北の地にアンデッドが降る編4
「ハア…ハア…」
見事な動きを終えたファオが肩で息をする、別に呼吸はいらないんだが先程アンデッドになったばかりだからだろう。
「終わったか、フロラ、ファオとローロを連れて先に砦へ帰ってくれ、私はルーナ達を呼んでくる」
「わかりました、では二人共行きましょう」
「はい、フルフロラさん」
「フロラでかまいませんよ、長い付き合いになるでしょうから」
「リーンさんと同じ事言いますねフロラさん、行きましょうローロ」
「ファオ変わっちゃったな」
「ごめんねローロ、先に死んじゃって」
「ファオ?」
「私の事嫌いになったらリーンさんにお願いしてローロの居場所を探して貰うから」私はもう頼られているのか。
「ううん、ビックリしただけだから、ファオと一緒にいる」
「うん、死ぬまで面倒見るね」エルフの寿命は平均千年だったか?
「置いていきますよー」
「直ぐ行きます、行こうローロ」
「うん、ファオ」
私は三人を見送ってから上空にいる五月雨の元に向かった。
「……リーン様お疲れ様」
「とりあえず終わったぞ、砦に行こう……ミチュア大丈夫か?」
「生きてるわ、行きましょう」そのままでは悪いから私が抱いて行こうか。
「すまなかったな気が回らなくて」
「ありがとうリーフムーン、貴女が男性じゃ無くて残念ね」ふむ、リシェスにも似たような事を言われたな。
「五月雨も待機させてすまなかったな」
「……見てたけど卵無かったって」卵を探していたのか、母鳥なのか?
「一先ず砦に行こう」
私はミチュアを抱いて五月雨を伴いノール砦に降り立った。
「リーン、ここらにはもういないぞ」
すっかり暗くなり篝火を焚く砦に近づくとルルが現れた、何故か最初に合った女性が付いて歩いている。
「フロラと拐われた奴らは?」
「フロラとエルフ二人はもう少しだな、あとは休んでる」
「ふむ、無事なら良かった」
「あ、あのフルフロラ様のお仲間方ありがとうございました」
「ああ、援軍に来たんだ役にたてて良かったよ、もしかしてティナリーか?」
「はい、フルフロラ様から紹介されたんですか、嬉しいです」
「いや、ファオとローロが話しをしていたのを聞いてな」
「そうですか、フルフロラ様は私を何とおっしゃられてましたか?」苦手そうだったな。
「さあ、帰って来たら本人に聞いてくれ」
「解りました」と、ティナリーは何故か敬礼をする。
「なあリーン、リムルリリムはどおしたんだ?」ふむ…
「なあ五月雨、飲んで無いよな」私は若干の不安から聞いてみた。
「そちらは、え?ロック鳥……フルフロラ様のペットでしょうか」あんまり不用意な事を言わないで欲しいんだが。
気にした様子も無く、五月雨が首を下げ唾液にまみれたリミュを吐き出した、私やルルは平気だがミチュアとティナリーが顔を歪ませる。
「うぅ、臭いよう、気持ち悪いよう、お風呂沸かして…」まあ、べちゃべちゃと表現する状態だな。
「り、リムルリリム、フルフロラ様に援軍要請ご苦労、水を無駄に消費出来ないので風呂は我慢してくれ」
「そんなぁ、リーンさんなんとかしてよ」ふむ、水ぐらい出せばいいのに…水を空中に留めて適温に沸かしたら何処でも風呂が入れるな、少しやってみるか。
「リーフムーン、なんかいきなり異次元な事始めてない?」直径一メートル半くらいの水をふよふよと空中に作って浮かべただけだが?
「ああ、リーンさんありがとう、水浴びだけでも嬉しい」
「リミュ、もう少し待ってくれ、温める」
「え、沸騰しない?」
「ねえリーフムーン、なんでそんなに簡単に細かい制御ができるのよ」そんなに難しいのか?
「リーンさん、お風呂、お風呂ね、入れる?入っていい?」
「ああ、服事洗ったらいい」
「ありがとうリーンさん」普通に脱ぎ出したな、まあ女しかいないんだが、ん?ティナリーがパクパクと口を動かしているな。
「どうしたんだティナリー?」
「お願いします、水を私らに施して下さい」凄く頭を下げられた。
「かまわない、それに食糧も買い付けてきてある」まあ貰ってしまったんだが。
「ふぐぅ、ありがとうございますリーフムーン様」まあ困っていただろうな、こんな状況だし。
「あ、リーンさんのが早かったですね、それよりもリムルリリムさんがのんきにお風呂に入っているのが解せませんが」
「喰われかけたんだからいいでしょ、あら、ファオちゃんローロちゃん無事だった?心配してたわ」いや…
「私はハイオークに殺されました、ローロは無事でした」ふむ、隠さずに行くんだな。
「リーンさん、どういう事?」
「え?リーフムーン様助けに行かれたのでは」
「私がファオを見つけた時既に事切れていた、ローロの要望もあって私はファオを同胞にした」
「じゃあファオちゃんは……」
「アンデッドだ」私達と同じな。




