表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は攻略対象の愛から逃れられない  作者: 葵川 真衣


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/60

56.王宮の舞踏会1


 半月後、王宮で舞踏会が開催された。

 シャルロットはいったん屋敷に帰り、そこから会場に行くことになった。

 魔法学院の寮から帰ってきていたレオンスが、精緻な刺繍とレースで飾られた可憐なドレスに着替えたシャルロットを見、手放しで褒めてくれた。


「おまえは世界で一番可愛いよ。天使より愛らしい」

「お兄様」


 シャルロットは頬を赤らめた。

 黒の盛装を身にまとい、見惚れるほど格好良い兄に褒められ、シャルロットは照れてしまった。


「お兄様こそ、素敵ですわ」


 兄は唇に笑みを浮かべる。


「ありがとう。シャルロットは殿下と踊ることになるだろうけれど、オレとも踊ってくれる?」


 シャルロットは頷く。緊張していて、うまく踊れるかわからないが。



 シャルロットは父と兄と王宮の大広間へ赴いた。

 華麗な部屋で、フレスコ画の描かれた天井には、巨大なシャンデリアが燦然と輝き、いたるところに金銀の装飾が施されていた。

 そこに神々しいほど目映いエドゥアールの姿があった。彼は肩章の飾られた純白の衣装を着ている。

 

 いつも彼と会っているが、今日はまた違った印象を受け、シャルロットは目を奪われた。


「エドゥアール様」


 彼はシャルロットを甘やかな瞳でじっと見つめた。シャルロットはとくんと心臓が跳ねた。 

 さすが攻略対象、きらきらと輝いていて別格だ。


「ドレス、よく似合っている。貴様は誰よりも美しいな」

 

 シャルロットのドレスはこの日のためにエドゥアールが選び、プレゼントしてくれたものだった。

 彼はセンスが良く、シャルロットはこのドレスをとても気に入っていた。

 

 エドゥアールがあまりに麗しくて、シャルロットは言葉を発すことができなかった。

 彼に手を引かれ、二人で会場の中央に歩み出た。

 そこで婚約が発表され、招待客から大きな拍手をおくられた。

 

 オーケストラが美しく音楽を奏でるなか、シャルロットはエドゥアールとダンスを踊った。

 彼は動きがスマートで、上手にリードしてくれる。

 シャルロットは緊張が解けていくのを感じた。

 

 華やかな会場で周りから祝福を受け、エドゥアールと手を取り合ってダンスをしていると、胸が弾んだ。

 ゲームのことが頭からすべて消え失せ、煌びやかなときに酔いしれた。

 幼い頃からシャルロットは舞踏会に憧れを抱いていた。それでなくとも今このときは、乙女の夢そのものだった。

 

 何曲か彼と踊ったあと、兄とダンスした。

 レオンスとはよく練習で一緒に踊っていたので、踊りやすい。兄のステップは巧みだった。

 憂慮していたけれど、舞踏会を楽しく過ごせていた。


「シャルロット、来い」

 

 レオンスとのダンスを終えたシャルロットの手を、エドゥアールが取った。

 エドゥアールはシャルロットを連れて、大広間から王族専用の控え室へと移動した。

 大きな窓がある優美な部屋だ。ふかふかの長椅子に彼と並んで座る。


 エドゥアールはシャルロットの顔を覗き込んできた。


「エドゥアール様?」


 どうしたのだろう。今宵の彼はいつも以上にきらきらとして王子様度が高いので、シャルロットは鼓動がかき乱れた。


「貴様に良い知らせがある」


(良い知らせ?)


「なんでしょうか」


 エドゥアールは美麗な笑みをみせた。


「実は、指輪の使用方法がわかったのだ」

「え!?」


 思ってもみなかった言葉にシャルロットは吃驚した。


「わかったのですか!?」


 エドゥアールは胸を張る。


「ああ、見つけた。貴様が前言っていたとおり、王族だけが読める書物に書かれてあった」

「どうやって、その本を読まれたんですの……!?」

 

 確か王位に就いたあとでなければ、見ることができないはずだった。


「貴様との婚約が決まったし、この春、魔法学院へ入学もした。その祝いとして父上に、少し読ませてほしいと頼んだのだ。婚約も父上に嘆願するためで、魔法学院から王宮に戻っていたのも書物を読むためだ」

「そうだったんですの……!」


 エドゥアールはそういった思慮深さも併せ持っていた。


「まあ、一番の理由はシャルロットと過ごしたいからだが。先日、方法が載っている本をようやく見つけた。晴れの日の今日、貴様に伝えようと思ってな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【カクヨム版】
悪役令嬢は攻略対象の愛から逃れられない
どうぞよろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ