北の地にアンデッドが降る編5
「ふぁ、ファオがアンデッド…」まあティナリーも見知った顔がアンデッドになったらショックだよな。
「ティナリーさん…」ファオも顔を曇らせている。
「なんて羨ましい、フルフロラ様私もアンデッドにして下さい」……。
「嫌ですよ、やり方も教えません」うわ……やはり面倒なタイプか。
「リーフムーン様…」フロラ、言われ無くても言わんよ。
「私は知らんよ」
「今同胞にしたとおっしゃったじゃないですか、ローロ、貴女は見てたんじゃありませんか?」
「えっと」しまったローロは魔力すらも理解している。
「ローロ、バラしたら私ローロを置いて行くからね」ボソッとファオが溢す。
「ローロ、見たままを教えて下さい」おい、フロラ、ティナリーの始末まで考えるな。
「はい、リーフムーンさんが抱いていたらファオがアンデッドになってました」ま、まあ、そうなんだが。
「リーフムーン様」近い。
「なんだティナリー…」
「私を抱いて下さい」……このまま勘違いさせておくか。
「断る」
「後生です」フロラに任せたら始末しそうだな。
「知らん」
「抱いてくれないと無理やり襲いますよ」変わらないだろうが…
「リミュ」ティナリーが脱ぎ始めたのでいまだに空中風呂でのんびりするリミュに投げる。
「リーンさんコレどうするの?」物扱いだな。
「まともに食事して無かっただろ?死なない程度に食べたらいい」
「リーンさん鬼畜食べるけど」
「……リーン様鬼畜」
「私はアンデッドだ」
「わ、私は諦めあ、ぁぁ、あぁ」
「ティナリーって黙ってたら美味しそうなのに、残念よね、我慢するけど、ほら力抜いて、抜かないとヌルヌルグネグネしたの召喚して使うわよ」
「あ、あぁ、止めて、おかしくなるから、あぁ…」
「さてルルには目に毒だから中に入ろう、フロラも見るな」
「リーンさんがけしかけたんじゃないですか」
「仕方ないだろ、ファオ、ローロも中で自己紹介しよう」
「もう少し貴重なサキュバスの食事を観察してからいきます」
「そういうの変わらないねファオ」まあ、いいか。
「しかしティナリーさんも困った人ですよね」
「昔からああなのか?」
「何故かアンデッドになりたがるんですよね」
「ふうん、せっかく生きているのに勿体ないな」
「私は少しわかるかな」ミチュア?
「別にいいこと無いですよ」
「そうだな、兄さんに再開できたくらいか」
「オレは姉ちゃんに再開できたな」
「……五月雨さんは何処にいてもらう」そうだった。
「そうだな、朝まで動くつもりは無いから自由にしてもらえ」
「……ん、わかった、高い所で休むって」
「わかった、五月雨かまう余裕が無くてすまないな」と五月雨に声をかけると飛んで砦の最上部に停まった、朝までそこにいるつもりだろうか。
ふむ、ティナリーに話しを聞くはずだったんだがな、アレでは無理か、中に誰かいたらいいんだが。
「ま、魔王様、お会いしたく存じておりました、リベルリベラです」まあ、フロラの旧知か、ふむ、フロラの過去と繋がりがありそうだから魔族かな、まあ、側頭部に角があるわけだし見誤ることも無いか。
「お久しぶりですね」
「ハハッ」
「でも、魔王って言わない約束でしたよね」
「も、申し訳ございませんフルフロラ様」顔を青くしたぞ。
「ふむ、今日はフロラの知人によく会うな」
「まあ、仕方ないですよ、毎回豚狩りで会いますからね」
「だがそこのリベルリベラは昔からの付き合いじゃないのか?」
「まあ、そうですけど……」こんな扱いは嫌と。
「まあ、リベルリベラ話しを聞かせて貰いたいんだが」
「黙れ、貴様は何者だ、馴れ馴れしいフルフロラ様から離れろ」こいつも面倒なタイプか。
「すまん」
「リベルリベラさんリーンさんに逆らうなら許しませんよ」
「はい、フルフロラ様、何でも聞け女」無性に帰りたくなってきた。
「ここは何故女性しかいない?おかしくないか?」
「そういえはそうですね」
「それは……」何かあるのか?
話をまとめる、昨日勇者と名乗る冒険者一行が現れ討って出たらしい、女性を残して、男性の戦闘要員を連れて、で今日オークに襲われ何人か拐われるも拮抗、私らの増援で勝利したと。
「ふむ、その頭のおかしい奴は戻って無いんだな」
「貴様もそう思うか女、予定では明日早朝に帰還する予定だ」私への対応以外はまともそうだな。
「食糧や水はどうなっている?」
「かなり勇者とやらに持って行かれた、不足している」
「ふむ、提供しよう」
「は?」信じていないようなので一部食糧を出す。
「だからリーンさん寄り道してたんですね」
「ああ、オーク狩りと言ったら無性で提供してくれた」
「に、人間がこれを…」
「そうだな、商人の娘に話したら集めてくれた」
「リベルリベラさん泣いちゃいました、相変わらず泣き虫ですね」
「私達は味方だし支援者もいるんだ、リベルリベラもそう腐るな」
「うるざい、リーン」ふむ、名前で呼んでくれたか、これならやっていけそうだな。
リベルリベラの小さな嗚咽を隠す様に外からティナリーの許しを乞う声が響いた。




