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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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獣の国のフルフロラ編4

「フルフロラのおかげで楽に捕らえられま…し…」


「どうしたふ…た…」


 皆さん私を見て固まってます、何でしょう?蜘蛛さんは肩でウゴウゴとウサギさんを狙ってますし、ウサギさんはまだビクビクしてます。


 どうしたんでしょうか、ちなみに蜘蛛さんは人の頭くらいの身体に脚がワサワサで毛深い感じですね、巨大なタランチュラが解りやすいですかね、解ってますよ、ウサギさんですね。


 私は、ウサギさんの頭をストンと落とし、蜘蛛さんにあげます、少年にウサギさんの足を持ってもらい、血抜きをします、蜘蛛さんはコリコリと音をたてながらウサギさんの頭を骨ごとかじってます、リスがドングリを食べる感じですかね、静寂が支配する森林でコリコリと蜘蛛さんの食事が続きます。


「お、お前らは、悪さしないように、は、反省させる」キャッセさんお仕置きですか?


「へ、へえ、や、やれるもんならやってみやがれ」解りました。


 そんな事よりフルフロラの連れてきた魔物に注目が続く、あいつは、大型の親が連れている子供のはず、森でかなりの危険な魔物でエサを投げて逃げるのが一番の安全と言われている。


 キャッセ、マルシェはもとより、盗賊も知っている、リュシオルは知らないが、危ないのは見たら解る。


 何でフルフロラはウゴウゴと足を動かす蜘蛛を持っているのだろう、骨まで噛み砕く魔物を持ち上げる意味が解らないと、キャッセとマルシェは思った。


「さあ、お仕置きです、蜘蛛さんに任せます」私は縛られた盗賊のお腹に蜘蛛さんをソッと置きます。


「イャーー、ヤメテ、許して、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」盗賊がヨジヨジと迫る蜘蛛さんのカッコいい姿に、悲鳴をあげます。


 お仲間さんは青い顔で目を背けます、蜘蛛さんが顔に向かってヨジヨジと昇るとビクンビクンと蜘蛛さんを乗せた盗賊は仰け反り、お尻の下に水溜まりを作ります、私は蜘蛛さんが盗賊の顔に幾つもの視線を向けたあたりで蜘蛛さんの身体を持ち上げ、肩に置きます。


「蜘蛛さんのカッコよさに反省しましたか」ドャァです。


 正直、よくわからないとキャッセ、マルシェは思っていたが、盗賊達はウンウンと頷く。


「もう逃がしてやるか」

「そうですね」


 キャッセさんとマルシェさんに縄を解かれた盗賊は水溜まりを残して逃げました。


「あ、ああ…」あれ?蜘蛛さんが少年の持つウサギさんに興味津々ですね、少年は後退ります。


「はいはい、捌きますから待ってて下さい」私は少年からウサギさんを受け取りササッと皮を剥ぎます、骨と内臓を棄てようかと端に置くと、蜘蛛さんはそれに口をつけます、美味しいです?


「あの、フルフロラ、そいつどうしたんだ?」キャッセさんはおずおずといった感じで聞いてきます。


「ウサギさんを捕まえたら付いてきました、カッコいいですよね」


「そうか、魔物だし野生に帰してくれるよな」なんだか慎重な物言いに聞こえますね。


「そりゃあそうですよ、別に飼いたいとか思ってませんし」…リーンさんに聞いてからにしますよ、もちろん。


「なら、いいんだ」キャッセさんは、それを聞いてなんだか安堵していました。


 皆でお肉を食べて、蜘蛛さんにお別れを告げてから進みます、そろそろ日暮れに近くなった辺りで小さなログハウスが有りました。


「ここで一晩すごしますね」マルシェさん曰く、夜は危険な魔物が増えるため、森林には何ヵ所も休める場所があるそうです。


「一息つけるな」口数が少なかった少年は、疲労の色が濃いですね、キャッセさんとマルシェさんは薪を集めに行きました。


「なあ、フルフロラ」

「なんです?」少年から声をかけられるのは珍しいですね。

「俺の名前は覚えてくれないのか」

「はい」リュ…なんでした?

「どうしてだろうか?嫌われているのか」

「いいえ、ただ小さい子は覚えにくいんですよね」

「どういう意味だ?」

「覚えてもすぐに死んじゃいますからね、男の人と子供は特にですね」過去の記憶が朧気にチラつきます、私が見ると、豚が女性を犯しながら、死体の山を背に……殺しても殺しても殺しても殺しても殺しても殺しても、豚が居なくなりません、何十年、何百年経っても、リーンさんが砦から出てきた時も側にもオーク亜種がいましたね、気配で解りました、あの時は縛られてましたから食料とか思いましたが、こんな気分になると、豚を思い出してしまいます。


「そ、そうか、俺は死なない様にしたいな」少年は黙ります。


 嫌な気分ですね、リーンさんに合いたいですね。


 キャッセさんとマルシェさんが帰ってきました、「フルフロラ元気ないな」「フルフロラどうしました?」私元気無いです?


「すまない、いらない事を聞いたみたいだ」少年が言いますが違いますよ、別に悪くありませんよ。


「そうか、フルフロラ、何かあったら聞こう、話したく無かったら別にいい、マルシェでも触っててくれ」そうですね。


「少し昔の事を思い出してしまいまして」

「ほう」

「私は触られるんですね」はい、もちろんサワサワします。


「私がお世話になってた村がありまして、まあ、私がいない時にだいたい殺されたんですよ、まだ生きてたのは犯されてた女性だけで、それからはなんだか名前を覚えるのは苦手なんです」


「フルフロラが時々苛烈に感じるのはそういう事か」

「呪いみたいですね」

「すまなかったフルフロラ」


 皆さんに気を使わせて、なんだか申し訳ないですね、トカゲさんも食べますか。


「おや?」燻製にしたお肉をスライスしていて、気配に振り返ると蜘蛛さんがいました、四匹です、食いしんぼさんですね。


 お肉をあげると、喜んで食べ、ヨジヨジと登ってきます、遊びたいんですかね?


 そう思いましたが、背中でジッとしています、ああ、もうすぐ夜ですからね、おねむですか、解りました、一緒に寝ましょう。


 なぜか、小屋に入ったら皆さんが顔を青くしていましたが、私は蜘蛛さん達が潰れない様にうつ伏せで寝ました。

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