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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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プルミエ砦編11

「リーンさんお帰りなさい」砦を出るとフルフロラが串焼きを持って出迎えた。


「フロラ、制圧完了だ、捕虜一名後は知らん」適当な報告をする。


「隊長、フルフロラさんについて行くのはきついすよ」グルダンは少し焦げている。


「よく死ななかったな」「ひでぇっす隊長」ポンポンと肩を叩く、「そちらの綺麗な獣人さん方は何ですかい?」「捕まっていた」「お名前を教えてもらえます?」フルフロラは興味津々と、手をワキワキとさせている。


「キャッセだ」「マルシェです」自己紹介する二人に、「フルフロラです、モフモフしてもいいですか?」だんだん近付いて行く、「今度にして欲しい」「恥ずかしいので」「じゃあ今度モフりますね」断わられたが、多分フロラはやるのだろうとリーフムーンは思う。


「そういえば少なくないか?」リーフムーンは辺りを見渡す、火を維持するスケルトン、監視の騎馬スケルトン、肉を焼いていたグルダン、「みんな逃げたんで引っ込めました」フルフロラは事も無げに言う。


「リザードマンの群れが?」キャッセが驚きの声をあげる。


「えっへん」胸を張るフルフロラが、「皆さんも食べませんか?」と、串焼きをすすめる。


「いただこう」「いただきます」獣人二人は空腹なのか、そこそこのペースで食べ始め、旨い、美味しい等と口を動かす。


そこへ「リーフムーン終わったぞ」リュシオルが仕事を終え出てくる。


「お前は逃げないのか?」そう言うリーフムーンに、「捕虜なんだろう」リュシオルが腕をくみ、半眼になる。


「なあ、リーフムーン睨んでいる彼女は誰だ?」「主人のフルフロラだ」「むむむ…」フルフロラは睨む。




 此方フルフロラ、リーンさんがまたショタを拾ってきました、キャッセさんにマルシェさんは触ると気持ち良さそうですね、まさかリーンさんは堪能済みでは…


 ほっぺたをポリポリしてますね、やりましたね、やったんですねリーンさん、私は何で断わられたんですか、何でですかリーンさん。


 しかし、さっきから五月蝿いオーク亜種ですね、ブヒブヒ言っても解りませよ、共有語覚えるまで人里に出て来ないで下さいよ、まったくもう。


 ん?そうか家畜ですね、ははーん、気が付きましたよ、食糧ですか、早くグルたんさんに捌いて貰わないと五月蝿いですね、しかしあんな運動不足な家畜食べられるんですかね私はいりませんよリーンさん、まさか捕虜の可能性は…無いですね、捕虜はリュシオル少年ですから、捕虜なわけ無いですよ、リーンさんも捕虜一名って言ってましたし、ちゃんと話聞いてましたよリーンさん。




「フロラ、リュシオルもまあそうなんだが…あれが捕虜だぞ」な、なん…だと…と言った感じのリアクションをするフルフロラ。


「わしを助けよ、助けたら妾にしてやらんでもないぞ」「リーンさん通訳お願いします」「助けてくれとさ」豚語を通訳するリーフムーン。


「何をしたオーク亜種です?」「ブッ」と何人か吹きだす。


「襲撃の犯人だな、キャッセとマルシェに強姦、暴行、マルシェは複数の刺傷があり瀕死だったな」「獣人なんぞ奴隷と変わら、あがっ」豚が五月蝿いので傷口が開く様にリーフムーンが引っ張る。


 リュシオルが先程より罪悪感が強くなった顔をする、間接的にしか説明して無かったなと思う。


「糞う、わしを誰だと思っている、モミー男爵家の三男」フルフロラが何処からともなくミートクラッシャーを取り出す。


「殺すのか?」リーフムーンに「はい」短く答えるフルフロラ。


「リュシオルはどう思う?」「目をつけられる、貴様らの不利にしかならないな」年齢の割りに冷静な答えを出す。


「グルダンはどうだ?」「リュシオルの坊主と同じですね、こいつを理由に戦争ぐらい起こりそうだ」「ぎざ、あがっ」グルダンも同意見か。


「二人は?」「皮と目玉は私がやりたいです」「マルシェってこんな奴だったか?」キャッセが友人の態度にやや引いている。


「ふむ」「わしを逃がしたら見逃してやる」「そうか約束だぞ」リーフムーンが手を離す。


「へ?」「は?」「リーンさん逃がすんです?」疑問と不満が上がるなか、豚がヨタヨタと後ろ手に縛られたまま走る。


「逃がすが、フロラ、借りるぞ」と、リーフムーンが、活躍のあまり無かったゾンビドッグ達を召喚する。




 ?此方フルフロラ、いぬぞんびさんに覚えが無いのもさることながら、リーンさんが召喚してる件についてご説明して欲しいです。


 あ、追わせました、遅いからもう追い付かれてます、ブヒーって鳴いてますね、ああ、餌の時間でしたか、グルたんさんが離れてしゃがんでますね、少年は背を向けて見ない様にしてますね、キャッセさんとマルシェさんは、見ながら食べてますね。


 足を潰されて、あぁもう骨が見えますね、ブヒーブヒー鳴いてますね、頭はまだ残してますね、ふむふむ、逃がしたけど殺す…皆の意見の折衷案ですね。




「こんなものかな」リーフムーンは言う。


「戦争かぁ」グルダンが頭を抱える。


「ろくな事にはならんな」リュシオルもやれやれといった様子だ。


「証拠が無ければしばらく…他は逃がしたんだったか」「国盗りですか?」「マルシェ?」二人は楽観視している。


「あいつは死ぬことを含めてここの配置だろう、帰ったら処分されて…無理か、帰還中にでも消されるな」「そうですか?」フルフロラがまざる、「情報を吐かせて、家から爵位と家財を没収して一族奴隷堕ちか、処刑ってあたりじゃ」「フルフロラさんそんなひでぇ事考えてるんで?」「過去の傾向からそんな感じだと思います」「なるほど、家ごと消したいからあんな奴を置いたのか」「こんな国の端に貴族が来るとかそれくらいですよ」グルダンとリュシオルの顔が引きつるのをリーフムーンは見ていた。


「まあ逃げるにしろ迎え撃つにしろ戦力がいるか…」「では皆さん防衛をお願いします」え?と言う顔でリュシオルや獣人が振り向くと、魔方陣がフルフロラの前に現れ、十メートル程に拡がり、続々とスケルトンや、ゾンビ、リザードマンゾンビが出現する。


「あれ?」フルフロラが疑問符を浮かべる。


「トカゲさん回収してないんですが?」「フロラは知らないのか?回収班が居て色々集めているぞ」リーフムーンは説明を続ける。


「三〜五隊ほどで、常時探索しているぞ、使えそうな死体は回収して異空間に置くと自然にアンデッドになるらしい」「私の命令無しでです?いつも呼んでる皆さん以外に居たんです?あれ?」疑問符をいくつも浮かべるフルフロラであった。


「私の中(異空間)自由すぎません?」「そうだな、多分フロラの考えている以上に大所帯だな」「え?リーンさんどういう意味です?」「街があったが…」「はい?何でです?」「知らん、訓練も少し教えたら勝手にやってたぞ、鍛冶もしていたし」話すたびに疑問符が増える。


「まあ、後で考えましょう」フルフロラは気にしない事にしたようだ。


「二、三週は攻めてこれないだろうから、逃がすなり、防衛するなり考えるか」リーフムーンの発言に、「後先も考え無しか、貴様らしいな」リュシオルが噛み付く。


「私達の国に来ます?」豚が死んで嬉しいのか、マルシェが機嫌良く言う。


「場合によってはかな」「モフモフの国ですか?行きたいです」「フルフロラさんやり過ぎて出禁になりそうっすね」「そうかもな」「モフモフやりほうだいの国楽しみですね」ワキワキと両手を動かすフルフロラ。


「しかし、獣人の村を襲ったとなると向こうも動くか…」「被害は少ないですが、好戦的なのは否定しませんね」マルシェが答える。


「私とマルシェはリーフムーンに恩がある、なんとかしよう」「そうか、ではリュシオルをそちらに行かせよう、任せる」「は?貴女は何を言うリーフムーン」流石に声をあげるリュシオル、「処刑されに行けと言うのか?」「キャッセとマルシェを見る限り大丈夫だろ」「そうですね、捕虜兼…まあ五体満足で居られますよまだ子供ですし」「それならまあ…」マルシェの言葉に罪悪感からか素直なリュシオル。


「では、今日は砦に泊まり、明日から行動に移そう」リーフムーンがまとめると、皆は返事をし、英気を養う、召喚されたアンデッド達が配備されたプルミエ砦が夜の闇に飲まれ、死者の視線が辺りを監視する。

 キャッセとリュシオルは眠れぬ夜を夜番として過ごし、目の周りを黒くしていた。


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