獣の国のフルフロラ編3
朝です、私はぼんやりと起き上がり、回りを見ます、ナーレさんが寝たまま伸びをしています、少年はマルシェさんが抱えていますね、キャッセさんは少し前に出て行きました。
やることも無さそうなので、私も外に出ます、キャッセさんが素振りをしていました。
私に気がつくと、「昨日はすまなかった」と、謝罪をします、よくありますから、と気にしていない事を伝えます。
キャッセさんは真面目ですね、「私は森を見て来ますね」お散歩しましょう、「護衛しようか?」「ただのお散歩ですよ、ご飯までには帰りますから」私はキャッセさんを残し森林へテクテク歩きます。
「おい、一人で森に入るのはあぶねえぞ姉ちゃん」森に入ってしばし、ボサボサの髪に薄水色の大きな目をしたしょうね…いや、女の子ですね、地面からニュって出てきましたけど柔らかいんです?
私は彼女の足元をパンパン叩いて見ます、硬いですね、あ、いきなり近づいたから驚いてます、「いや、姉ちゃん別に地面が柔らかいからオレが出てきた訳じゃ…」そうですか、立ち上がります。
「ま、まあ気にするなよ姉ちゃん」「そうですね」私はパンパンと膝についた土を払い、彼女を見ます。
「昨日辺りからリザードマンが増えたし、他の魔物も警戒心が高ぶってるからな、食われちまうぞ」両手を上げてガオーってポーズをします。
「それはご心配ありがとうございます」
「そういえば姉ちゃん、ここの近くの砦の事知らねえか?オレ兵士になりたいんだけど誰も話を聞いてくれないんだ」しかし、自分の事ばかり話しますね、まあ子供ですからね。
「そうなんですか、近くの砦はトカゲさんにやられてほねさん達…」
「プルミエが陥落か、オレが安全にしてやったら兵士になれるかな?」最後までききませんか?
「それは解りませんリー…」
「じゃあな姉ちゃんオレは行くから気ぃつけろよ」あの最後まで…
リーンさんに聞いてみたらと思いましたが、まあリーンさんがきっと変わりになんとかしてくれるでしょう、でも地面にニュルって入っていきましたね、パンパン、硬いですね。
そろそろ帰りますか、方向が解りませんね…と見回すとほねさんが指差しで教えてくれます、最近皆さんなんか自由過ぎません?指示して無いのに手伝ってくれますね、リーンさんが何か言ってくれたんですかね、まあ、解りませんのでとりあえず帰りますか。
と、教えて貰った方向へ歩いていたら昨日の集落へ帰れました。
「フルフロラお姉ちゃん遅かったね」ナーレさんがパタパタと走ってきます。
「お散歩してました」ナーレさんが、ご飯一緒に食べようと引っ張ります。
「フルフロラお帰りなさい」マルシェさんが朝食の準備をしてくれていました、キャッセさんと少年はもう食べ終わったみたいですね。
食事が終わると出発の準備をします、ナーレさんはまた寂しくなるのが解っているみたいでマルシェさんの後ろにベッタリついて歩いたり、私の背中に貼り付いて髪を弄ったりしています。
そういえばリーンさんも私の髪を撫でるのが好きでしたね、今度は私が撫で撫でしましょう。
そして、私達は森林の前でナーレさんや、老年の猫耳さん達に見送られ、数日に渡る森林の中の移動を始めました。
「私達はランクスの森またはランクス森林地帯と呼んでいる」キャッセさんが辛うじて整備されている道を歩きながら説明してくれます。
「国の側にありますから国の名前を使って呼んでいるだけですけどね」マルシェさんが補足的に言います。
流石にチャリオットは入れませんので移動に時間がかかりますね、まあ、皆さんはチャリオットを見て嫌な顔をするようになりましたが、私もガタガタであんまり好きでは無いですね。
疲れた様子の少年に合わせたペースでテクテクと四人で歩きます。
静かですね、小動物の気配や鳥の鳴き声に、背の高い木の葉の擦れる音がなんだかよく聞こえる気がします。
皆さんも疲れてきたのか口数は少なくなり、黙々と歩きます、今日のご飯は何を食べましょうか。
ガサリっと草深い所が揺れて少年がビクリとキャッセさんとマルシェさんがキッと警戒心を顕にします。
ウサギさんが跳び跳ね出て行きました、私は追いかけます、ウサギさんのお肉ー
「え?」「フルフロラ」「オイ」など聞こえましたが、すぐに戻りますと、ウサギさんをキャッチ、すると皆さんの方から喧騒が聞こえます、どうやら身ぐるみを置いていけなど、汚い声が聞こえますね、盗賊ですか、おや?足元に蜘蛛さんがいました、カッコいいですね、ヨジヨジと登ってきます、ウサギさん一緒に食べたいんですかね、後にしましょう、私はビクビク動くウサギさんと肩までヨジヨジ登ってきた蜘蛛さんを連れて皆さんの元に戻りました。
「なんだ人間の女がいるじ…ゃ…」盗賊らしい人が五人ほど、私を見て硬直してしまいました、隙だらけになった盗賊は少年が足を凍らせ、キャッセさんとマルシェさんがテキパキ縛りました、なれてますね。
「なにかわからんがフルフロラ助かっ…た…」




