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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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フロラとリムルリリム編7

 すっかり暗くなったものだがフロラを追いかけて駆ける、木々より高い程度を北へ北へと向かう、気にしていなかったがアンデッドの身体になってから夜眼が効くようになった、大分と暗くなったが不自由を感じない。


 森へ差し掛かった辺りで小さな悲鳴が聞こえる、私は足を止め、空中から見渡す、前方に日が焚かれ、夜営でもしている様な場所があったので私はそこに降り立ったった。


「ふむ、月並みだが貴様らそこまでにしろ」

 私が見たのは賊に襲われる家族であった、父親らしき人物は腕を切り落とされ地に膝を付き、母親らしき人物は服を破られまさに犯され様としている、荷馬車の下には小さな子供だろうか、二人ほど気配がするが、賊に見付かるのは時間の問題だろう。


「なんだお前は、女か、いいね、次はお前……」ふむ、アンデッド化の影響だろうか私は一番近くにいた賊の胸板を素手で突き破った。


「何しやがる」「ヒィ」「逃げろ」「殺せ」

 何故私は何も考えずに賊を殺しているのだろうか?二人目は顔を握り潰した、三人目は縦に割った、四人目は喉を貫いた。


「た、助けてくれ」

 五人目、最後の一人は助けを求めていたんだが頭を蹴り飛ばしたら頭が無くなっていた。


「ふむ、やり過ぎたな」

 青い顔の父親に気絶した母親を渡す、足元に父親の腕が転がっていたので掴んで近付いた。


「つ、妻だけは許してくれ」怯えさせてしまったな。


「そこの下に子供もいるんだろう?」

「ゆ、許して下さい」いや、だからそんなつもりは…


「腕を出せ」

「は、はい」何故か無事な腕を出してきた。

「違う」

「え?」面倒になったので手を伸ばし腕を治療して繋げてやる。


「ふむ、動くか?」

「あ、あぁ動きます」ふむ。

「そうか、良かったな」

「あの、なんとお礼を言ったら」

「気にするな通りすがりだ」

「せめてお名前だけでも教えていただけませんか?」おそらく私は手配されている、名を聞いただけで危ないかもしれない。


「すまないな名乗るほどの者では無いんだ」

「な、何かお礼だけでも」

「いらんよ、そうだ女性物では無いが、おっと」そういえば私は血塗れだったな。

「少し綺麗にするから待ってくれ」と、私は水を出現させて自分を服ごと洗い流す、そしてその水を消し乾いた状態になった。


「裸のままでは問題だろう、服だ」と備蓄してあった肌着を渡す。


「お姉ちゃんお父さんを助けてくれたの?」

「くれたの?」

 いつの間にか小さな姉妹が現れた、父母を失わずに良かった物だ。


「あ、ああ」しかし小さい子供はどう接したら良いかわからん。


「あのね」「のね」


「うん…」父親は服を着せるのに悪戦苦闘している、しかし小さい子どもに話しかけられたら困るもんだ。


「みんなも助けて」「みんなもー」

「皆?おい、お前らはどうしてこんな森にいたんだ?」と父親に声を投げ掛ける。


「は、はい、あ、お前達出てきた危ないって」

「お姉ちゃん強いから大丈夫だよー」「よー」


「私は何もしない、で、どうしてこんな森にいたんだ、しかも夜に」


「はい、オークの大量発生の噂を聞いて避難して参りました」ふむ、一家総出か、しかし私がやっておいてなんだが肉片と血だらけだな。


「少し移動しよう、奥方が目覚めたら驚いてしまう」おい、引っ張らないでくれ。


「あい、ですが馬が殺られまして」ふむ、まあ私が引いたらいいか。


「ふむ、私が引こう、乗るといい」いや、乗ったらいいから。


 姉妹を先頭に私は森を抜けた。

「さて、もう少し詳しい話しを教えて欲しい、オークの情報をできるだけ」何故子供二人は私の膝に座るんだ?あれだけ私は殺戮をしていたんだが?


「はい、北の地でオークの大群が現れたから避難する様にと知らせが来まして、見ての通りに私の家族は女ばかりでして直ぐに避難した次第です」ふむ、リミュの話は本当か、まあフロラの旧友を疑う私もあれだが。


「私はそれに対しての援軍だ、信用して欲しい」今さら私は何を言うんだろうな。


「お姉ちゃん戦いに行くの?」「の?」うん、そんなに私の顔をぺちぺちとしないで欲しいんだが。


「そうだ、私と仲間達でな」


「お姉ちゃんお顔冷たいね」「冷たいね」まあ、アンデッドだからな。


「ところで行く宛はあるのか?」


「ありません、少しでも離れ様と家財をまとめて逃げた様な物ですから」で、賊に襲われたと。


「どこでも良いなら比較的安全な場所へ送ろうか?」まあ、ルルイエ砦なわけだが。


「ありがたいお話ですがそこまでお世話になって良いのでしょうか?」せっかく無事なんだから最期までなんとかしたいからな。


「構わない迎えを呼ぼう」クロム来てくれ。


「リーフムーン様お呼びですか?」直ぐに来てくれたな。


「猫さんだー」「にゃんにゃんだ」もうまとわりついている、凄いな子供は。


「この一家を拾ってな、クロム悪いんだがルルイエで面倒を観ておいてくれ」

「畏まりました、あの私の毛に手を突っ込まれるんですが…」

「子供のやることだ上手く相手をしておけ、無理ならグルダンにでも任せたらいい」

「ずぶずぶー」「ふさふさー」


「獣人ですか…」ふむ、抵抗あるのか?

「向こうには人間もいる、悪い様にはしない」

「わかりました」


「クロム、荷物ごと送りたい、一回グルダンを外に向かわせてくれ」

「はい、では一度戻ります」


「猫さんいなくなった」「いない」そんな泣きそうな顔をするな。

「直ぐに迎えに来る大人しく待っていろ」そしてなんで今度は私を触るんだ?


「お前達、リーフムーン様にご迷惑をかけない」「はーい」「あーい」名乗って無いんだが…ああ、クロムか、まあ仕方ない、しかしこの二人返事はするが私はいつまでぺちぺちとされるんだろうか。


 しばしして、クロムと共に親子をルルイエ砦に送った、私は追い付くのは朝になりそうだなと思いながらまた空中に踏み出した。



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