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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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大改築プルミエ砦編7

「汚れただろうから使うといい」私はリシェスを風呂に案内した、問題はグルダンが使っていた事だが…


「た、隊長、覗いたのは謝ったじゃないですか」グルダンはイソイソと湯船に逃げ込む。


「ふむ、すまん、こんな時間に使うとは思ってなくてな」ポリポリと頭を掻いてごまかす。

「どうせリーフムーンさんの残り湯を堪能してたんでしょ」リシェスは毒を吐く。


「……すぐにでやすんで出てって下さいよ」おっとそうだった。


「すまなかったな」振り返って謝ると何やらリシェスが固まっている。


「あ、あんとき豚から助けてくれた人だ」おい、今は止めてやれよ、かなり赤面してるぞ。


「あんときの姉ちゃんか、いいから一回みんな出てくださいよ」なかなか恥ずかしがりな一面が見られたな。


「どうやら二人は顔見知りのようだな」リシェスも風呂を使った、仕事柄なかなか風呂にも入れない様でなかなか出てこなかったから何度か様子を見に行った、「うぅぇぇい」と極楽そうに湯船に浸かったのを見てしまい何も言わずに立ち去った、二回目は陽気に歌っていた、以下略する。


「そうそう、コションとかいう豚に見つかってクソ親父に私を売れって、クソ貴族の価値なしが偉そうに、こっちだって家名くらいあるのに、あのクソ豚殺して下さいよ」話より愚痴が長いんだが…


「まあ、上手いこと酒やなんやで釣れたんで、適当に逃がしてやりましたよ」そういうことらしい。


「まあ、ここに出入りしている行商人で間違いはないのか」


「こいつらに捕まえた奴らを売り捌くルートを探させてやしたからね」

「え?私知らないんだけど、クソ親父黙ってやがったな」


「リシェス、落ち着け」グルダンが何か言いたそうにしている、目をあわせると。


「いえね、姉ちゃんで脅して探させるように提案した奴がいやしてね」

「お前か?」

「違いやすよ、元隊長ですよ」誰だ?

「そうか、知らない奴だな」

「隊長が殴った奴は知らない奴なんですね」

「アッハ、リーフムーンさんいい性格してんなあ」私か、なんでだ?


「しらんもんはしらん」私は腕を組む。


「まあ次回は奴を尋問すればいいか」

「私は疑わないの?」

「姉ちゃんどんだけ肝が座ってんだよ」


「わかった、尋問しようか」

「へ?」

「はい、リーンさん私達に任せて下さい」黙って乾燥した果物をモグモグと食べていたフロラが立ち上がる、達?


「リーンさんは逃げない様に手を押さえて下さいね」何するんだ?擽るのか?


「傷は付けるなよ」リシェスを捕まえる。


「え、なに、冗談よね、嘘」私は冗談のつもりだったが。


「では皆さんやりますよ」いつのまにか蜘蛛が四匹集まってきた、そして硬直するリシェスの足を四匹の蜘蛛が登り始める。


 ヨジヨジと無機質な四十の目がリシェスの引きつる顔を見据えて進む。


「いや、いやぁぁぁぁ、くるな、くるな、くるな、くるな、あぁぁぁぁぁ、クソ女が、放せ、放せ、放せ」蜘蛛達がリシェスをよじ登る。


 なんと言うか私には罵声が堪える。




 此方フルフロラ、蜘蛛さん達のカッコよさは無敵です、あの動き、あのフォルム、たまりません。

 リーンさんもそう思いませんか?




 フロラ…悪いが思わない、どう見ても食わそうとしてるように見えるんだが。


「さあ、なんか話すのです」なんだよその尋問は。


「知るか、ぎゃぁぁぁ、クソ女が、放せ、放せ、放せ、後で覚えとけよ、絶対ぶん殴るからなぁぁぁ」しかしリシェスは余裕があるな。


 私はしのびないのでリシェスから蜘蛛達を退けてやった。


「すまないリシェス、私は冗談のつもりだったんだ」謝ってみた。


「そうなんですかリーンさん」悪のりじゃなかったのか。


 リシェスはゼイゼイと荒い呼吸を落ち着けようと酸素を取り入れる。


「すまないなフロラ、つい」言ってしまったんだ。


 私の胸ぐらが掴まれる、「ふざけんなぁ漏らすかと思っただろう」暴れるリシェスを見て笑みが溢れる。


「なに笑ってだリーフムーン、てめえの冗談で食われかけたわ」


「すまないリシェス、なんだかリシェスが人間臭くてな」


「臭いってどういうことだ、臭いって、てめえらはアンデッド臭えだろうが」グルダンは完全に引いている、フロラからはよくありますよねー、と感じる。


「ホントにすまない、リシェス許してくれ」再三謝ると、リシェスが我に返り、青い顔をする。


「あ……すいません、命だけは、私はウォリー商会を大きくする夢が」私の方こそと思っていると。


「リーンどうした?」

「リーフムーンどうしました?」リシェスの騒ぎを聞いてルルとミチュアが来てしまった。


「騒いですまなかった」二人には謝っておく。


「獣人さんもいるんですね」

「なりゆきでな」

「ミチュアと申します」

「オレはルルだ」

「子供まで」リシェスは私にジト目を向ける。


「リシェス」私はそれを無視して念押ししておく。

「なんです?」


「ミチュアについてだが、口外するな、下手なところに聞かれたら確実に死ぬまで拷問されるぞ」半眼で疑わしそうに見てくる。


「そうですね、私については秘匿していただきたいですね」


「訳を聞いても?」


「責任はとれんぞ」


「あ、フロラなに食べてんだ?」

「乾燥果物です、ルルさんもどうぞ」

「オレ初めて食べるな」


 真面目な話をしているんだが…


「あんな蜘蛛けしかける連中が情報くらい出し惜しみしないでよクソ」


「あらあら、リーフムーン、よろしいですか?」


「ミチュアの好きにしてくれ」


「はい、リシェス様私はミチュア・タマ・ランクスと申します」


「………クソ女どもがぁぁぁぁ、そんなに私を殺したいかぁぁ、こんな情報持っただけで殺されるだろうが、一商人になんて事喋ってんだぁぁぁぁぁ」自分で言ったんだろうが。


「この姉ちゃんうるせえな」ルルがモグモグと乾燥果物を食べながら言う。


「にぎやかですねぇ」フロラもまたモグモグやっている。


「あらあら」ミチュアはなんだか楽しそうだ。


「まあ、帰りくらい送るから」私は狂った様に叫ぶリシェスの肩をポンポンと叩いた。

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