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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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閑話 リーフムーンは眠らない

「兄さん達の様子を見てくる」私はそう告げ、闇の中を走る。


 魔力の増加からか、今までとは比べ物にならない速度で移動ができる。


 半日の工程が一刻ほどで済んだ、私はまだ舞い上がっているのだろうか?忘れた感情であろう高揚感を覚える。


「リーフムーンどうだった?」キャナが出迎えてくれた。


 肌の色が闇夜に紛れ、軽鎧と髪が松明の光に浮き上がって見える。


「制圧完了及び今回の犯人は死亡、ここを移動するか城塞とするか検討している」「速すぎないか?」キャナは呆れた様子だ。


「そうか?私はフロラだけでも十分だった思っていたが、攻められていたときは生きた心地がしなかったからな」

「そんなに凄いのか?何時もフルフロラに任せて逃げていたから知らなかった」

「壁を素手で破壊可能な軍勢が永遠と疲労も無く攻めて来るんだぞ、よく士気が持ったもんだ、被害も無視して攻めて来られるなど正気で居るのがやっとだったさ」

「それをリーフムーンが使うか…世界でも征服するのか?」

「そんな事をしても変わらないさ、人は、知恵ある者は自分を満たす為に何でもする」

「私もか?」

「立場が変わればそうかもな…私にしては少し話し過ぎたか」

「そうなのか?」

「解らん、立場が変わったからかな」柄にもなくフフッと笑みが溢れる。


「そういえば兄さんは」「カルムー」「まて、アルエ少し落ち着いて」「あんな感じだ」やれやれと肩を竦める。


「あ、隊長ーこっちは異常無しですぜ」元襲撃者の一人が近づいて来る。


「そうか」言動以外は真面目にしている様子だった。


「しかし、何で俺らに守備を任したんで?裏切られるとか思わなかったんですか、いまいち解んねぇんですが」

「襲撃したなら下調べぐらいしてあっただろ」

「そりゃあ」

「なら守備が弱い所が解るんだから守る場所も解るだろう」

「そういや皆テキパキ配置についてやしたね」

「裏切りは…そんな感情湧かないだろ?私は心臓を潰されたんだぞ」

「リーフムーン本当なのか?」

「隊長、死んでたんっすね」

「そうだ」


 二人にまとめて肯定する。


「引き続き頼む、キャナは無理するな」

「隊長俺らは?」

「休みなく働け」

「へーい…まあ疲れない身体になりやしたからね」

「そういう事だ」


 二人と別れ、私はゆっくり村を見て回る、ほとんど寝ているのか静かなものだ。


 しばらく歩いてみると見覚えがある子供イールが自分の住まいの近くでキョロキョロと辺りを見ていた、私に気が付くと走ってくる。


「……」そのまま抱き付いてきた、なつかれたものだと、頭を撫でながら「様子を見に帰ってきたぞ」と告げる。


「……」しばらく撫でていると、手を取り、裏手に連れて行かれた。


 イールは玩具の木剣を取り出し、構える、「遊んで欲しいのか?」私はそこらに木の棒でも無いか探していると、イールは首をブンブンと横に振る。


「ふむ、鍛えて欲しいのか?」尋ねると縦に首を振る、「そうか、私は厳しいぞ」言うや、イールが木剣を振りかぶり殴り掛かって来る。


「待て」私は木剣を掴み止め、諭す様に目を合わせる。


「そんなものでは遊びと変わらん、これを使え」私は、回収しておいた短剣を異空間から取り出す、混じった影響かフロラに近い事なら多少真似が出来る様になった、便利なものだ。


「…!」イールは初めての刃物に目を見開いて硬直している、「刃を潰さない様に真っ直ぐ鞘から引き抜け」恐る恐る短剣を引き抜くと、上質とは言えないが白刃が月に反射し、やや青ざめた様子のイールを映す。


「まずは素振りからだ、下手に振り回したら自分や仲間が傷付くぞ」握りをしっかりと教え、上段から素振りをさせる。


「武器に振り回されるな、お前が振るんだ」アドバイスをしつつも、イールが短剣を投げてしまわないか心配だったが、不要だった。


「よし、毎日やっておけ」イールはコクンと頷く、「では、相手をしよう」私はもう一本短剣を取り出し、右手で半身に構える、兄さんに近いかなと後から思う。


「……」イールは、人に刃物を向ける恐怖からか、真っ青になる、「そうだ、それで良い、怖い物だろう?止めるか?」イールはブンブンと首を横に振る。


「………」息を整えイールは上段に構える、目をつぶり、ガムシャラに降り下ろす。


 ドッ…と刃がリーフムーンの右足に食い込む、「…!」目を開いたイールが泣きながら短剣を抜く…


 血も出ないか、と思いつつ、泣いているイールに声を掛ける。


「どうだ、人を切るのは、怖いだろう?」イールが泣きながら頷く、「例え守る為でもこんな事をするんだ、よく考えろ、傷付く事、傷付ける事、殺す事、殺される事、守る事、守りきれない事」優しく頭を撫で、抱き寄せる。


「全部飲み込めたら相手をしよう、出来なければ私が刃を受けよう、遊びでは無いからな」そっとイールを放し、しっかりと立たせる。


「それから、私はもう死んだ身体なんでな、傷は気にしなくて良いぞ」と、すでに再生した傷口を見せる。


「……」イールはそれを優しく撫で、泣き止んだ、「剣はやる、玩具にするなよ」イールは頷く。


 そのままイールを家に送り、不備がないか確認して回った。


「さて、兄さんの様子は…」見回す、「やっと寝てくれたか」と言いながら歩いて来る。


「兄さん」向こうが気付いたあたりで声を掛ける。

「リーンか、キャナから聞いたがもう終わったのか」

「ああ、リザードマンに襲撃されていたからな、ほとんど終わってたよ」

「リザードマンが襲撃だと?」

「あちこちに手を出していたらしい、獣人も捕まっていた」

「チッ、奴隷集めか」

「みたいだな、下らない連中だったよ」

「犯人を突き出すんなら手伝うぞ」

「もう死んださ」

「なぜ殺す、それではまた繰り返すだろう、いつまでも終わらない」吐き捨てる様に兄さんは言った。

「突き出しても変わらないさ、変えていかないと変わらない」

「意味が解らん」

「意味など要らない、まあ意味が無いか」

「つまり?」冷静に話を聞くようになったものだ。

「兄さんがアルエに変えて貰ったみたいにしないと何も変わらないってことだ、今までの兄さんならこんなに話を聞かなかった」

「そうだな、あんなにも話を聞かれないと話し手の気持ちにもなるな」

「そういう事だ」

「そうか」

「私は正直恨まれているかと思ったが」

「誰に?」

「兄さんにだよ」

「そんな事は無いさ」

「ありがとう」

「リーンも変わったな」兄さんがニヤリと笑う

「そうかもな、兄さんはアルエを泣かすなよ」悪戯っぽく笑う

「五月蝿い」


 雑談をしていると、空がうっすら明るみを帯びてくる。


「そろそろフロラの方に戻る、兄さん達はもうしばらくそのままで頼む」

「解った」

「そういえばイールに短剣をやったんで取り上げるなよ」

「子供に武器を持たすな」兄さんが睨んでくる。しかし、腹の高さから睨まれるのは慣れならいもんだ。

「鍛えて欲しいと来たんだ、中途半端な事はさせないさ」

「どうだか」

「兄さんより強くしてやるさ」

「リーンも冗談が言えるほど変わったか、まあ生きてるうちに変わりたかったな…」

「そうだな…」


 長い沈黙のあと「すまん」と、兄さんは謝った。


「気にしてないし、お互い様だろう」生者に恨みは無いが、自分達は違うのだと考えてしまう、もしは無い、今しか無いと思う。


「じゃあ次は皆と帰ってくる」そう言い残し、プルミエ砦に向け、駆け出した。


 此方フルフロラ、モフモフですモフモフですよリーンさーん、キャッセさんはサラサラでしたね、特に谷間が良いです、指を入れたらビクッて嫌がるんですがあのサラサラムニムニの新触感は抗えないですねリーンさん。

 変わってマルシェさんはしっとりとした肌触りで腰からお尻のラインが滑らかでたまりませんね、すべーって行って尻尾の付け根に触ったらビクンって震えましたね、調子に乗って撫でてたら腰が抜けたみたいでヒクヒクしてましたね。

 ふっふっふ…獣・人・攻・略となりますね、二人ですか?キャッセさんは逃げちゃいましたがマルシェさんは私用のベッドの中ですよ、リーンさんが帰ってますからね、私用の枕になってもらいました、まあビクンビクンしますから寝るには向かないんですが、しっとり感が良いですね、早くリーンさんまだ帰って来ませんかねぇ。


 しっとりした肌触りの中夜が更けて行った。

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