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ぞんびうぉーず  作者: みかづき
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プルミエ砦編10

「貴女はリーフムーンですね、そちらの二人は?」「なかなか良い度胸だな」少年は口を自由にさせたら饒舌に話し出した。


「名前は」リーフムーンは冷たい声で詰問を始める。


「リュシオル」目をキョロキョロさせ、名前だけ言う、布を巻いただけの獣人の女性的なラインを執拗に謎っているのに気づいているのやらと思う。


「シャ族のキャッセだ」「私らは聞かれてませんよ、ちなみにマルシェです」獣人二人もついでに自己紹介する。


「キャッセ殿とマルシェ殿はなぜここに、え?」リュシオルの余計な一言に二人から殺気を向けられる。


「リュシオルは知らないのか、幾つかの集落がこの砦の奴らに襲われた事を、リザードマン襲撃もそれだろう」「リザードマン?」「あいつらに手を出したらどれだけ集まると」キャッセとマルシェも襲撃は知らない様だ。


「なんですか、それ」リュシオルは、目に見えて動揺を示す。


「生き残りの数は?」「それより、集落を襲ったって」「奴隷にして売るつもりなんだろ、生き残りの数は?」「し、指令室に隊長とコション・モミー様が」「コション?誰だ」「貴女が最初に殴った貴族ですよ」「そうか、あの豚か」そこでキャッセとマルシェの顔が曇る。


「なるほど、あの豚に犯られたのか」「ふん」「まあ」「どういう事を?」リュシオルが理解していない様子で聞いてくる。


「ふふ、空気ぐらい読め少年」「何を」リーフムーンは、後ろからリュシオルの肩に顎を置き、リュシオルの軽鎧を脱がし、上着を捲る。


「止めろ、何をする気だ、服を脱がすな」「まだ解らないのか」ベルトを弛め、下衣を脱がす。


「なんで、そんな事」顔を真っ赤にして抵抗するリュシオルに、「若いな」「スベスベしてそうですね」キャッセとマルシェは興味津々といった様子で繁々と観察する。


「み、見るな、あ、さわるな、毛が擽った、やめ」サワサワと拘束され服を脱がされたリュシオルに獣人二人は手を出し始める。


「まあ、そんな感じに二人はされたわけだ」何故かうつ伏せになったリュシオルに説明を終える。


「大変失礼なことを聞いて、申し訳ありません」サワサワと触られながら謝るリュシオルに、「捕虜にするか」「お持ち帰りしましょう」二人は言う。


「お前ら遊ぶのはそれくらいにしておけ」リーフムーンは呆れた様子で止める。


「始末するのか」「ヒィ」リュシオルが縮みあがる、「案内ぐらいにはなるだろう、そういえば何故追ってきたんだ?」「アンデッドの軍が攻めて来たので」「そうか、では指令室に向かうか」リーフムーンが歩き出すと…


「アンデッドだと」「どうしましょう」キャッセとマルシェは慌て始める。


「味方だよ、私の主人だ」「リーフムーンどういう意味だ?」「そういえば心拍の音が足りませんね」「もう死んでいると言っただろう」「何を冗談を」キャッセが欠けた耳を胸の金属に当てる。


 プルプルと青い顔をして、「聞こえない」と後ずさる。


 そういえば見た目は髪以外変わらなかったなと思う。


「潰れたからな」リーフムーンは事も無げに言う。


「まあ、大変でしたね」「なぜ、キャッセは手を合わしているんだ?」ブツブツ言いながら一心に拝んでいる。


「怖がりなんですよ」「そうか」「リーフムーンがアンデッドに」リュシオルが何か言っている。


「では、行くか」後ろ手に縛ったリュシオルに続き、三人は歩く、二階に上がり、目的の指令室の前に到着する、指令室の前にはリザードマンが五体と兵の死体が二体、生存者は見えない、中で抑えているのか、リザードマンが殴りつけたり、丸太の様な棍棒を叩きつける。


 さて、どうするかとリーフムーンが思うと、「フリーズ」リュシオルが氷弾を撃ち込む、「次は私が」マルシェが弩を手前のリザードマンの頭部に撃ち込む、直ぐにハンドルで弦を引き、矢をつがえる。


「私に当てるなよ」キャッセは、此方に敵意を向ける動きが鈍った残り四体に駆け出し、倒れた一体を勢いのままに踏み、背の高いリザードマンの脳天に一撃、隣のリザードマンの眼窩に短剣を突き込む、ヒュ…トンと、キャッセの後ろのリザードマンの頭部に矢が突き刺さる。


 最後のリザードマンは窓に該当する、開口部から飛び降りて逃げて行った。




 ちょっとリーンさん、上からトカゲさんが落ちてきたんですけど、ビックリして落としちゃったんですけど、まだ一口しか…




 もう下に来てるのかと、リーフムーンは思う、「逃がしましたね」マルシェは弩の装填を済ませる。


「ふむ、あとは制圧だな、リュシオル」「……解りました」渋々と指令室の扉を叩く、「第二魔法班リュシオルです、リザードマン四体撃破、一体逃亡、周囲に異常無し」殴られ歪んだのか、ガッ…ガッ…と詰まりながら開く、中から頭を出した間抜けをリーフムーンは掴んで引きずり出す。


「な、何事じゃあ」脂肪で喉が細い性か、やや苦し気に聞こえる声をだし騒ぐ、仕立てが良さそうな服はピチピチに脂肪に食い込み、獣皮に見える、人の顔をしたオークといった風貌に吐き気がする。


「ぎ、ぎさまはリーフムーン、はやぐこの身の程じらずをどらえよ」掴んだ兵を適当に気絶させ、扉を開き中を確認する。


 中には、豚に隊長、あとは二人ほど、「少ないな、お、ここに在ったか」隊長が、リーフムーンの愛槍を構えている。


「ふむ、手入れはしていないか、無能なお前らには無理か…」「ガッ…アァァァ…」あり得ない力でむしり取る、不意な力に持ち手の手首がゴキリと折れた。


「豚以外は逃げていいぞ」扉を開け放つ、兵は剣を槍をフラフラとまだ構えている、身の振り方を選んでいるのだろう。


「はやぐ捕らえるんじゃ」豚が吠えるが、隊長は回り込む様に逃げ、他も続く、「お前」豚がリュシオルを指差す。


「コション様、周囲の村を襲撃され、この者らを拉致されたそうですが?」「何が悪い」「リザードマンもそれで襲撃したので」「トカゲは金になるからな」リュシオルの手がギリギリと握られる。


「何人死んだと…」「さあな…そこの獣人ども、わしを助けたら妾にしてやらんでも無いぞ」「ふざけるな…」リュシオルからボソリと聞こえる。


「そろそろ殺さないのか」キャッセはイライラし始め、「皮を剥いでからですよ」マルシェは淡々と無表情に言う。


「ぎざまらぁ」豚が騒ぎ出す、「とりあえずは、そうだな」リーフムーンが愛槍を引くと先に何やらついている。


「あがぁ…わしの耳が」「直せなかったからな」リーフムーンはブンと、槍を振り耳を後ろの開口部から棄てる。




 此方フルフロラ、グルたんさんに何か当たりました、耳です、ヒィってコケました、あ、火の中に…




「ま、生死は主人に任せよう」リーフムーンが言うと、マルシェが後ろ手に縛る、ギャアギャアと騒ぐので確認すると、ナイフで穴を開け縄を通している、血塗れながらなかなか楽しそうに縛っている。


「いけませんでした?」マルシェが悪びれもなく言う。


「いや、しいて言うなら治療魔法で、肉と縄を一体化させると遊びが無くなって良いぞ」「ぎぃざま覚えて」泣きながら豚が吠える。


「では、生き残りを撤退させながら出るか」リーフムーン達は、リュシオルに砦中を走らせながらフルフロラのいる南出入口へ降りていった。


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