アンデッドは空から訪れる編10
扉を潜ると、なかなかのひろさがある、天井も高い。
「なあ、レジニア私はあまりミチュアに傷を付けたく無いんだが」やや、目を下に向けない様にしながらレジニアに進言してみる。
「リーフムーン、手加減無用よ」ミチュアはやる気に満ちている。
「そうですね、配慮が足りませんでした、姉上に触れる程度で構いません」接触程度で構わないらしい。
「そうか、なら」私はミチュアの肩に手を置く。
「この様に接触すると私の勝ちか?」
「いいわ」
「かまいません」
「なら、私の勝ちだな、もう触れている」
ミチュアが渋い顔をする、「リーフムーンずるい」と苦情もあがる。
「リーフムーン様それは少し…」
「ふうん、甘いなレジニアは、不意討ち程度でいくらでもあるぞ、最初の提案で私を敵にしたんならもう気をつけないとな、別に、扉を潜ると時にやってもよかったがな」敵が待つわけないだろうにまったく。
「すみませんリーフムーン様私の配慮不足でした」レジニアが頭を下げる。
「リーフムーン仕切り直して、私は納得できないわ」
「まあ、仕方ないか、何をしても良いのか?」
「ええ、避けてみせるわ」
「そうか」
「なあ、リーン手加減しないつもりか?」
「もちろんするさ、傷なんか付けないつもりだ」
「いや、まあいいか…」なにやらルルはしぶしぶと離れて行った。
「では、始め」レジニアの言葉にミチュアは風を纏う。
「これで私には触れられません」自信満々にミチュアは言う。
ミチュアの周り半径一メートルほどか、風の結界が顕れていた。
「ふむ」私は手近にあった、と言うか、異空間からトゲメイスを取り出して投げる、キンと弾かれ転がる。
「ふふ、これならリーフムーンの突撃も余裕よ」と、言われるが、ミチュアは見事だと思う。
私は手近なレジニアをミチュアに投げる、ミチュアは驚いて結界を解き、レジニアを抱き止める、ホントに弟のつもりなんだな、その隙に私はミチュアの肩を叩く。
「だからリーフムーンずるいって」なんだかな。
「リーフムーン様、私ら獣人としましては正々堂々戦いたいのです」ふむ、まあ仕方ないか。
気を取りなおしてミチュアが風の結界を張り直す、「ふむ」と言いながらツカツカと私は近く。
風の流れで反らすのか、ふぅんと、結界をガシッと掴んでみる、「え?」とミチュアが動揺するが無視してガリガリと蠢く結界を押さえつける、少し鈍くなるが問題無さそうか、確認して手を離すと私は先程のトゲメイスを掴み結界を殴りつける、「キャッ」とミチュアの悲鳴が漏れたが結界は維持している。
力任せに結界を殴り続けていると、メイスが折れた。
「ふむ、大丈夫そうだな、レジニアこれならミチュアはいけるんじゃないか?」
「姉上大丈夫ですか」私が手を止めたからかレジニアがミチュアに駆け寄る。
「大丈夫よ、ねぇリーフムーンあれで手加減してくれたのよね?」
「ああ、どうかしたのか?」
「まさか私の結界壊せるの?」
「別に壊さなくてもやり方はあるだろう、ミチュアがバテるまで待つとか」同じ様な風を同調させて中に流し込むとかな。
「そう…レジニアこれで行っても問題無いですね」
「はい、姉上が頑丈なのは解りましたから」
「頑丈なんて失礼ね」
姉弟らしくなっているな。
「なあ、リーン」
「どうしたルル」
「置いてかないのかあの二人」
「ああ、本人の意思だからな」
「まあ大丈夫だと思うけどリーンが壊した方が良かったと思うな」
「結界か?」
「うん、あんまり自信つけたら良くないと思う」
「そこそこ脅したから大丈夫だろ」
「まあ、ヤバかったらオレがフォローするよ」
「頼む」とルルの頭に手を置いた。
「さて、次はレジニアの番か」
「そうね」
「私も行くのですか?私など足手まといでしか…」
「行きますよねレジニア」
「はい、姉上」
「しかし言っておいてなんだが大丈夫なのかレジニアは」
「基礎的なことしかしておりません故に」
「ではミチュアが私の代わりに」
「わかった、リーフムーンみたいに攻めるのね、レジニア手加減しませんよ」と、鋭い先制の拳が飛ぶ、レジニアは慌てながら下がって避ける。
「飲み込みが早いな」私は感心しながらなにやら姉弟喧嘩の様な攻防を眺めていた。
ミチュアが優勢だがレジニアはなんとか避けている、あれで痩せていたらもっと動けただろう。
「そろそろいいだろう」私は手を叩き二人を止める。
「待ってリーフムーンもう少しで勝てるから」
「はぁはぁ、姉上、もうご勘弁をはぁ…」
「これだけ動けたら大丈夫だろう」
これで全員が乗り込む事になった。
そういえばフロラを見なかったがどこへ行ったのだろうか?




