閑話 リムルリリムがいる日
「リーフムーンさん、お風呂まであるの、素敵ね」
「入るなら用意するが?」
「お願いします」
「解った、少し待っててくれ」
風呂を用意しながら私はなにやら警戒を解かないルルを見る、ルルには悪いと思うがフロラの友人なら無下には出来ない。
「ルル大丈夫か?」
「おう、リーンそんなに気にすんな」そう言うがあまり元気が無い。
「居心地が悪いなら姉のところに送ろうか?」
「大丈夫だって、なんか調子が狂うだけだ」リムルリリムがいるからか…
「ルーナ」
「……リーン様何?」
「ルルを送るから抱えてくれ」
「え、リーン大丈夫だって」
「たまには休んだらいい」
「……私は帰るからリーン様呼ぶの忘れ無いで」そうか…
「あれ?リーフムーンさんルルちゃんと黒猫ちゃんは?」ふむいつの間に。
「ルルは疲れてるみたいだから休ませた、ルーナは後ろだ」
「あ、猫ちゃーん」
「……ん、嗅いだこと無い臭い」
「フロラの友人ならアンデッドかもしれん」
「私?私は魔族だからじゃない?」あっけらかんと魔族と言われても…
「ふむ、魔族は何を食べるんだ?」
「……リーン様なんか違う」
「そうね…何でも食べるわよ、精気とか好物だけど皆さん亡くなってますし」
「まあ、保存食で勘弁してくれ」
「お気遣い無くー」
リムルリリムは用意した風呂をご機嫌で使っていた。
さて、あの二人を避難させないとな、どうするか、とりあえず二人の様子を……
「グルダンいるか?」
「隊長?少しお待ち下させい」
「まあ大事にしろと言ったが部屋でも鎧を着なくてもいいと思うんだが……それよりフロラの友人の魔族が来ているから注意しろ、なんなら移動を」
「リムルリリムさんでしたか、一回挨拶しやしたが魔族だったんですね、見た目じゃわかりやせんね」
「ふむ、神経質過ぎたか、本人いわく精気が好物らしいからサキュバスかと思ったが」
「そういや二百年くらい前の伝説のサキュバスがリムルリリムだった記憶がありやすが」
「なんのお話?、あ、お風呂ありがとう」
「い、いえ、なんでもありやせん」
「まあ、疑って悪いんだがリムルリリムが伝説のサキュバスらしいと話ててな」
「あら、詳しいですね、今はしがない花売りですけど」
「ふむ、慎ましいんだな」
「隊長…」
「リーフムーンさんもご一緒されます?」
「ふむ」
「ふざけないでください」いや、流石に娼婦はやらないぞ。
「あら、残念」なんだかフロラにも毛嫌いされてそうだな。
リムルリリムはスタスタと去っていった、グルダンは心配そうだな、やれやれ…
「隊長」
「いや、流石に解ってるからな、それよりグルダンはサキュバスに魅了されたりしないのか?」
「え、ああ、この鎧が守ってくれやすから」ほう。
「すごい鎧なんだな、後日見せて欲しいな」
「あ、その、あ、汗臭いんで洗ってから、いや、同じ鎧探しますから」
「いや、リムルリリムがいるうちはいいから」
「あ、そうでやすよね」
さて、リュシオルは、ノックをするが反応が無い、悪いと思うが中を見る、ふむ寝ている様だな、その方が安全か、いや、彼女を疑い過ぎたか、ふむ、謝罪がてら酒でも一緒に飲んでみるか。
「いいか?」
「あら、リーフムーンさんいいですよ」
「酒があったんだが飲むか?」
「あ、蜂蜜酒ですねいただきます」ふむ、飲めるのか…
「あと簡単なつまみだが」塩抜きして焼き小さくスライスした肉、一口大のキューブ状にカットしたチーズ、皮を剥いた果物、適当な菓子を並べる。
「あの、リーフムーンさん本格的なんだけど、いくら払えばいいですか?」
「いや別にいらないが?ただの有り合わせだからな」
「はあ…、でお話があるんでしょう?」
「そうだな、聞きたいのは」お互いに蜂蜜酒を飲む、リムルリリムはチビリチビリと口の中を湿らせる様に飲むが、私は一息にコップの中を飲み干す。
「リーフムーンさんお酒強いのね」
「ふむ、実は初めてだ、それよりリムルリリムはフロラを消しに来たのか?」頭の奥に熱を感じる、これが酔うというやつか。
「違いますよ、お仕事を手伝って貰いたいだけですよ」リムルリリムは少し顔ぁ赤ぃくぅなったぁ。
「そうか、なら良いんだ」二ぃ杯めを注ぃぎ、肉ぅをつまみゅ、ふみゅ、チーズ味もたすかぬぉ、そこにお酒を。
「リーフムーンさんお酒強いじゃ無いですか、私すぐ赤くなっちゃうんですよ」ふみゅ、ほんのりさきゅらいぉかにゃ。
「仕事に使っているんだろ」甘いおつまみもぉ、あうかにゃ。
「解ります?リーフムーンさんピッチが早くないですか?」ふぇ、まだ三杯、三杯、やっぱり肉ゅが一番かにゃ。
「ふむ、ありがとう、加減が解らなくてな」二本めぇあけりゅかにゃ。
「あれ?リーフムーンさん瓶から飲むんですか、無理されない方が」そう、リミュにもあげなきゃだね。
「悪い、リミュにもいるよな」二本くらいだ、だしゅか。
「あの、リーフムーンさん私はリミュじゃ」なぎゃいから。
「すまない、リミュ」みゅー。
「リーフムーンさん酔ってますね?」そんにゃこと。
「最近名前を付ける事が多くてな、リミュが駄目ならムーさんで良いかな」むーさん。
「リーフムーンさん、リミュでいいですから飲むの止めて下さい、ほら駄目よ、終わりー」駄目かー。
「リミュ」
「はい、なんですか?」
「疑ってごめんなさい」
「ちょっと、リーフムーンさんキャラ変わるほど酔わないでよフルフロラに後でバラしますよ」
「フロラの友人なのに警戒してごめんなさい」
「リーフムーンさん、正気に戻って」
「……リーン様がどうしたの」
「あ、猫ちゃん手伝って、リーフムーンさん飲み過ぎちゃったみたいなの…」
何故私は風呂に居るのだろう、夜が明けている、おかしいな、リムルリリムと酒を飲み始めた記憶から先が無い、ふむ、まあいいか…
「……リーン様」なんでルーナに警戒されているんだ?
「リーフムーンさん本気でスカウトしたいわ…」リムルリリムが私を見る目が昨日と違う、何でだろうか同胞を見る様な目で見られている気がする。
「リムルリリム、私は昨日」
「リミュで良いわリーフムーンさん、今度はお酒無しでお話しましょう」
「あ、ああ、リミュ、なんなら私もリーンで構わない」
「じゃあリーンさんで、今度そのテクニックを教わりに来るわね」テクニック?
「よくわからんが、まあ」なんの事だ?
「さて、フルフロラを待ちますね」
「そうだな、ルーナ頼んでいいか?」
「……うん、大丈夫」ルーナをフロラに送る。
「リーンさん転送出来るの?」
「少し違うかな、遠くに召喚してるんだ」
「便利ね」
「自分は送れ無いがな」言いながら、ルーナを呼んだ。




