十六神による転生4
今このリングの上の景色を見て皆んなはなにを思うだろう。そこには泣きながら歪んだ愛でお互いを支え合っている2人がいる。
「瑠夏………瑠夏………」
「大丈夫だよ、れい」
「よがっだぁ」
「いいんだよ別に、約束守れなかったのは私なんだから」
「でもぉぉあぁぁーー」
先まで対戦相手を何回も刺していた様には思えないくらい泣いている。
「これで、約束破ったのはチャラになるから、今度こそずっと一緒だよ?」
「うん」
「さぁ、次の試合が始まるから退かないと」
「わがっだぁあぁ」
2人はそう言ってそのリングから降りてきた。
彼女が通った道には赤色の血のラインが引かれるのだった。
なぜ彼女が無事だったのか、少しだけ時を遡る
ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタ、
彼女の体に空いた千個の穴から血が沢山出ている
丸にくり抜かれたリングの中央では彼女の血が集まって血の池ができあがっている。
「お、おい、あいつやばいだろ」
「な、なんなんだよ!」
「彼は確実に選ばれますね」
「oh my God!」
「why!why!」
周りからうるさい声が聞こえてくる。
【あー、とうとう出てきたね。誰も死なないまま終わると思ってたけど、笑笑】
死神、聞こえるか?
聞こえるの
今彼女はどんな感じだ?
んー、魂は大丈夫なの、死んだのも千本刺された後の大量出血のせいなの
なら、あの約束をたのむ
わかったの、約束守らないと殺されそうだからまもるの
そういいながら死神は彼と会った時のことを考える。
あー、殺したい殺したい殺したい
最初に彼と会った時に流れ込んできた感情は
5割が殺したい
3割は愛したい
2割が失望
だった。
けど、そんな彼に私は話続ける。
そして私が十六神によって開催される勝負のことについて話した時にある感情が紛れ込んできた。
それは、期待だった。
彼は言った
「……まさか、こんなにはやく、試せるなんて」
(彼女が破った約束の報いを受けきることができるかどうかを。)
彼はそんなことを考えていた。
私はなんとなく聞き返した
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
ここで気がつかれるのはまずい、瑠夏が死ぬかかもしれないし
私は彼が考えていることがわかっているのに、彼は隠そうとしてる、それが面白くて私は彼にこんなことを言った。
「まー、読心で何考えてたかわかるの」
「そっか」
なら、今から頼むことをしてほしい
まず、俺と彼女を勝負させてくれ
俺は彼女が好きだ
だから、約束を破った報いを受けさせなければいけない。それが俺の流儀だから
俺は彼女に千本針を差し込むから、彼女は多分死ぬだろう。
針を刺されている途中に死んだとしたら助けなくていい
だが、それ以外で死んだとしたら、甦らしてくれ。
「なかなか、歪んだ思想を持ってるの」
「そりゃどーも」
ま、人を殺しても何も思わないからな
「冷たいの」
「で?何人いるんだ?候補は」
「全員で32人なの」
なるほどな、ちょうど割ったら16になるいい人数だ。
「そういうことなの、だいたい予想できたの?」
戦うのは元から予想してたよ
「あぁ、この32人でペアを組んで戦って見せるんだろ?」
そーじゃないと困るし
「正解なの」
「勝敗は関係あるのか?」
関係あるならあいつとやれないし
「あくまで人選だからあまり関係ないの」
なら、あいつとやれるな
「そうなのー、ま、頑張るの」
おう
ここまで、貴方の考え通りになるとは、思ってなかったの
そして、すごい価値観を持ってるのはわかったけど
決して悪い人じゃないことも。
ボチャン!
皆んながびっくりしながらそちらを見ると
血の池の中を立ち上がってる彼女がいたのだった。
それと同時に彼は彼女のとこに駆けつける
そして冒頭とつながる。
神々
「私は、あの子が怖い」
誰かがそう言った
「へっ!あんな奴どーでもいいじゃねーか」
「ほっほっほ、なかなかじゃのぉ」
「わたくしは………」
「なんじゃ、もっとやばい奴かと思っとったわ」
「僕も同感」
「彼は、まだ殺人鬼にはなりきれてないの」
「むむぅ」
「で?みんな選んだのかよ」
「「「「「あの子!」」」」」
れいは五神から選ばれたのだった。
あとの八神は被るのをおそれ、少しでもいい人間を選ぼうと考えた
残った三神は………その、見る目がなかったということだ。それかもっと違うものが見えていたのか(笑笑)
そして僕たちには選ばれたかどうかが伝えられる
れい、五神
瑠夏、二神
???一神
???二神
???三神
???一神
???一神
???一神
とりあえずこんなけが選ばれた
僕を選んだやつの中には死神がいた。
もちろん、私を選ぶの!
とでも言いたげな顔で見てくる彼女
胸がないのに胸を突き出してアピールしてくる
僕がそんなことを考えていると彼女は顔を真っ赤にしてフルフルしている。
多分怒ってるんだろうな、だと思いながらも僕は違うところを見る
そこにはいかにも神様のような奴がこちらを見下ろしていた。
そいつに向かって僕はこう言った。
「貴方のところにはいきませんから、お父さん」
みんなに驚いた表情でこちらを見られる
僕も感でいったけど、多分あってるはずだ
暗殺者…………同業者の雰囲気は忘れない
「いや、それは勘違いだよ」
「また嘘つくの?」
神様は一瞬ビクッと体を震わせた
「ハハハ」
そして、乾いた笑い声しか出せなかった。
【それでは、れいくーん?あなたはどの神様のところに行きますか?】
「死神様のところで」
僕がそういうと
悔しそうな顔をするお父、神様
そして項垂れる三神
そして喜びまわって転びかけている死神だった。