閑話 ファオの研究調査報告
ふむ、アンデッドになって数時間私は興味深い現場を見る事が出来た。
「あ、あぁぁ……んぁ…」
サキュバスの食事だ……、リムルリリムなるサキュバスが普段から私とローロが世話になっているティナリーさんを捕食している。
「ひぃ…だぁぁ、や、ん」
先程私が受けた汚物の交尾に比べてなんて幸せそうなんだろうか。
「ん…んん……」
「(ファオ助けないの?)」
「(ローロ?)」
「(ティナリーさん凄い事になってるよ)」
「(大丈夫よ、ほら見て)」
「(あ、吹き出した)」
「(それじゃ無いわよ、ティナリーさんの魔力と生命力が絶頂にあわせてリムルリリムさんに吸い込まれてる)」
「ぁ……はぁ………」
「ご馳走さま」
リムルリリムは律儀に力が入らないらしいティナリーを湯で洗っている、そういえばリーンさんのお湯球はいつまで維持しているんだろう、もう本人は見てもいないのに、あれ?リーンさんの方が興味深い?
そもそも何でゼロからあんな量の水を平然と出せるの?
空間収納魔法に水を入れていたの?
「(ふぁ、ファオ、ティナリーさん凄かったね)」
「(ローロ)……」このムッツリめしっかりそっちを見てたな。
「(ち、違うから、あんな事したいんじゃ無いから……)」
「(はいはい、リムルリリムさんに頼んどくね)」
「(や、止めて、ファオ、待って)」
「(冗談よローロ)」
「(もう……)」残念そうな顔をするなムッツリローロ……。
まあ、ムッツリはおいといて、アンデッド化の方法が治療魔法ってのは絶対に公開出来ないわね、私は死んだはずなのになんでリーンさんが治療魔法掛けてたのかと思ったら、ティナリーがローロに見てた事聞いて繋がった。
しかしムッツリってば際どい言い方して、魔王様のご機嫌崩て地域ごと消されたらどうすんのよ。
なにさっきの思い出してそうな顔してんのよ……って前なら頭に血が昇ると思うんだけどな……。
ふむ、私の変化は心停止、呼吸不要(ただし発声の為に呼吸する)、臭い…するけどたぶんローロみたいには感じない。
後は、爪が白金に変わって怪力になった……か……。
「あ、リムルリリムさん私が運びますね」
せっかくの怪力だから有効に使おう、まだ少しピクピクとしているティナリーをお姫様抱っこして運ぶ、なんだかローロの視線が羨ましいそうに見える、チラッと振り返ったら、ゴスッとティナリーの頭をローロにぶつけてしまった。
「あ、ごめんローロ大丈夫?まだ感覚に慣れなくて」
「ば、ばお、酷い」
「あらファオちゃんうっかりさんね」なんだか、リムルリリムは上機嫌だ。
「ローロ、ホントにごめんね」
「だ、大丈夫だから」
無反応なティナリーを確認してみるとなんだか幸せそうな顔をして寝ている。
「あの、リムルリリムさん」
「なに?ファオちゃん」
「サキュバスって普通の食事しましたよね?」
「うん、するわよ」
「今の食事とどう違うんですか?」
「そうね…やっぱり効率が違うかしらね」
「効率?」
「そうそう普通の食事だと食べてから暫く魔力になんないんだけど今のだと直ぐ魔力になるの、昨日は飛びすぎて疲れたから助かったわ」
「他には何か無いんですか?」
「んー、ティナリーには内緒よ(最近の記憶も食べられるの)」
「それは凄いですね」
「え?何の話なの?ファオ」
「リムルリリムさんならローロをどう食べかって、凄かったよ、ウネウネヌルヌルした魔法生物を召喚して両手を拘束したローロを襲わせて…」
「止めて、何て相談するのよファオは、リムルリリムさんの鬼畜卑猥魔族」
「ホントにやろうかしら」
「いいんじゃ無いですか、ローロはムッツリですから、喜ぶでしょう」
「すいません、口が過ぎました」
「(しかしファオちゃん凄い事友達にやらそうとするんだから)」
「(だてにハイオークに死辱されてませんよ)」
「(ふふふ、怖い怖い)」
「二人で私を見ながら変な相談しないでよ」
「何もしてないよローロ」
「そうよローロちゃん」
「ホントですか、ホントですよね」
「そうそう、夜に部屋の鍵開けとくだけよ」
「そこに私が遊びに行くだけよ」
「ちょっと止めて下さい、ホントに止めて下さい」
「ファオちゃんこんなに拒まれたら行きたくなっちゃうんだけど」
「じゃあ開けておきますね」
「止めて下さい」
「じゃあ鍵は諦めるね」
「まあ私飛べるから窓からで大丈夫よ」
「逃げ場が無いじゃないですか」
「うん、ローロが元気でいいな、私の分まで生きてね」
「ファオちゃん……」
「まあ私は永遠に興味深い事を調査できるからわりと満足だけど」
「まったくなんでアンデッドはそんなに前向きなのよ」
「さあ、魔王様の影響じゃないですか?」
「成る程ね」
ちょっと追い詰めすぎて挙動不審なローロを放置して私はリーンさんのところへ向かう。




