獣の国のフルフロラ編1
私達は四人、東の森林地帯の近くに来ました、どうもフルフロラです、私達の村からなら二、三日、砦から二日くらい、東というより北東方向でしたね、キャッセさんとマルシェさんが襲われた集落を確認されるそうで、向かってます。
付き添いの少年はリュなんとかと言います、青い顔で虚ろに遠くを見ていますね、モフモフの国へ行くのが不安なんでしょう、人間の襲撃事件の責任で処刑されるかも知れませし、仕方ないでしょう。
耳かけ、鍵尻尾のキャッセさんは数日ぶりに無事に帰るのが嬉しいのか、遠くを見て薄く涙を浮かべていますね、ヨシヨシと背中を撫でると、「ありがとう」小さな声でお礼を言います、でも目は遠くを見ています。
フサフサ系尻尾のマルシェさんは、目をつぶり、ジッと座っています、眠いんですかね?
時折ビクッと胸元が膨らんだりしますが、どんな夢を見ているんでしょうかね。
ガコンと首なし馬が引くチャリオットが石でも踏んだのか大きく揺れます、皆さんから「うっ」「無理」「んんー」など声が漏れます、相変わらず乗り心地は悪いですね、現在業者ほねさんしか出していないので、チャリオットの中は広く、四人で寝るのも余裕です、あれ?寝ていたマルシェさんが後ろを見ています、乗り心地は悪いですがなかなかスピードが出ますからね、そういう、後ろから来る景色も楽しいでしょう。
スピードが出るから集落まで徒歩二日の予定が半日くらいで済みそうですね、時は金なりとか言いますが、リーンさんとまだまともに寝てないのが気がかりですね、お風呂も二人きりで入ってませんし、あんなにも、私を受け入れてくれたリーンさん、私も頑張りますよ、早く安全そうな場所を見つけてリーンさんに誉めて貰わないと、はあ、まだお友達になって数日なのに、なんでこんなに離れたら寂しいんですかね。
「なにか見えてきました」私の視線の先には、ご飯の支度でしょうか、煙が上がっています、あ、チャリオットに気がついた、あれ?なんだかたくさん集まってます、お出迎えしてくれるんですかね、キャッセさんと少年は虚ろに遠くを見ています、だいぶ近いですがまだ見えませんかね?私は猫耳まで見えますが。
集落から少し離してチャリオットが止まります、三人は虚ろな顔でぼぅっとしています、小さな集落で百人はいないでしょう、私の村も変わりませんが、性質上少年と少女と女性がほとんどですが、ここはバランスよく老若男女いますね。
集まってきますね、降りましょう。
「何者だ、何しに来た」槍や剣が向けられます。
「フルフロラと言います、目的は、あなた達ですかね」キャッセさんとマルシェさんが見にきたいって来ましたから間違い無いですよ。
「クソ、また襲撃だ、殺せ、キャッセとマルシェの弔いだ」殺気立つモフモフさん達…
容赦無く弓が飛んできてカンカンと弾かれ足元に落ちます。
「どうしましょう」私はバリア状に魔力を纏ってますからある程度は効かないんですが、そういえばリーンさんは生身で私を押し倒しましたね、どうやったか今度聞いてみましょう。
「化け物だ、女子供を早く逃がせ」しかしあの猫耳さんムキムキですね、体毛があるのにムキムキが解るなんて、なんてムキムキなんでしょう、夢に出そうなんですが、出ませんよね。
遠巻きに猫耳さん達は弓を放ちます、カンカン、カンカンとしつこいですね、しかし飽きましたね。
「もう、やめません?」一応聞いてみます、距離を取られました。
「うーん」今チャリオットに戻ると流れ弾が危ないですし、三人とも止まったら横になって動きませんし、そういえばマルシェさんは昨日寝させませんでしたしお疲れでしょう。
とりあえず新しいモフモフを楽しみますか、私が一歩踏み出すと奥から悲鳴が、リザードマンだそうです。
私は周りが固まる中、走ります、騒ぎに駆けつけると、小さいモフモフさんが脚を捕まれ、食べられそうです、それは私のモフモフですよトカゲさん、グシャリと腕を握り潰したかったんですが太かったんで握り千切る感じになりました、小さいモフモフさんは私がキャッチします。
「ふふふ」後でモフりましょう、なんだかビックリして固まってますね、とりあえず五月蝿いトカゲさんの首を前にグルたんさんに貸した包丁で落とします、そういえば返してもらってませんね、まあ、あげましょう。
「あ、ひぃ」小さいモフモフさんは怯えてますね、ああ、まだトカゲさんいましたか、私は優しくモフモフさんを降ろして、作業の様にトカゲさんの首を落とします、今日もお肉ですね。
グルたんさんがいないので自分でやりますか、トカゲ肉は七体分、皮を剥いで逆さに吊るします、近くの森の木にと、思いましたが、ほねさん達がいい感じの吊るし台を用意してくれました。
血抜きをセットし終わると、小さいモフモフさんが近くに来ました。
「あの、助けてくれてありがと」かわいらしいですね、「どういたしまして」あれ?「あなたマルシェさんに似てますね」フカフカした尻尾に毛色、小さいマルシェさんみたいですね。
「お姉ちゃんを知ってるの?捕まったって聞いたのに」小さいマルシェさんが涙目でさらに近くに来ます。
「はい、一緒に来ましたんで、あのチャリオットに居ますよ」集落の入り口方面に見えるチャリオットを指差します。
「行ってもいい?」
「もちろんです、私は仕込みをしてますんで」バイバイと手を振る小さいマルシェさんに同じくバイバイと手を振り、いつの間にか用意された台でお肉の解体をするのでした。




