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陰キャ根暗のフルダイブ型VRMMO生活  作者: ビッグマグナム佐藤
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第十三話 新世界

 ボクとツルギは消えた黒猫を探し続けた。

 そして、ツルギはある提案をした。

「私なら、最後はあのエリアでログアウト、するかな」

「あの場所?」

「ついてきて」

 連れられてきた場所。

 そこは神の世界への入り口と言われている、レムオンで一番神聖な場所と言われ知られる場所だった。

「神の世界への入り口」

「そう」

 エリアは静寂に包まれ神秘的で巨大な神の像が立っている。

 その向こうには神の世界が広がっているらしいけど、ボクとツルギは立ち入る権利を持っていない。

 上級者プレイヤーでもクリアが難しいと言われているミッションを進めなければいけない。

「ここで最後にログアウトする人も多いって聞くけど……誰も居ないね」

「黒猫はこの向こう側、神の世界に居るのかな?」

「どうだろう? 神の世界は高レベルなモンスターが沢山いて、レベル上げの狩場として有名だけど」

「ツルギ。黒猫って強いの?」

「強いってレムオンでってこと? 毎日長時間旅をしているだけあって、結構強かったような気がする」

「……ツルギ。突然だけど一つ提案していい?」

「どうしたの? 別にいいけど」

「ボクはツルギに影響されて旅の楽しさを知り今もこうして旅を続けている」

「そして黒猫を目指して旅もしてきた。でも黒猫はもう居ない……」

「もう旅は、ここで終わろうと思う」

「そっか。……私も旅を終わろうかな。なんて」

「ツルギ……」

 巨大な神の像を挟むようにボクとツルギは背中合わせに立ち、一歩、二歩、三歩と外側に歩いて行った。

「ツルギ。旅の続きは『あっちの世界』でしてみないか?」

「うん、いいよ! じゃあ、一緒に、同じタイミングにログアウトしようっか」

「3……」

「2……」

「1……」

 ボクとツルギは同時にログアウトボタンを押した。

 レムオンと別れを告げるようにそっと端末の電源を落とした。

 頭に装着していたギアを外して部屋の窓を開け外を見ると夜だったことを知った。

 そして優しい夜風に吹かれて次のスクーリング日にツルギと会えることに思いを馳せた。


「さようならレムオン。初めまして、新世界」

 レムオンに吸われていた心がこの世界へと溢れだし溶けていった。


 高校卒業資格だけを手に入れるために通っていた学校生活も変わった。

 目的が増えたというべきだろうか? ツルギと話す為、そしてこの新しい世界を知り、もっと自分の心の中を色々な人に見せたいと思えた。

 そして新たな目標ができた。

 勉強を今より頑張るという当たり前の様な目標だった。

 しかし現実はうまくいかないことが多い。

 それでもゆっくりとマイペースにこの世界と付き合っていくしかないと思う。

 ボクは新世界で人生と言う旅を楽しんでいた。

VRMMOから逃げられそうにありません

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