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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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大改築プルミエ砦編11

 翌朝、ミチュアが目覚めると目を見開いた、「あれ?リーフムーン」「おはようミチュア」「おはようございますタマさん」「おはようミチュアの姉ちゃん」同じベッドに四人もいた、リーフムーンは自分を背にベッドに座り、二人はベッドに座るリーフムーンの膝を枕に寝ている。


 よく見ると自分は汚れている、お風呂に入りリーフムーンとフルフロラにキレイにしてもらったのに、起き上がるとリーフムーンの頭からなぜだか自分の臭いがする、あの幸せな木の実をかじってから記憶が無い。


「あの、(ワタクシ)何かしましたか?」恐る恐る聞いてみる。


「タマさんはリーンさんにペロペロしてました」フルフロラが不機嫌そうに教える、そんな覚えなんて無い、「え?」知りませんと言おうと思ったら口の中に異物感を覚える。


 はしたないと思いつつ手を入れると、髪が一本出てきた、目の前のリーフムーンの髪と同じ色だ。

「私そんな…」「気にしなくていい、それより、汚れているから風呂を準備しよう」リーフムーンは二人に下りてくれと退かし、出て行った。


「私なんで汚れて…」「ミチュアの姉ちゃん地べたで丸くなってたからな」ルルが答えてくれる。


 幸せの木の実を食べた、気持ちよくてフラフラするから横になった、思いだしたが、そこまでだった。


「タマさん、リーンさんを食べたらダメですよ」

「えっと…」

 リーフムーンを舐めた…そうかとミチュアは思う。

「フルフロラ、私は食べたいから舐めたのではないの」

「そうなんです?」

「私達は親しみの意味で毛繕いをします、私はたぶんリーフムーンに毛繕いをしたのです」

 マーキングの意味もあるが、言うのはやぶ蛇だろう。


「仲良くしたかったんですか」

「そうです、フルフロラの家族ですから」

 自分は酔った、なら酔った勢いでリーフムーンが欲しかったんだろう、丁寧に洗われて欲しいと思ったんだろう、一緒に寝ようと誘った事を思いだし恥ずかしくなる。


「ならいいんです」

 フルフロラの機嫌はよくなった、自分の恩人はリーフムーンが一番大切な様だ、正直羨ましい、自分には敵しかいなかったから。


「フロラ、リーフムーンの一番はフロラだよ、心配すんな」

「ルルさん…」

「フロラがいないときも、フロラに怒れないか、どう思われるか、って心配してたよ、間違い無い」


 羨ましい関係だ、助けられたとはいえ自分は疎外感を感じる、自分が死んだらアンデッドにしてくれるだろうか?そんな事まで思ってしまう。


「仲がよろしいんですね」

 つい皮肉った言い方をしてしまう。

「タマさんも仲良しです」

 予想外にフルフロラは自分をひしっと抱き締める。

「オレも仲良しになりたいな」

 ルルまで抱きついてくる。


 ………自分は勘違いしているだけかもしれない、アンデッド達はお腹を空かして飢えているのではなく、愛情や親愛に飢えているのではないか?自分も敵だらけの中に愛情や親愛が欲しいと思う。


 もしかしたら同じなのかもしれない、自分に独占欲なんかが有るからこんな風に考えてしまうんだ。


 しばらくして、リーフムーンが風呂の用意ができたと呼びに来てくれた、自分とリーフムーンは前日の汚れを落としに風呂へ移動する。


「毎日ありがとうリーフムーン…」

 自分は汚れてしまった身体をリーフムーンに預け、洗われている。

 いつも侍女に洗わせていたが、リーフムーンの洗い方はまるで遠慮が無い、弟か、妹を洗う様に、悪く言うと雑に洗う、なんというか触り方が無遠慮で、不意に敏感な部位に触れられ身体を強張らせてしまう。


 しかし、その無遠慮なリーフムーンに安心感を得てしまう自分がいる。


「リーフムーン、私の臣下になりませんか、もちろん皆さんと一緒に」

 昨日初めてあったリーフムーンに何を言うのか?自分でもわからなかった。


「……すまない」

 しばし考えてくれたリーフムーンは、やはり断ってきた、もちろん私がすべてを失い、何も無いから断る彼女では無いだろう。


「聞いてみただけです」

 気を悪くされない様に冗談めかして悪戯っぽく言う、私は知っている、リーフムーンはいつも気を張っていて、不遜な態度を被せているが、繊細な事を。


「気にしないでリーフムーン、あ、(ワタシ)も背中流してあげるね」

 自然に口調が砕けた、もういいか、ここにいる時は砕けたままでいよう、私は自由なんだから。


「リーフムーン、私の臭いがするね」

「まあ、昨日は凄かったからな」

「酔ってただけだよ、ゴメンね」

「気にしないでいい」

「わかった」

 なんとなく甘えたくなり、リーフムーンの背中に身体を押し付けマーキングする、体毛の無い彼女なら、絡まる事なく濡れたままでできた。


 身体を預けてもリーフムーンは何も言わない、されるがままになっている。


「リーンさんタマさん私も…」

 フルフロラが入ってきた。


「何してるんです二人とも」

 不機嫌な気配がフルフロラから出ている。


「洗いっこよフルフロラ」


「タマさん?」

 砕けた口調にフルフロラは出鼻を挫かれた様に不機嫌さが霧散する。


「今度はフルフロラね」

「そうだな、ミチュアは凄いぞ」

「え?あの、私触られるの苦手なんですが、あれ?」

 リーフムーンと二人でフルフロラを洗う、彼女は無抵抗に洗われていた、ミチュアが背中に身体を押し付けて洗ったときは、声にならないといった感じで呻いていた。


 さて、ミチュアと二人でフロラの身体を洗ったわけだが、フロラがこんなにも敏感だったとは知らなかった、なにやらリーンさんに続いてタマさんにも完全敗北しましたと聞こえくる。


 あとどれ程の関係でいられるかわからないが、ミチュアが打ち解けてくれたようでよかったと私は思う。


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