家族会議編1
私達が空からルルイエ砦に帰ると先日酷い目にあった女性がいた。
「あ、リーフムーン」リシェスか、あんな目にあったのによく来るな、商人はそうなのだろうか?
「リシェス何か新商品でも有るのか?」
「え、グルダンさんにリザードマンの皮を剥いで貰ってお風呂借りただけだよ」もう自然体な言葉使いにするんだな。
「リシェスがリザードマンを倒すのか?」
「うん、まあこの子と二人だけどね」貸したゾンビドッグが随分となついている、もうリシェスに任せよう。
「リーフムーン、獣人を拐ってきたの、ミチュア陛下に怒られない?」
「ああ、あの二人はアンデッドだ、わけありでな」
「そうなの、じゃあ帰るね、稼がして貰ってありがとう」……なんとなく解るが住み着いてるんだろうな。
「リーンさんお土産下ろすの手伝って下さい、手を話したら落ちます」はて、フロラはなぜ異空間に収納しないのだろうか?
「ああ、上から動かすからしばらく我慢してくれ」
「……リーン様、リュシオル動かない」
「ほどいて寝かしといてくれ」
「リーフムーン様、これはどちらに置きましょう」
「一旦そこらに置いてくれ、後で別ける」
「リーン、オレがゴーレムでやろうか?」
「ルルは頑張ってるんだからゆっくりしたらいい」
「リーンさん私も頑張ってます」
「わかったわかった」
なんだか私を中心にいろいろ進んで行く、今までは悪目立ちして孤立していたからなんだか新鮮な気持ちだ。
「リーンお母さんみたいだな」なんだろうかダメージが凄い。
「リーフムーン様大丈夫ですか?」
「な、なんの事だ、私はなんともないぞ」
「……リーン様、ここ、どこ?」
「ここはルルイエ砦、私とフロラの初めての占領地になる」
「……初めて……なんか卑猥」なんだろうか無くなった心臓にこたえる。
「た、隊長、遅くなりやした、皆さん無事のお帰りで」グルダンはこんな鎧着てただろうか?
「ああ、何事も無かったか?」
「もちろん、フルフロラさんの蜘蛛達も元気ですぜ」
「あ、皆さんただいまです、お土産のご飯ですよ」 フロラが持ち帰った大きな皮袋の中身を与えている、グルダンがウッと顔をしかめたが、臭いがキツイのか?
「……リーン様、少し離れてもいい?」
「私もよろしいでしょうか」
「ああ、案内するよ、ルルもグルダンも来るか?」
「へい、少し慣れないもんで」
「オレは大丈夫だからいいよ」
「わかった、あとでな」
中に入り、そういえばこいつらを洗わなければと思い出した。
「そういえばフロラは何を食わせてたんだろうか」
「え?隊長あんなに臭いがキツイのにわからないんで?」
「アンデッドになってからあんまり臭いに反応しなくなってな、しないわけでは無いが、重要に感じないと言うか」
「……リーン様、アレは私らを殺したヤツ」
「ですね、あんまり思うところは無くなりましたが」
「………」
私は思わず二人の肩に手を置いた。
「隊長、その二人もアンデッドで?」
「そうだ、名前が無いらしいからまだ呼びづらいがな」
「……私ら増えてたのにこの人何も言わない」
「そうですね、グルダンさんでしたか、よろしくしてもいいでしょうか」なんなんだよろしくするって。
「別に何でもいいですよ、骨やら蜘蛛やらと生活してたら猫が増えたくらい何でもありやせん」ん?サビの目がキラリと光った様な?錯覚かな。
「そうだ、グルダン風呂はまだ使えるか、この二人を洗わないと、だいぶ血塗れだったからな」
「大丈夫ですよ、さっきリシェスの姉ちゃんが使いたいからって沸かしやしたんで」
「……リーン様、急用できた、なぅ」お前もか。
「私は、ご一緒は少し問題が」ん?嫌ではないのか。
「かまわん、私は気にしない」一匹も二匹も変わらない。
半ば無理矢理に二人を風呂場に連れ込む、失敗した、サビの方が雄だった、私も黒も服を脱ぎ、恥ずかしがるサビを無理やり脱がしたら判明した。
「ふむ、まあ別にいいか減りはしない」
「……リーン様のエッチ」くそう。
「あの、その、すいません」
私はどうでもいいかと二人を洗う、やはり毛の中、体毛の深いところから古い血が出てくる、風呂場が血塗れになるほど二人を洗い湯船に放り込む、最近こんなことばかりな気がする。
「……上がりたい、乾かすの面倒」こいつはホントに。
「り、リーン様お目汚しをすいません」こっちは背を向けて縮こまるし。
「気にするな、どうせ長い付き合いになるんだ」フロラの言い方だと私達は死ねないのかもしれないし。
「……ふつつか者ですがお世話になります」何か違う。
「なんなりとご命令を」んー。
「勘違いしてないか?私らにそんな大層な物は無い、私もお前らもおんなじだ、やりたい様にしたらいい、連れて来たのは多分あの国では居場所が無いからだろう、私らは同じでも他者とは違うからな。」
「……リーン様」
「別に様もいらない」
「……お母さん」やめて。
「それはちょっと、私は子供を産んだ事は無い」
「……わかったリーン様」まあ良いか。
「リーフムーン様、ありがとうございます」
まあ、風呂を上がり、ミチュアの風魔法で手早く乾かす、二人とも驚いていたが、そんなに難しいのだろうか?
「さあ、リーンさんお風呂に入りますよ、あれ…」すまんもう済んだ。
「フロラ、ルルも入れといてくれ」
「ぐぬぅ、ルルさん逃がしませんよ」
「オレは汚れて無いから」
気が付くと辺りは日暮れの色に染まる、色々とあったしなんだが空回りもしたが、帰ってきたなと私は実感した。




