表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞんびうぉーず  作者: みかづき
63/95

閑話 ルルイエ砦潜入調査

 俺は雇われた冒険者グラース、冒険者の中じゃ中堅に足を踏み入れた二十七歳独身彼女無しだ、最近の戦績?


 犬に乗った女性に無視されたくらいだ、犬に股がる尻のラインを凝視したのが敗因だと相棒のカピンに笑われたが、あんな尻見ないわけがない。


 俺達は依頼で奪取されたプルミエ砦の調査と可能なら捕らわれているらしい貴族様を救出しろとのお達しだ、無理だろ、隣の砦に情報を聞いたらアンデッドに襲われ武器も食糧も奪われたとか、ついでに取り返してこいとか、意味が解らん。


「なあカピン、適当に報告しに帰らないか?」

「駄目だ、グラース気が付かないのか?見張られている」

「だからそいつらも巻き込んで帰ろうぜ」

「最悪でも戦力は確認しないと金が入らん、奪われた物資など知らん」

「あ、やっぱりカピンもあの連中にキレてたんだな」

「あんな冒険者だと見下す連中は相手にならん、仮に物資を取り返しても横領したと言いかねん」

「そりゃ言うだろ」

「よくある話だ、決め付けては駄目だ」

「カピンが言ったんだろ」

「断定はしていない」

「へいへい」


 俺達はプルミエ砦が見える辺りに来た、クソな連中の話では少し先でアンデッドに襲撃され、全員無事に撤退したらしい。


「彼奴ら逃げたんじゃね、ありゃおとぎ話の魔王の城だぜ」

「なんで洞窟の上に砦があるんだ、どうやって持ち上げだんだ」


「あれ、さっきの犬の姉ちゃんじゃねえか」

「グラースよく見えるな、見分け等つかない」

「あの尻は間違いない、まあ犬もいるしな」

「そんなんだからモテねえんだよ」

「うるせえ」


 犬の姉ちゃんが洞窟の入り口から入る、へっ、俺が華麗に救出して彼女にするぜ。


「グラース、考えが顔に出てるぜ、気持ち悪い顔しやがって」

「なら、行くのはわかんだろ」

「場合によったら諦めるんだぞ、俺は死にたく無いからな」

「なに言ってんだよ、俺達はだいたい何でも出来る万能コンビだろ、逃げる手段も生き残る手段もある、経験も積んだ」

「女は無いがな」

「なに言ってんだよ、今日からは違うだろ、お前だって女は」

「グラース、世の中な、お金を出したら大抵の事は出来るんだ」

「カピンまさか娼館に」

「グラース、世の中お金だ、帰ったらリムルリリムさんにまた」


 ん?リムルリリムって数百年前から度々話に上がる伝説のサキュバスの名前じゃ…


 そういえばこいつ、やつれた顔してた時が何回か有ったな、あれ?伝説のサキュバス近くにいるんじゃねえの?


「どうしたグラース」

「いや、俺は金で買う女はいいや」

「そうか、たまに危ないくらい楽しかったってタダにしてくれるんだが」


 お前は死にかかってんだよ、てかディナーにされてんだよ、とカピンに言っても無駄だろうがな、何にでもハマったら抜けられない奴だからな。


「じゃあダンジョンに乗り込むか」

「ああ」


 無駄話をしながらも入り口に辿り着く、警戒していたがアンデッドは出なかった。


「さて姉ちゃんは無事かねっと」

「一人で入るんだから強いんじゃないか?」


「一人は寂しいもんな」

「聞けよ」


 俺は剣を抜き、「夜道を照さん、ライト」と魔法の光を剣先に灯す、武器兼光源、便利だよな鞘に収めたら明かりを消せるし。


『因みに剣先に明かりのネタが解る人とはいい酒が飲めそうですね、そんなマニアックなネタ知らないかも知れませんが』


「何だ」

「どうしたカピン?」

「今、何か」

「ビビんなよ、行こうぜ」

「気のせいか」

『そうそう、一発キャラが勘ぐるな』

「グラース」

「どうしたカピン、腹が痛くても姉ちゃん助けるまで我慢しろ」

「何でも無い」


 変なカピンを促しダンジョンを進む、時折青い光がいるが、襲ってこない様なので無視する、ゴーストだろうが面倒な相手だからな、少し進むと姉ちゃんがいた。


「うらぁぁぁ」

「ぐるるるる」

 トゲの生えたメイスがリザードマンに振るわれる、リザードマンの意識がメイスに向いた瞬間に犬がリザードマンの足を噛みリザードマンの動きを押さえる、意識が分散したリザードマンの頭にメイスが落ちる、歴戦のコンビの様な二人にリザードマンが崩れ落ちた。


「さて、あんたらコイツも運んで解体してもらって、目玉と皮は食べちゃダメよ」


 メイスから血を滴らせる姉ちゃんの声に蜘蛛が四匹、その体躯が一メートルに近い、あれはヤバイ奴だ、まだ子供の大きさだが十分にヤバイ、一匹でも糸を吐かれたら動きを封じられて自力で助かるのは難しい、糸から脱出するのに火だるまになるくらいしないと実際間に合わない、火だるまになってからまた糸をくらわない保証も無い、切るには手持ちの武器では切れない可能性がある。


「グラース逃げるぞ彼奴がプルミエを奪った奴だろう」

「カピン、断定はしないんだろ」

「リザードマンを一人と一匹で仕留める奴だ、それにあの蜘蛛は子供だがもうこの戦力じゃ勝てない」

「そうだな今のうちに不意討ちでどれか」

「犬が気付いている、不味い」


 あの姉ちゃんが敵なら捕まえて色々やれたのにと思わなくも無いが死ぬ可能性が高いと判断する、カピンが、俺も同意見ではあるが、少し惜しいとも思う。


 俺はら無事に帰り報告を済ました、犬、女、蜘蛛、ダンジョンの上にプルミエ砦と、報酬は流石に減らされ無かったが、信憑性が無いと満足して貰えなかった、まあ俺とカピンの悪評を流され無かっただけマシか。


 次の日カピンのやつれ方がヤバかった、伝説のサキュバス、リムルリリムがいる店が解ったが俺は見なかった事にした。


 俺達の冒険は続く………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ