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殺し屋一族の針千本  作者: 犬使い
激動の4歳児編
14/14

何も出来なかった9日間

あの日からすでに2週間が経ち、僕は慣れてきた。最初の方にこのままじゃ流石に死ぬかもしれないと考えた僕は魔力血管とは違う血管、電力血管を作ったのだった。体内に電気を溜め込めるようになり、今では電気が溢れそうになっている、

けど欠点もあり、体内に溜める事は出来たが痛みの根本的な解決にはならなかった。

そして問題が1つある、食事を運んできたエルドナに電気魔法を使って攻撃してくれと頼んだことがあったのだが。体内に電気を持てるのは一個だけだということがわかったのだ。


「あのぉ?なんで平気そうな顔をしてるんですか?」


「ん?なんだ、エルドナか」


「………そうですよ!なんですか、(なんだ、エルドナか)って!もっと喜んでくださいよ!」


「ここから出れたら喜ぶよ」


「あ、えっと、すみません」


「謝らなくていいよ、」


「あ、はい」


「で?何の用?」


「そ、その……トイレとか行きたくありませんか?」


「行きたくない」


「でも、その………」


「行きたくない」


「もう1日もトイレ行ってませんよ?」


「いや……だって、」


「だいじょうぶです!ほら、これ!」


彼女がそう言いながら見せてきたのは大きな樽だった


「わかったよ、くそっ!」


「いい子ですねー、」


「ふざけてんの?」


「いえいえ、可愛いなーっとおもいまして」


「なめてるよね?なめてるよね!?」


「いやいや、全然、女性の前でトイレすることなんか何も恥なくていいんですよ!」


「恥じるわ!恥じないと可笑しいわ!」


「フフフ、さー、はやくはやく」


「あー、はいはい」













「それより、いま何日目か分かるか?」


「はい、あと9日です」


「クッソなげーな」


「頑張ってください!私も頑張りますから!」


そういうと彼女はすぐに去って行った。


僕は気がつかなかった。この時の彼女が言った言葉の本当の意味を。






次の日彼女が牢屋に来ることは無かった。





〜〜〜1週間後〜〜〜



はぁー、腹減った。


〔ゼクス様どうぞ召し上がってください〕


3週間続いた彼女のご飯を持ってきていた、彼女の幻覚が見えるようになってくるほどに僕はお腹が減っていた。


時は1週間前に遡る


飯の時間になっても現れなかったエルドナに最初に湧いた感情は怒りだった。


「あいつ、何してやがんだよ」

「おっせーな、」

「今度、お仕置きしてやる」



それから2日が経つと少し心配になったのとやはり変わらぬ、むしろ悪化しているお腹のすいた状態に少なからずイライラしていた。


「おっせーよ!何してんだよ!」

「あ、喉乾いた」

「大丈夫かな、あいつ」


それから更に2日が経つと喋る時に唇が割れるほどになった。なぜ脱水症状を起こしていないかというと、魔法で水が少しだけ出せたからだ。あまり適性がないのか少ししか出せなかったがとても美味しかった。


それから更に2日が経った今現在

お腹のすきは魔法ではどうにかならずどうにもならなかった。電力血管の電気も溢れでてきて痛いし。

だと考えていると眠りに落ちた。


〜夢〜


ゼクス様、ゼクス様、起きてください、そして見てください!私綺麗になりましたからぁ!

ほら、ね?






エルドナの声がした方を向くとそこに映ったのはエルドナの顔をしたゾンビだった。













「はぁ!なんつー夢だ」


「………起きたかゼクス」


「父さん」


「……取り敢えずご飯を食べなさい、話はその後にしよう」


僕は自室に運ばれており、そこからリビングに向かって歩き出した。


僕は空っぽになったお腹の中に沢山の食べ物を詰め込んでいく。

さしぶりのご飯で僕はとってもよく食べた。そしてしょっぱい味が少し濃いような気がした。


「それな、エルドナがお前が出てきた時のためにって言いながら、集めてたんだぜ」


なんで今そんなことを?


「あいつな、根は優しくて可愛いやつなんだぜ」


そんなこと知ってる


「でも、少しだけ変わっててな」


それも知ってる


「でも、本当にいいやつなんだぜ、」


知ってるてば!だから!?



「死んじまったよ」


な、なんで!?どうして、何があった、


「なんで?って顔だな」


…………


「実際には死んではいない」


よかった、だって僕は………


「ただな、人間じゃ無くなっちまった」


え?……………


「今じゃ人の心さえ持ってるかわからねー、」


どういうこと?


「あれはな、ちょうど2週間ほど前だった。俺があいつにも罰を与えると言っていたのを覚えているか?」


僕は記憶を辿って、頷いた


「俺は彼女にお前の世話と同時進行で最近村人の失踪事件が増えている村の異変調査に当たらしていた」


………………


「そこで事件が起こった、後で彼女から聞いたことだがどうやら村中がゾンビだらけになっていたようだ」


え?


「あの村は1000人くらいは居たはずだ、今となっては遅いが村長がゾンビになった村人を殺して居たのだろうな、村人に心配をかけないように、だがそれのせいで犠牲がとんでもなく増えたことは変わりない」


「彼女もそのうちの一人だ、どうにかして逃げられたようだが、ゾンビに触れられてしまったようでな、」


嘘だ、


「お前も知っているだろ?この世界はゾンビに触れただけで感染する」


……………



「ちょうど9日前に感染していることがわかった。」


9日前?


あの日、エルドナが来なくなった前の日の会話を思い出す。


あと、9日です!


クッソなげーな


頑張ってください、私も頑張りますから




私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから

私も頑張りますから


あの時すでに彼女が感染していて自分の死を悟っていたのを知ったのは9日後だった。





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