アンデッドは空から訪れる編6
ふむ、どの様に乗り込むのか、フロラはわかりましたともう行きそうだ、今は夜中、私らアンデッドは平気だがミチュア達は眠いだろう。
「フロラ、もう夜中だミチュア達には休みが必要だ」
「わかってますよ、リーンさん」
こちらフルフロラ、ちょっと下見だけですってば、リーンさん?何で睨むんです、なんかビリビリきますよ、リーンさん?
わかってますよ、リーンさんも行きたいんですよね、一緒に行きましょう、そういえば二人で何かするの初めてですよね、楽しみです。
「まあ、そうだな、ルルは留守を任せていいか?皆を守って欲しい」
「おうリーン、わかった」
「リーフムーンどうしたんだ?」キャッセがよくわからんといった顔をしている。
「フロラと二人で探りを入れてくる、ルルには守りを任せる」
「こんな子供にか?リーフムーンふざけるな」
「私より強いぞ」勝てそうも無い。
「リーフムーンそんな冗談はいいですよ」マルシェも信じていない。
「こんな子供が強いわけ無いだろう」黙っていたリュシオルが憮然とした顔で口を出す。
「そうそう、リーンもオレに勝ったのになんでそんな事言うんだよ、なんかあったら皆になんとかして貰うよ」と、私の手を取りブンブンと左右にふる。
「それになリーン」耳を寄せる様にルルが促す。
「今は地面の中に潜ってるから見つからないし入れないよ」地の底か、安全だな。
「わかった、皆ルルを頼む」
私は、フロラと夜のランクス城下町へ繰り出した。
「リーンさんとデートです」ご機嫌なフロラと私は夜道を歩く、「リーンさん疲れませんか?」「リーンさん月が綺麗ですね」「リーンさん…」私は「ああ」と返事を返しながら進む。
「ここがお城ですか…」月明かりに浮かぶランクス城は不気味に見える。
「塔に明かりか…」煌々と明かりが漏れる塔に私は不自然さを感じる。
「リーンさん、私も光りますか?」どうしてそうなるんだ?
「その松明は仕舞ってくれフロラ」
「とりあえず行ってみるか」私はフロラを抱き上げる。
「え?リーンさん何を」
「抱っこして欲しかったんだろ?」私はフロラを抱え、何も無い空中を踏みしめ塔に登る。
こ、こっこ、「鶏の真似か?」「違います」こちら、フルフロラ、り、リーンさんと空中散歩が始まりました。
なんですか、今日は、ふわふわですよ、足元には月明かりに浮かぶ街並み、ふふふ、私は今最強ですね。
ふふふ、異国の夜景にリーンさん、リーンさんに抱えられ夜空にエスコートされてます、ふふふ…
ま、まあ、肩に担がれているのがなんと言いますか…「すまん、抱き上げたつもりなんだが…」いえ構いません、「そうか」私は最強ですから。
二人きりの夜空の散歩に違いありません、ふふふ…
まあ、なんと言うかフロラはご機嫌な様で良かったが、特に見張りに見つかる事なく塔にある窓に着いた。
「ふむ、中は簡素な部屋だな」
「リーンさん私も見たいです」
言い難いが、私の顔の側にはフロラの臀部がある、フロラがジタバタとしながら訴えるので釣られて動くのがどうしても気になってしまう。
「わかった」
とは言ったがどうするか、私が後ろを向いてもいいが、フロラの臀部を凝視し続けるのは忍びない。
うーむと考え、フロラを抱え直す、両膝と腰を支え、臀部が視界に入らない様にしてみる。
なぜだろう、フロラが私の首に手を回してがっしりとしがみ付く、中を見たかったのでは?
ふふふ…こちらフルフロラです、完璧です、私最強です、もう、ふふふ…
フロラがなんだか思考を停止した様なので放置する事にした。
「押し入って中を押さえるか」フロラの隙をついて肩に抱え直し、窓を開けてみると、すんなりと開く、「あぁぁ…」と呻くフロラを抱えたままに飛び込み、死角を見渡す。
「なんだかリーンさんの方が危ない行動してませんか?」しらん。
ベッドに人影、と違和感がある。
「どなたですか?」か細く怯えた様な声が耳に入る。
「フルフロラと申します」担がれたままフロラが答える。
「私は、レジニアです、ミチュア陛下の偽者としてここにおります、フルフロラ様は私の命をお望みですか?」私は周囲を見やり、気配を探るが、先程からの違和感以外感じない。
「いえいえ、タマさんがお話の場を欲しいそうなので下見に来ました」そういえば中を確認したら別に帰れば良かったな…
「そうでしたか、しかしこの部屋は入り口を封鎖されてますので陛下をお迎えするわけには」
「じゃあ一緒にタマさんの所へ行きましょう」
「よいのですか?陛下に謝罪させていたたいても」謝罪?
「いいですよね、リーンさん」
「ふむ」事態の説明くらいはして貰えるか…「わかった、レジニアを連れていこう」
「よろしくお願いいたします」
あっさりと姿を現したレジニアは、ミチュアに似た白い体毛に思いのほか豊満な身体をしていた、よく言えば健康的な、悪く言えばやや肥満気味である、先程の違和感は出入口が無かったからかと納得する事でレジニアの体型から意識を反らした。
「では帰りましょう」……私が担ぐのか。




