため、走行に使えるのは次のターンから。
ギア1しか出せない相手のターンをしのいだ後は、マルチギアの効果でギア2となったこのマシン+手札に戻ったギア2と1で確実にトドメを刺そう。
なお 《ガイルロード・ジューダス》が出るまで唯一、接地チューンを除去できるカードだった。
今後新たな種類のカードが出てきても、それがギアを持つ限り問題なく除去できる事だろう。
と、このように中々のハイスペックだが、天敵としてギア4の《豪鬼の狩り手ルイズ》が存在する。
彼女は敗北を察知すると【ゴールキーパー】能力で場に出つつ、登場時の効果でこちらの残り走行距離を増やしてくる。しかしスタンピードのルールに従い、経過ターン数が4未満の場合は手札に戻ってしまう。
そしてマスター・フォーミュラは、その経過ターン数をわざわざ下げてしまうのだ。
つまりこのマシンとルイズが対面した場合は「フォーミュラ側がゴールを目指す→ルイズがゴールキーパー能力で場に出る→ゴールまでの距離を増やされる→ルールに従い手札に戻る→最初に戻る」のループが極端に起こりやすくなってしまう。早い話が、ルイズ一枚でもあればこのマシンは事実上完封されてしまうのだ。
ルイズ自体はもとより凡庸性の高い遅延カードであり、遭遇率はかなり高い。のみならず、このマシンを呼びやすいデッキが環境に足を踏み入れると更にルイズの採用率が上がるのは目に見えている。
よってルイズが存在している限り、悲しいながら 《マスター・フォーミュラ》を切り札としたデッキが環境の頂点を取る事はありえないと言えるだろう。
他にも弱点は少なくない。効果発動に対抗する形でこのマシンを除去されると、自分もセンターのマシンが一枚になるまで手札に戻す羽目になってしまう。
またこのマシンの存在に勘づかれると、相手はセンターの一番下に強力なマシンを仕込むようになる。スタンピードのルールには「センターには常に一台以上のマシンが存在しなければならない」ルールもあり、手札に戻すルールより優先されるために生存されてしまう。
こうなると相手のターンを凌ぐのが一気に厳しくなる。このマシンの存在には極力気づかれないようにしたい。逆に自分は余裕があればコレを狙い、除去に対する保険とするのが得策か。
■環境とテキストの変遷✝
当初のルールでは盤面が五枚あり、マシンだけで自身の呼び出し条件を整えることができた代わりにアシストやイベントをを条件の一枚に加える事は出来なかった。
ただし当時は別個に走力値30を持っており(当時は100キロ走るルールだった)、リセットした上ですぐさま自力走行できるほどの高性能さを誇っていた。
それでも当初の環境では中々スポットライトが当たらなかった。ルイズの存在もさることながら当時は四ターン目に決着をつけるのが大前提であり、ギア5と重いこのマシンを使う事自体がうまくなかったのだろう。
後にSTPDー02が発行されると、カードプールやプレイヤーの練度の成熟から低速型のデッキにも出番が来るようになり、自然とこのマシンにも注目が集まる。
特に 《ミスター・トレーラー》の存在は大きく、5ターン目にこのマシンが着地してはワンショットランを決める場面が目立つようになった。
ギア2要員には悪名高い 《キルハルピュイア》が収まるようになったため、デッキとしてのバランスを崩さないまま致死力を上げる事ができた。
しかしここで当時環境トップの【ラバーズサイバー】に採用されていた 《豪鬼の狩り手ルイズ》が守護神の如き活躍を見せた。何度強烈な走りを繰り出しても、前述の通り何度でも呼び出されては吹き飛ばされる光景にフォーミュラ側の心が折れたのかここでの環境トップ争いからは脱落した。
その後ルールブック2.0.0.が施行され、現在の効果とルールになった。致命的なメタカードが存在しているにせよ、それさえなければ勝ち確定なのは流石にまずいと判断されたのか呼んだターンに走行できないように調整された。
とはいえプレイヤー全体の練度が上がりセンターにデミ・ゲストカードが置かれる事も珍しく無くなったため、その上に重ねて呼べるリセットカードとしての需要は一定数存在する。むしろ正攻法でルイズを引っ張り出して処理してから着地させる事で、このマシンを生かすルートも開発されつつあり、これからが楽しみなカードの一枚と言えるだろう。
■余談✝
実はゲームデザイナー・夜ノ神の一番のお気に入り。サービス開始初日に正体を隠してこのマシンを乗り回すほどであり、数ヶ月後にその旨を書いた告白文が公式サイト上に掲載された。
■関連カード✝
《豪鬼の狩り手ルイズ》
《ガイルロード・ジューダス》