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異世界は一瞬の煌き   作者: 肥後 椿
10/12

異世界は一瞬の煌き(第10部)

翌朝、

楓は、隆史とかなえと共に

3人で大樹と鏡の湖へと向かった…


大樹を背に、鏡の湖を正面にした、

直線上の位置に

3人は並んで立ちその時を待った…


その頃…

長老達が、大樹を、取り囲む様に並び

大樹に向かって手を翳す…


其々の、長老の手の平からは、

様々な、淡い光が、大樹を包むように、放たれ

大樹は、応えるように、淡い光を吸収し

輝きだした…


やがてその光は、色とりどりの、帯状になり

鏡の湖へと到達した…

楓と、隆史は、お互いの手を強く握っていた


鏡の湖…辺り一面が

淡く薄い光に、ゆっくりと、包まれていく


かなえは2人に、精一杯の…笑顔を讃えながら

「楓…ありがとう…とても、楽しかったよ

楓に、出会えてよかった…忘れないよ!…」


楓は、かなえの精一杯の笑顔に、

負けないように、笑顔で、返そうとしたが…

止めどなく、溢れる涙を抑えきれなかった


かなえの姿も、潤み、霞んでいた

「私も…私も…忘れないわ…かなえ!ありがとう」


やがて…

鏡の湖一杯に、光が溢れ…優しく、楓と隆史を

包み込むように輝いた


淡く、優しい光に、包まれながら

2人が聞いた、かなえの、最後の言葉は

小さく、なりつつも、聞こえてきた


かなえ

「楓…私の、かなえって名前…ね

叶える恵って…書く…の…だから…きっと

いつか また…会えるっ…て…信…じ………」


かなえの声は、徐々に小さくなり

最後まで、聞き取れなかったが、恐らく

信じてるって、言いたかったのだろう…

楓は、そう思った…


楓と、隆史は、淡く優しい光に、包まれながら

叶恵がいた、異世界から…

自分達の、元の世界へと戻った


楓は、自分の部屋のベッドに居た…

涙で、クシャクシャになった、顔のまま、

暫く動けずに泣いていた…


数十分経過した頃…

ゆっくりと、体を起こした、おもむろに、

時計を見る…それから、隆史の実家へと

電話を掛けた


「はい…楓?…」聞き覚えのある声、隆史だった

楓は、また、込み上げてくる涙を押えつつ

「ええ、隆史さん…私ょ…」…少し話し

電話を終え、楓は、隆史の実家へと向かった


隆史と、隆史の両親が、迎えてくれた


あの異世界での記憶は、

隆史と、楓だけが覚えていた

隆史の両親の記憶は、あの世界の記憶

そのものが…ないのだと隆史が話してくれた


2人が、この世界に、戻って来て…

楓が、異世界へ行く前の時間から

わずか、数時間程しか経っていなかった…


2人が、異世界で過ごした、長い月日は、

元の世界に、戻ると、短い時間の経過だった


その夜、楓は

隆史の、実家に、泊まらせてもらった


それから…暫く経った

隆史とも話し、楓は

普段の生活に、戻ろう…と努めた


忘れられない記憶を…胸に秘め、日々を過ごした

戻ってきた、この世界では…

クリスマスイブの日を迎えていた


街中に、流れるクリスマスソング

輝く、イルミネーション


仕事を終え、隆史が待つ

とある場所へと、向かった

























































































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