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出発:いつもと同じように
晴天の下を走る列車は、今日も滞りなく終点を目指し進んでいる。
ガタンゴトンと線路を走る単調なリズムは、心地よくすら感じる。
終点までは3時間程かかる。
景色を眺める人
食事を楽しむ人
目的地まで眠る人
乗客の数だけ旅の楽しみ方があり、様々な物語も存在する。
私は車掌として、多くの乗客と触れ合い、見送ってきた。
切符の確認の時間だ。
1号車の乗客は、眠っている様だった。
テーブルの上に切符が置かれていたので、確認を済ます。
乗客を起こさないように、そっと一号車を後にした。