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第十六話 爆煙の逃亡者達

タイトルとプロローグを変更しました。

よろしくお願いします。


「ハァッ、ハァッ……!」

「も、もう、無理……」

「ヒュー……ヒュー……もう、すぐだ、きっともうすぐ抜ける……頑張るんだ!」


息も絶え絶えな幼い声、弱腰な声の主に声変わりもしていない幼い男児の声が激を送る。

男児はふさふさした茶色の毛を纏った垂れ耳と同じく茶色の尻尾を揺らしながら走る。

その身体的特徴が導くのは、獣人。


弱腰の声を上げた少女の頭部からは、昆虫を思わせる二本の触覚がくの字を描いて生え、背中からは透明な薄羽が腰まで伸びていた。

亜人--人間に酷似した外見を持つものの、体の各所に昆虫や爬虫類の特徴を備えた種族である。


息も絶え絶えな少女は一際身体が小さく、見ただけで三人の中で最年少だと分からせる。

さらりとなびく金髪は泥や血で汚れ、美しさは見る影もない。

泥まみれな金髪から覗くのはピン、と先端が尖った長い耳、くりくりとした琥珀色の大粒の瞳には涙が浮かんでいる。

目鼻立ちは洗練された彫刻のように整い、優雅さを併せ持つその美しさは瞳に浮かぶ涙と相まって神の描いた絵画ではないかと思わせる。

金髪に尖った耳、整った容姿、美しさの代名詞であるエルフと外見が類似しているが、どこか違う。

エルフは総じて金髪碧眼であり、体の線が細いのが基本である。

幼いながらも肉付きがよく、琥珀の瞳を持つこの少女とはとても似つかないものだ。


そんな三人が走り抜ける森、鬱蒼とした木々は陽の光を遮り夜を迎えたのでは無いかと錯覚させる。

事実陽は落ちかけ、黄昏時を迎えている。

暗い森、生い繁る野草や絡み合った木の根が足元を不安定にさせ、幼い脚をことごとくすくい上げる。

何度も転び、身体中に傷を作りながらも幼い三人は走る事を止めないでいた。


三人は何かから怯えるように、何度も後ろを振り返りながら走り続ける。

気を抜けば止まってしまいそうな脚を懸命に動かし、幼い男児は背後を追従する二人の女児の手をしっかりと握りながら走り続けていた。


三人には共通する事があった。

首に光る鈍色の輪、複雑な紋が刻まれたそれは知らない人が見れば意匠の凝った首飾りだと思うだろう。

だがこの世界では違う、首に嵌められたそれは隷属の証。

決して自分の手では逃れられない冷遇と戒めの紋。

奴隷の証。

三人の首に光る輪はまさにそれだった。


「どうせ……どうせ死んじゃうんだ」

「はひゅー……はひゅー……」

「俺達は死なない!例え奴隷だとしても、奴隷でも出来る事はあるんだ!だから走れ!もたもたしてるとやつらが来るぞ!」


男児の背後から女児の消えそうな呟きが聞こえても、男児は振り返らず、弱気な意思をバッサリと切り捨てる。

一際身体の小さい女児は言葉を発する事もままならない程に疲弊しており、過呼吸の兆候も見られる。


「「「ブキュルルルルウゥゥ!!」」」

「くそっ!しつこい奴等だ!」

「いやぁ!いやあああ!」

「ひに……たくな、いよぉ……」


必死に走る三人をあざ笑うかのように、複数の獣の声が森の中に響き渡った。

バキバキ、と森の木々をへし折り、地響きを伴いながら姿を現したのは十五匹のクラッシュボア--らしき獣の集団だった。


らしき、というのも、三人に迫るクラッシュボアの姿形は普段見慣れたモノとは大きく異なっていた。


通常のクラッシュボアは大きな個体でも体躯が二メートル程で額から生える大きな角が特徴である。

しかし三人の背後に迫る獣達の姿は小さな個体でも五メートルはある。

おまけに額から生えるツノは歪に歪み、両頬は無理矢理引き裂かれたボロ布のようにズタズタになっている。

ボア種特有の剥き出しになった長い牙はダガーのように突き出して、その他の歯も鮫のように何重に生え乱れていた。


「一体なんなんだよこいつらあああああ!!」

「「「ブキュウ!ブキュウ!」」」


男児の悲痛な叫びは薄暗い森に吸い込まれ、それに答えるのは獣の鳴き声のみである。

男児の混乱はもっともだが、背後に迫る獣集団は確かにクラッシュボアだった。


クラッシュボアをここまで変化させた理由はただ一つ、神具イージスが起こしたマナの異常暴走(ハングオーバー)に起因する異常進化である。


凝縮された濃密なマナにより周囲の生態が侵食され身体組織に内包されるマナが暴走、突然変異を起こす。

通常の人間であれば即死亡となるのだが、魔物の類に至ってはその限りでは無いのだ。

変異した魔物には理性と呼ばれるものは存在せず、ただひたすらに破壊衝動と攻撃性、貪欲な食欲の三つが行動基準となる。

三欲に満たされた思考は、足をもがれようと体が(えぐ)れようと首を落とさない限り止まる事は無いのだ。


冬眠期間中にマナの侵食を受け、暴走したマナと融和し変異出来た個体は僅かに三十体。

暴走したマナに眠りながらの死を与えられた個体もいたが、通常より長い眠りを終えたボア達に襲いかかったのは猛烈な飢餓感だった。


抗う事の出来ない猛烈な飢餓感に支配された三十体の変異クラッシュボアが取った行動は"共食い"。

いかに同族であろうと死肉だろうと構わずに貪り食うだけ、衝動の赴くまま食い漁り、十五体まで数を減らした変異クラッシュボアは突然何かを感じたように共食いを止めた。


変異クラッシュボアの見つめる遥か先には、森を縫うように整備された街道をゆく一台の荷馬車があった。

その馬車は奴隷達を輸送する奴隷商人の物であったが、出荷先の街まで辿り着く事なく、商人と馬、荷物である奴隷達も変異ボアの集団に食い荒らされる事になったのだ。

隙を突いて逃げ出した幼い三人は森に飛び込み、ただひたすらに道無き道を走り続けていた。

しかし、三人の幼い足では変異ボアの追走を振り切れず、恐ろしい狂牙が今、幼い三人の奴隷達に届こうとしていた。


「川だ!」


変異ボアが数メートルまで迫った時、三人の視界が突然開けた。

森を抜けたのだ。

三人の目の前にはうねりを上げて流れる川が流れ、背後には死を体現したような狂った魔物。


「アル!ヘーパイトス!大きく息を吸うんだ!」


獣人の男児は遠くから水の匂いを感知し、ここまで死に物狂いで二人を引っ張ってきた。

そんな男児に迷いは無く、森を走り抜けた勢いを殺す事なく川岸を蹴って空に浮いた。

一瞬の浮遊感の後、盛大な水飛沫と共に獣人の少年とアル、ヘーパイトスと呼ばれた二人の少女はうねる川の中へと消えていったのだった。



***



「勇者様、森が」

「あぁ分かってる」

「木の倒れ方からしてあのまま進むとこの村の中心に被害が出るんじゃないですか?」

「あぁ、分かっとる」

「ヤバイでヤンス」

「あぁ、分かっとる」

「木がどんどん倒れてるでゲスよ」

「あぁ、分かっとる」

「うなぎ」

「あぁ分かっとる」

「ノワール君うなぎって……」


分かってる分かってるってそれしか言う事無いのか!

うなぎだぞ!

おかしいだろ!分かるなよ!

ウィンディアも変な目で俺を見るなって。

グラムがちゃんと聞いてるのか確かめたかっただけだって。


「うなぎって何じゃ?」

「うなぎはもういいよ!どうすんですか?あれ」

「見た所異常進化した魔物が集団で暴れておるのぉ、止めんとちぃとヤバイかのー」

「勇者様には見えるんですか?!」

「ワシにかかればチョロいもんじゃて」


グラムは人前で本来の姿を晒すのはあまり好きでは無いらしく、結構な事態だというのにまだ老人姿のままだ。

ウィンディアが尊敬の眼差しをグラムに送ってるけど正直本当にどうすりゃいいの。

この村の戦力なんてたかが知れてる。

バルトルさんにバルトルさんにバルトルさん、そういえば俺はこの村で戦える人って言ったらバルトルさんしか知らなかった。

巡回しているという戦士さん達は他にもいるのだろうか。


こうしている間にも、森の木々は次々と倒れていき、驚いた鳥たちが慌てて空へと飛び立つのが見えた。

ウルガ村から少し南へ行った所から始まる深い森はナーデルの森と呼ばれており、沢山の薬草やハーブ類、野草にきのこ等が豊富に自生している。

ナーデルの森の中に流れるハイン川とセニエ川、この二つの川を上流に進めば雄大なアトラスト山脈がそびえ立っている。

ナーデルの森から得られる恩寵はウルガ村の生活基盤の一部でもあるのだが、そんな森が倒壊していく。

木々の倒れるスピードから見て村の中心部まで到達するのに三十分といった所だろうか。

あまり時間は無いらしい。


「んー……よし、おいノワール。半分俺が潰してやるから残りはお前な」

「はっ!?何でですか?!」

「イージスもあるし、お前そこそこ戦えるだろ?俺には分かるんだよ。死にそうになったら助けてやるから安心しろや」

「いや……うん、分かりました。やってみます」

「いいよいいよー!歳なんて戦いにゃ関係ねーんだ!スパッとサクッとグチャッとやってこい!」


ウィンディア達に聞かれないように囁きあいつつ、俺はパシン、と背中を軽く叩かれた。

「おう」と言おうとした瞬間、ぐにゃりと景色が変わり、丘の上から一転そこは森の中だった。


「へっ?はっ!?」

「んだよ、|転移(飛ばした)だけだろ。ほれ、もうすぐお客さんの到着だぜ」


突然の出来事に戸惑っていると、横から声と共に青年姿のグラムが現れた。

この人転移魔法まで使えるのか、すげぇ、今度教わってみよう。


「グラムさん、今度それ、教えて下さい」

「あ?転移か?いいぜ。あー……やっぱこうしよう。見た所魔物は全部で十五匹だ、五匹は減らしてやる、残り十匹を無傷で倒せたら教えてやるよ」


目が点になった。

期待されているのか、それともただ単にグラムの思いつきなのかは分からないが転移魔法を教えてくれると言うのだ。

やってやろうじゃないか。


魔物と言えど所詮は獣、銃弾飛び交う戦場でも無いし俺には鍛え上げた魔術と体術がある。

イージスもフルオートに変更済み。

ビックマウス擬きの二の舞にはならない。


「団体さんのお出ましだぜ?しっかりやれよ?」

「任せて下さい」

「よーし、そうさなぁ……お前から教えてもらった中で気に入ったのが有ったんだ」

「何ですかいきなり」

「作戦名だよ、お前が言ったのに忘れてんのか?」

「あーあぁ、そうですね」


なんでもこの世界には作戦に名前を付けるという概念が無いらしい。

戦争であれば土地の名前や元凶となった固有名詞が付けられるのだが、個人、部隊レベルになると皆無らしい。


俺的には作戦名がついていた方が色々区別しやすいし、なにより親しみがある。

前世で覚えている作戦名を俺が考えたていで少しグラムに話しており、彼はその事を言っているのだ。


「で?何ですか?」

作戦名(オペレーション)コールオブデストロイだ」

「あ、はい、いいですね」

「おっし!きたきたー!コールオブデストロイ、開始ィィィィ!」

「了解」


地響きと倒木の音の中、土を巻き上げながら突撃してきた魔物の群れにグラムが突っ込んで行った。

だがグラムは二、三度剣を振りすぐこっちに戻って来てしまった。


「後はお前な」


どうやらあの二、三度で五体を葬ったらしい。

しゅんころ!

当の魔物達は仲間が瞬殺された事も気にせず向かってくる。

目は赤く染まり、口から唾液と血液が混じった液体をびしゃびしゃと撒き散らしながら鳴きわめく魔物は見ていて気持ちのいいもんでも無いのでサクッとグチャッと終わらせよう。


「貫け、"岩槍(アースグレイブ)"」


魔物達の動線上に無数に突き出す岩の槍をイメージ、詠唱を破棄して術の名前を呟いた。

無詠唱であれば術の名前なんて言わないでいいんだが、そこはほら、男の子のロマンて言うか魔法を行使する上での仁義というかなんと言うか。

ようはその方がカッコイイじゃん!て話です、ありがとうございました。


「「「ブギュウウウウウ!!」」」


地に生える剣山のように発動した岩槍(グレイブ)にその身を貫かれる魔物が六匹、後の四匹は四肢や胴体を抉られながらも速度を変えずに向かってきた。


--警告、前方害意生命体よりマナの増大を確認、複数個体による同時展開魔法と判断、防御行動(シールド)および自動反撃(オートカウンター)を開始--


脳内にアラートのような音がなり、俺の目の前に鏡のような魔法障壁が複数枚展開された。


「「「ギュルウウウウ!!」」」


魔法障壁が展開されたのと魔物達が合唱のように揃って声を上げたのはほぼ同時、魔物達の声に応えるように中空に出現した無数の火弾が一斉に飛来してきた。

しかし襲い来る火弾の射線上へ滑り込むように魔法障壁が割り込んでそれを尽く反射させていく。

跳ね返された火弾はその大きさを倍加させ、魔物の群れに次々と撃ち込まれていった。


「お、おぉ凄え……」


これ俺の出番無いぞ。

どうしよう、俺の手柄じゃなくてイージスのおかげだろ、転移魔法は無しだ、なんて言われたら。

それは困る。


イージスの性能を目の当たりにした俺は急いでセミオートに切り替えた。

魔物の群れは体の一部が吹き飛び、炭化しているにも関わらず進撃を止めない。

その数四体、火弾で絶命した魔物もいたが岩槍(アースグレイブ)で串刺しにした筈の魔物も無理矢理体を引きちぎって向かってきたのだ。

その有様はまるでゾンビのようで生理的嫌悪感がぞわぞわと湧いてくる。

だからと言って逃げる訳にもいかないので、お馴染みのクレイクラフトを発動して頭、胸部、腹部、腕部、脚部及び各関節部を覆うプロテクターを瞬時に構築した。

プロテクターは重すぎずかつ岩より少し頑丈なくらいの強度に圧縮、身体が育てばいつかは鋼鉄より硬い物を装着出来るようになるだろう。


装着されたガントレットを馴染ませるように掌を開閉させる。

武器は所持していないので徒手空拳と魔法で挑むしかない。

だが俺の中に恐怖は無く、どうやって命を奪おうかという物騒な考えしかなかった。


だがあのゾンビのような魔物四体と真面目に組み合うつもりも無く、脳内にあるイメージを浮かべ呟いた。


「投岩槍(グレイブジャベリン」


奇声を上げて突出してきた魔物の眉間めがけ、両掌に発現させた(岩槍)アースグレイブを交互に思い切り投げつけた。

魔物の自走力と俺の投擲速度が合わさり、投岩槍(グレイブジャベリン)は吸い込まれるように魔物の眉間を貫き、槍尻の部分までめり込んだ。

右腕で投げた槍が今の威力、左手(イージス)で投げた槍はと言うと……一体の魔物の頭を爆散させ胴体を貫通してその後ろの魔物の頭部へと減り込んでいた。


……イージスったら怖い子!


本来岩槍(グレイブ)は地面を発現ポイントとするのだが、イメージを強くすれば一本だけ掌に出現させる事も出来るんだな。

とりあえずこれで三体は屠った。

残り一体のみとなった魔物はさすがに警戒を強めたのか、荒い息と唾液を吐き出しながらも俺に突っ込んでくる気配は無かった。


「ギュルウゥ……」


魔物は俺から一定の距離を取りつつ、円を描くようにゆっくりと歩を進めている。

この勝負、どちらかが先に動いた方が、負ける!


……そんな訳が無い!

目算で距離約20メートル、この体躯で一気に距離を縮める事は物理的に不可能だ、物理的にならな。


「風爆(エアブラスト」!」


背後に空気を圧縮し、爆発させる俺のオリジナルの魔法だ。

背中にかかる爆発の勢いを利用し、弾丸の如く魔物との距離を一気に縮る事に成功。

その勢いを拳に乗せて魔物の顔面を思い切り打ち抜くと、骨が砕ける鈍い音を鳴らし、四メートル程の巨体が一瞬宙に浮いた。


「俺式CQC十二番!頭貫撃!」


殴りつけた手で魔物の被毛を握り締め、反対の手で頭頂部の皮膚ごと握りしめた俺は、強く地面を踏みしめ、魔物の顎目掛けてしゃくり上げるような膝蹴りを叩き込む。

ヒットの瞬間に頭頂部を掴んでいた手で片目を潰す事は忘れない。

顎の骨と乱立した歯が砕ける音が膝越しに伝わってくる。

頬骨と顎骨、おまけに砕けた歯が口腔内に突き刺さったのだろう、ドス黒い血が口からダラダラと溢れ、俺の全身を濡らした。

俺の身長と同じぐらいの頭部がグラリと揺れる、初撃で意識が飛んでしまったのか全く抵抗を見せない魔物の頭部を必殺の一撃で撃ち抜くべく、右手にそれを発動させる。


炎纏拳(バーニングナックル)!」


右手のガントレットを中心に炎の渦が巻き上がる、左手でアッパーを繰り出し、頭を跳ねさせ

右腕を引き絞る。


「俺式CQC三番!葬炎岩破!」


渾身の力を込めて右腕を振りぬく。

炎を纏い赤熱したガントレットに殴りつけられた魔物の頭部はあっさり爆散、その中身も高温の炎により炭化して空中に散っていった。





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