プルミエ砦編5
「どういう事です?フルフロラ様、リーン」カルムは薄暗い炎をゆらゆらさせながら近付いてくる…
「キャナとアルエも知っているのか?話せ…」だんだんと詰問に近くなる。
「そうだな、兄さん、捕虜の尋問でもしながら話そう…」「リーン…解った」リーフムーンは、そう言ってカルムと捕虜に続き空き家に向かった。
此方フルフロラ…「フルフロラタイミング悪い」「空気読めえろフロラが」批難され過ぎです、あとアルエさんがひどいです…
さて、リーンさん達の様子でも…「全部で十三人か?」「な…」カルムさん驚いてますね、「そうだ…お前はリッチに殺られてた騎士だろ?」「答える義理は無い…」「裏切り野郎が…」「見棄てておいて裏切り野郎か…強奪と奴隷商とは、腐ったものだな、まだ半日ほどだろうに…」リーンさんベラベラ喋ってますね、あ、睨まれた…
「六人で陽動と強奪じゃ…」「フンこんなバカなアンデットだけなら簡単に拐えたのにな…他の連中は喰ったのか?」「森に伏兵が居た?見回りしたばかりで?」「本当にバカだなこいつ、お前らは監視されてたんだよ、この女が砦に来る前から、ここらは狩場の予定だったからな…」まあ、私があそこを攻めてたのは、牽制の意味があったんですよ…ドャァ…
あ、リーンさん驚いてる、私が頭悪いと思ってましたね…頷いた、酷い、私が何も考えないで砦攻めなんかしません。
「俺達が帰らなかったら、こんな所直ぐに焼かれるぜ…」「そうだな、命乞いはそんなものか?」「リーン殺すな、人質に使う」「アンデットって本当にバカだな…」「なんだと」カルムさん煽られてますね…捕虜さんは人質ですか?まあ、任せますか…
そういえば死体は…向こうと森ですね、いただいておきますか、「喰うのか?」リーンさんが窓から覗く私に近付き聞いてきます。
「いえいえ、召喚用に使うんです」「あぁ、そういえばいつも壁殴ってた奴らか、居ないと思ったら…召喚?」ふっふっふ…私のぞんび軍団は召喚型なんです、本隊は異空間で待機していて、訓練やレベルアップや特訓を…「何もしてなさそうだが?何か指示してるのか?」ふっふっふ…チラリ…ほねさんは…動いてませんね、ぞんびさんは…じっとしてますね。
睨まないで下さい、ぞんび軍団は悪く無いです!「フゥ…」なんでため息吐くんですか、「まあ、後で考えるから、死体の処理を頼む…」「解りました」ってなんで髪を撫でるんですか?「なんか機嫌が悪そうだからだが?」もう…行きます。
「殺さねぇのか?」「らしいな…」「バカだねぇ…」「静かにしろ!」「まあ、なんでもいいか…」捕虜さん以外だから十二人ですね…
「リーン…外へ」「解った」リーフムーンはカルムに促され、森に近い平坦な場所へ向かう。
「決闘だ、俺が勝ったら出ていく、村を任せる」勝手な事を言うカルムに、「カルム」「なにを言うカルム、みんなで守れば…」キャナとアルエが寄ってくる。
「私が勝ったら?」聞き返すリーフムーンに、「俺は、お前の部下になる…」カルムの意志を告げる。
リーフムーンは、しばし考える…「駄目だ…兄さんはフロラの部下だろう」「しかし、俺は皆を殺す所だった…役に立たないんだ」「私が勝ったら、他に考えるさ…」「解った」木でできた剣を二人は掴む…
「勝敗は?」リーフムーンは問う、「相手の戦意が無くなる迄だ…アンデット同士だから他にあるまい」カルムは答える…「何をしてもいいのか?」「ああ…魔法だろうが卑怯な手だろうが構わん」
「解った」頷くリーフムーン
「カルム…」キャナは諦めた様に黙る。
「カルム、考え直せ、リーフムーンも」アルエは納得いかない様子だ。
「いざ…」カルムの殺気に応じて首の在るべき位置から暗い炎が上がる…右腕のみの剣技、キャナとアルエはいつも見ている…
肩の分だけリーチが変化し読み難い…左手の不自由さを感じさせない滑らかな動き、相対したが、打ち込む事もできなかった。
対するリーフムーンは、下段に構え、カウンターの姿勢か…
「いくぞ」カルムの木剣はリーフムーンの頭に振り降ろされ、カルムの腕に手応えを与える…「な…」動揺したカルムの隙に、リーフムーンは木剣を手放し、カルムの頭を奪う。
「…まだだ」カルムの身体は身体のみで体制を立て直し、構える。
「アルエ」リーフムーンは名を呼び、頭を投げる、「くそ…」動揺する身体をリーフムーンは羽交い締めにする。
「え?カルム…」「アルエ、頭を戻してくれ」どうしたら良いか解らないアルエに、「アルエ、欲しかったんだろ?好きにしたらいい」リーフムーンはカルムを羽交い締めのまま行動を任せる。
「アルエ、頭を戻してくれ…」繰り返すカルムにアルエは大切に頭を抱え…「ん…」頭だけのカルムの唇を塞ぐ、「カルム、好き、一緒に居たい…」「は…?」赤面するカルムに、「カルム居なくなる嫌…」「アルエ…」思いを伝える。
「リーフムーンの勝ちだな」ニヤニヤしながらキャナが言う。
「まだだ…ん…」頭を離さないアルエは、唇を塞ぐ、「アルエ、止め…」胸元に抱きしめ声が出ない様に塞ぐ。
「さて、私が勝ったから、兄さんは…」リーフムーンも心無しかニヤつき、「アルエと家庭でも持って貰うかな」桃色の炎を出しているカルムを離した。
「お前よく気付いたな」キャナはリーフムーンと二人を見ながら嬉しそうに言う。
「駄々漏れだろ?アルエは…兄さんはバカだが」捕虜にバカバカ言われていたが、まあ今回バカだったな、とリーフムーンは思った。
此方フルフロラ、桃色オーラに誘われて、見てしまいましたよキッスシーン、カルムさん桃色の炎とか出るんですね、いやぁ、お楽しみですねぇ、アルエさんも顔真っ赤?肌の色的に解りにくいですね。
リーンさん私も幸せにして欲しいんですが…チラリ…無視、ですと…
日が落ち始め、村が夜の支度をはじめる。
「よう、リーンちゃんお帰りで…」捕虜がニヤニヤしながらリーフムーンに話かける。
「お前以外全滅だったぞ」「あいつらの最後は餌か…俺は?」「知らん?」「お兄ちゃんの言いなりかよ、まさか逃がしてくれるのか?」「まさか、自害しない様に見張りだ…必要なさそうだが」捕虜も不安なのか、口数が多い。
「頼みがあるんだが」捕虜が真剣な顔で言ってくる。
「なんだ」「俺も男だ、死ぬ前に一発やりたいんで身体貸してくれ…」「お誘いの所すまんが、私もアンデットだ…」「そうか、美人が勿体ねえ…糞どもが絡む前に口説いときゃ良かったよ」捕虜は少し赤面している、「砦の人間で私とこれだけ会話した奴は居ないさ」リーフムーンは予想外に会話を続ける。
「あの時なら、簡単だっただろうな」「あれだけ暴れて?」「まあ、今はお前の首を千切っても無感情だよ」そっと肩に手を置く、「俺はいつもタイミング悪りぃな、火を付けて逃げる手筈が、連れがエルフだなんだと興奮しやがって、あのバ…アンデットに斬られて…俺は捕まって…死にたくねえな…」「全くだ…」そこに…
「リーンさんは渡しませんよ」フルフロラが乱入する…




