深瀬の底には
はじめて書いた小説ですので温かい心で見てやってください
深海という場所は未だに人類にとって未知数なところが多い。それに魅力を感じる者もいるだろう。
だがこれだけは知っていてほしい。魅力的な場所であればあるほどそこには何か見てはならない者がひそんでいるかもしれないことを…
いつもどおり朝が来た。これが普通だと思っていた。その日は、研究の論文を書くため大学に残っていた。いつの間にか机に突っ伏して寝ていたようだ。起きたあとすぐに研究室に常備してあるコーヒーメーカーを使ってコーヒーをいれた。不味いわけでなくかと言って旨いわけでもないが…。そんな事を考えながらコーヒーを飲んでいると、
「おはようございます。大川教授。」と言って
数名の助手達が研究室に入ってきた。さぁ、各自の論文の完成を目指そう。そう助手達に言おうと椅子から立ち上がろうとした時、
ピリリリリリ ピリリリリリ ふいに私の携帯が鳴った。
「もしもし?」
「やぁ、大川。覚えているか?俺だ宮川だ。」
宮川…。私の高校での同期だ。確か何かの宗教に入信したと風の噂で聞いた。
「早速だがお前に見せたい所があるんだ。今日の夕方に海原公園に来てくれ。」
「……わかった。」
私がそういうとあちらから一方的に切られてしまった。 それにしても、あいつはいったいどこから電話しているのだろう?まるで水中にいるような感じだった…。
今日は助手達に無茶を言って大学を出た。本当に申し訳ない。明日にでも助手達に何かおごってやろう。そんな事を考えていると宮川と待ち合わせている公園についた。ベンチに宮川らしき人物が座っていた。ただあいつらしくない全身隠れる真っ黒なコートを羽織っていた。
「やぁ、宮川。遅くなって……ひっ!?」
雰囲気からして奴なのはわかる。だが、顔はもう宮川ではなかった。
普通より離れた大きめな目に、耳の下辺りに魚のエラのようなもの。手は手袋していてわからなかったが、私の予想が正しければ、おそらく………。
「おい、大川。行くぞ」
好奇心は私に行け。警告心は私に行くな。そう、言ってくる。
私は好奇心と恐怖が入り交じった感覚に襲われた。
その場に硬直してしまった。
「おい、大川?」
あいつの声が聞こえる。だが顔はあいつじゃない。
どうしたらどうしたら!
「大川!!!」
あいつらしき物体が顔近づけてきた。
やめろ!!!やめろ!!!来るな!!!
「ああああああああああ!!!」
私は気がつけばあいつをはねのけその場から駆け出した。
あの後、どうやって家に帰ったか覚えてない。
だがあれが夢ではないようだ。
恐ろしかったがまたあの公園に行ってみた。なんの変わりもないただの公園だった。
ただ、私は確信した。あの深瀬の中には何かいると。
皆さんも気を付けてほしい。あなたの身の回りに何か言い難い者がいないか、もしいたら、絶対についていってはいけない。そう…絶対にだ。
どうでしたか?
楽しんでもらえたでしょうか?
それなら満足です。
ありがとうございました