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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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プルミエ砦編7

「隊長、俺丸腰なんだが」「私もだ、奪え」戦の道中らしからぬ会話が聞こえる、「ひでぇ…しかしなんで隊長はあいつらを俺に会わしたんで?」「試したくてな」「俺が裏切るってか?」「アンデッドがお前を殺そうとするかだ…」「なるほど…」リーフムーンとグルダンのやり取りにフルフロラはむくれている。




 此方はフルフロラ…リーンさんが相手をしてくれません。「むぅ」頭をポンポンしても許しません、「帰ったらな…」え、いいんですか?なら頑張って行きますよ。




 砦からは異臭が漂う、激しい戦闘の形跡を、壁のひびが物語る。


 入口は壊され、壕には、死体で埋めた橋がある。


 勝者は糧食の代わりに敗者を喰らう、鰐に似た顎を動かし入りきらなかった四肢が千切れて血塗れの平原を更に染める。


「ふむ、陥落しているな…」「プルミエ砦を潰す」「あの砦は潰すか…ドャァ」揚げ足を取りに来る二人に、リーフムーンは、「……」無言になる。


「リザードマンか、厄介だねえ」グルダンが顔をしかめながら言う。


「伝令を飛ばし籠城して挟撃だろうが、魔物相手にまともにやる奴があるか」リーフムーンは被害の様子から、砦は、正面から兵を放ち、逃亡する様に逃げ侵入され、陥落に至ったと、予想する。


「隊長は知らないんで?」「何がだ?」「あの砦に貴族の三男が居て、武功を欲しがってたとか、女騎士に殴られて処刑しろと騒いでたとか」「貴族を殴るとは命知らずな奴だな」「そうです?私は昔から嫌いなんで、殺してましたよ」「……」「……」下らない冗談にしておこうと二人は、目をあわせ、話を戻す。


「で、私が気に入らないから閉め出したと…」「五月蝿い隊長に、プラチナデビルが居なくなったんで、狙ってた村を襲ったって訳ですよ」「その変な名前止めませんです…」「…考えたく無いんだが、魔物の集落もか?」リーフムーンは頭に手をあてる、「リザードマンの皮って高く売れるんですよ隊長」「お肉も美味しいですよリーンさん」「そうか…狼煙も上がって無いんだが、伝令くらいはしてるのか?」「さあ?」四、五日は定時の連絡も来ないぞ…等と考えてしまう。


 予定とは違うが、どうしたものかと、リーフムーンは思う、「どうした物か…」「まとめて制圧すれば良いんじゃないです?」「いや、潰して混乱している隙に村を移動と考えてたんだが」「生き残りを助けて恩を売るとか」グルダンの発言に、「お前しかできんだろ、此方はアンデッドしかいない」「そうですねえ…」フルフロラがなにやら思案している。




 此方フルフロラ、皆さんの安全の為にはもう、隠れてるだけじゃ無理ですかねぇ…国までいかなくても中立都市レベルで自衛、時給、独立…そうですよねぇ搾取されない場所が要りますよね、小国レベルは必要ですね、多民族国家、全てを受け入れ、悪しきを廃する、誰でも国営できる知識を獲られ、国民が参加できる…


 あれ?なんでリーンさん固まって、ちょっと泣きそうなんです?「もう」良い子良い子と頭撫でちゃいます、「隊長?」グルたんさんもなにか心配そうですね、リーンさんどうしました?




「なんでもない」リーフムーンは言い放ち、決意を現す。


「フロラの国を創るならなんでもやるか…」「隊長、いきなり国って話が解らんですぜ」「リーンさん、そんなの無理ですよ…」リーフムーンは死んでから、初めて目標ができた。今更ながら晴れ晴れとした気持ちで世界を視る、死体が折り重なり、魔物が徘徊し、火の手が燻り、折り重なった死体は魔物が喰らい、喰らう魔物に生き残りが火を放つ、火を放った生き残りに魔物が大挙する。


「私は行く、フロラは召喚して攻めろ、グルダンは死なない様に動け」言うが速いか、リーフムーンは、駆ける。


「はいはーい、皆さーん」「隊長ひでぇよ」アンデッドが続々と召喚される…


 規則正しく大柄なゾンビ達が前列に立つ、盾の様に作られた長方形の土塊を両手に一つづつ持ち、己達が城壁といわんばかりに展開する。


 後方に、スケルトンが槍と、弩を持つ非力さを鋭さで補う様にカタカタと続く、間には小柄なゾンビが鎌の様に湾曲する刃を両手にそれぞれ持つ、アンデッドならぬ身軽そうな足取りでスケルトンと中列を担う。


 後列に並ぶは、首の無い馬に騎乗するスケルトンが弩と剣を持ち数騎、魔力が溢れるのか黒いもやが漂うスケルトン、獰猛な見た目のゾンビに、犬のゾンビ…


 最後に現れたのは、首の無い馬二頭に引かれるチャリオット(戦車)だ、手綱を握るスケルトンに加え、弩と槍を持つスケルトンに、乗り手を守る装甲が威圧感を出している。




 此方はフルフロラ…リーンさんが一晩であり得ない事をしました。「フルフロラさんよ、昨日と違わねえか?今日は本気なんですかい」グルたんさんは知ってというか、襲われてますよね、「いえ、昨日リーンさんが鍛えるって言って任せたら…」なんかあり得ない事に…


「主様ご命令を我らに…」騎馬ほねさんが近づいて下馬し、うやうやしく(こうべ)をたれて言います。


 しまった、しゃれこうべがこうべをたれるって、なんかツボに、くっ…図りましたねリーンさん


「と、とじゅ、とにゅげーき」か、噛んだ、噛んでしまいました、カッコ悪いです、「そりゃひでぇっすよフルフロラさん」グルたんさん、其処は、其処は言わぬがアレじゃ無いですか、皆さんは黙って突撃してますのに、大体なにちゃっかりチャリオットに乗り込んでるんですか、私も乗りますよ。




 盾を持つゾンビに続き、アンデッドの百数十の軍は死の塊として走り出す、「ちょっとお尻ガンガン跳ねるんですけどー」「すげえすわ」一人の生者をチャリオットに乗せて…

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