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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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獣の国のフルフロラ編2

 さて、手足はぶつ切りにしてお鍋にお水とあ、「井戸水貸してください」ほねさんが近付くと道ができます、これはスープにします、骨は贅沢に脊椎だけ使い、リッチに仕上げます。


 ほねさんが、カツカツと顎を上下に打ち鳴らして、騒いでますが、気にしませんよ、お塩に香辛料、後はゆっくり煮込むだけです。


 メインは厳つい胸肉をスライスして、お塩と香辛料を馴染ませて休ませます、グルたんさんがやってました、なんでです?って聞いたら臭み消しと、味を染み込ませるんだそうです、私も使わせて貰いますよ。


「あの、ネクロマンサー(死霊使い)様、助けていただきありがとうございました、もし宜しければ先程のご無礼お許しいただきたいのですが」老年な猫耳さんが深々と謝罪して、頭を地面に付けます、確か土下座の一番軽いタイプですね、焼いた鉄板や割れたガラスが中くらいで、底無し沼でやらされるのが処刑の一つだったかと。


 チラリと視線を送ります、微動だにしませんね、誠意を感じる土下座です、「別に構いませんよ、お肉も手にに入りましたし」私の言葉に安堵して下がります。


 さて、他の部位はほどほどに切り分け、多めのお塩と香辛料で保存が効くようにします。


 あらかた仕込みが終わり、スープの灰汁を取っていると、マルシェさんと小さいマルシェさんが来ました。


「フルフロラ、ナーレを、妹を助けてくれたそうでありがとうございます」マルシェさんが頭を下げます。


「いえいえ」モフモフさんがご飯にされるなんてとんでも無いです、私がモフモフできなくなるじゃ無いですか。


「フルフロラお姉ちゃんありがと」小さいマルシェさんもといナーレさんもマルシェさんと手を繋ぎ嬉しそうにしています。


「あの、それでフルフロラはなんで料理をしているんです?」

「お肉が手に入りましたから」

「リザードマン食べるの?」ナーレさんは怖かった記憶を思い出したのか尻尾の毛が逆立ってパンパンに膨れています。


 サワサワと膨れた尻尾に手を伸ばし、「美味しいですよ、皆で食べましょう」と言います、ナーレさんは初めは尻尾を触られて嫌そうでしたが、だんだんと膨らみが収まりフサフサの尻尾に戻ります。


「少し煮込みが甘いですが」スープを汲んでナーレさんにあげます、マルシェさんは何やら言いたげでしたが、ナーレさんに「無理しなくてもいい」と囁いています、私も味見がてらに一杯啜ると、脊椎の濃厚なダシが口の中を満たします。


 さあ、焼きますよ、鉄板が用意され、ほねさんが魔法で加熱してくれます、油を馴染ませ、私の顔くらいあるステーキをジュワっと鉄板に乗せます。


 スープを飲み終わったナーレさんが私の側にピタッと寄り添い、「美味しかった、それも美味しいの」可愛らしく聞いてきます、「もうすぐ火が通りますよ、一緒に食べましょう」と言うと「うん」と返事が帰ってきます。


 セイッと包丁で裏返し、しばし、一口サイズに切り分け、ナーレさんが大事に持っているスープの器にのせてあげます。


 私も一口、うん、馴染んだお塩と香辛料が程よく、軽く水分が抜けて身が締まったお肉は程よい噛みごたえでムチムチしています、「……」ナーレさんは一心不乱に手づかみでお肉を口に運びます。


「そういえばキャッセさんと少年はどうしてます?」マルシェさんの方を向いて聞いてみます。


「説明を皆にしています」

「ふんふん、私はどうしましょう」ナーレさんにお肉のおかわりを焼きながらマルシェさんに聞いてみます。


「フルフロラは好きにして下さい、私とキャッセでまとめておきます」

「わかりました、マルシェさん、ついでにご飯を振る舞うのを手伝って下さい」

「わたしも手伝う」


 マルシェさんとナーレさんと三人でスープとお肉を振る舞いました、猫耳さん達は一口食べたら無心で平らげました。


 しばらくして、猫耳さん達の一部の地域でリザードマンが寄り付かない地域が生まれた事を私は知りません。


「フルフロラ終わった」キャッセさんが少年をつれてやってきました、集落の被害はほとんど無く、国へ報告に行った人はまだ二、三日は距離的に帰らないみたいです。 事態の早期解決に私達はやはり国まで行くみたいです。


「森林は迂回したいが時間がかかる、魔物や盗賊も出るが通るしかない」そうですよね、モフモフの国早く見たいですし。


「ここに一晩泊まり、明日の朝にでよう」そうですよね、モフモフしないといけませんし、私もお肉を加工して非常食にしたいですし。


 こうして燻製の煙が立ち上るなか日が暮れていきました。


 その夜、ちょっとした宴がありました、キャッセさんとマルシェさんが無事に帰ってきたからでしょう、私のお肉を猫耳さん達がジッと見ています、ナーレさんが、「それも美味しいの?」ってクイクイと私のローブを引っ張ります、しかたないですね、燻製を一部猫耳さん達に提供しました。


「なあ、フルフロラ」少年が肉の奪い合いから逃げる様にこちらに来ます。


「ここに来てからしばらく記憶が無いんだが何かあったのか?皆なにかよそよそしい気がする」私はお肉を頬張るナーレさんを膝に乗せ柔らかいお腹の毛をなでなでしながら


「トカゲさんがこの子を食べようとしてたから、皆でトカゲさんを食べました」今も食べてますが。


「んん、解りかねる」少年は今一つな感じです。


「フルフロラ、一人で集落に入ったんだよな、何も無かったのか」来て直ぐです?


 キャッセさんとマルシェさんも気になってたのか側に来ました。


「確か、何者だって聞かれて、フルフロラですって答えて、目的はあなたたちって言いましたね」少年が頭を抱えます、頭痛ですか?


「フルフロラ、そのあと何もありませんでしたか」マルシェさんが少し焦って聞いてきます。


「弓を射たれましたね、この化け物がって、まあよくありますよ」キャッセさんがスッと立ち上がり、ムキムキな猫耳さんの胸ぐらを掴み、殴り飛ばしました。


「私らの命の恩人に弓を射かけるなど、貴様ら、ふざけるな」マルシェさんが、キャッセがキレたって言い、尻尾を太くしています、少年は目を見開いてなんだかブルブルしてますね、ナーレさんは私の頭を撫でてます、別に痛く無いですよ、もう死ねませんし。


 キャッセさんがムキムキ猫耳さんをボコボコにした辺りでマルシェさんに止められて、お開きになりました。



 夜はナーレさんと一緒に寝ます、柔らかいお腹の毛をなでなでしているとナーレさんはくすぐったそうに身体を回転させ、触らせない様に引っ付いてきます、こちらはどうです?と、耳裏や尻尾の付け根をサワサワと、ピクンピクンと敏感そうに反応してます。


 なんだか眠そうな気配がするので優しく背中を撫でていると、寝息が聞こえてきます、ホントに食べられ無くて良かったですね。


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