表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は攻略対象の愛から逃れられない  作者: 葵川 真衣


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/60

31.地下洞窟2


 それは──ゲームである。

 この世界にはない。というか、この世界自体がゲームなのである。


「本当に……わたくしも気になっていて。思い出したいのですけども……」


 シャルロットはそう答えて誤魔化し、彼とともに地下洞窟を歩いた。


「ここは広い。もし指輪があったとしていても、発見は難しいぞ?」

「ええ。それでも見つけたいのです」

「幸せになるためにか?」


 シャルロットは首を縦に振る。殺される未来を辿らないように指輪が欲しかった。


「俺が貴様を幸せにしてやる」


 エドゥアールはシャルロットの手を掴んだ。


「エドゥアール様?」

 

 彼は唇の端を持ち上げる。


「迷子になる、手を繋いでおこうか」


 何かされるのではと一瞬身構えたが。彼はシャルロットの手を握っただけだった。

 緊張するも、実際迷子になって出られなくなると困るので、そのままにしておいた。

 

 少しすれば建物が視界に入った。ゲームの回想シーンで見た場所だ。


(あれは……)


 隣で彼が低い声を発した。


「俺は六歳から七歳までの間、あそこで暮らしていた」


 エドゥアールは六歳のとき獣化し、母親に閉じ込められた……。

 表向き、療養のために王都から離れたとされて。

 彼は唇を引き結び、建物の扉を開いた。中には家具調度品が当時のまま置かれていた。


「あることが原因で、俺は閉じ込められた。本を読むか、剣術の稽古くらいしかすることがなかったな」


 エドゥアールは扉を閉める。

 彼が閉じ込められた原因は、獣化を王妃が恐れたからだ。


「当時、洞窟内を探検したが、指輪はなかった。もしあるなら俺が通らなかった場所にあるということになる」


 それでシャルロットはエドゥアールと、彼が幼い頃行かなかった道を進んでみた。

 

 

 ──だがその日、指輪を見つけることはできなかった。

 シャルロットが落ち込むと、エドゥアールは苦笑した。


「そう簡単には見つからないだろう。また探しにくればいい」


 シャルロットは気を取り直し、頷いた。


「はい」


 これだけ広いのだし、すぐには発見できないだろう。

 彼と次の約束をして、その日は帰った。

 



 それからシャルロットは王宮に通うようになった。

 兄やクロヴィスに心配されたので、エドゥアールと会っているのではなく、神殿の仕事の手伝いをしていると説明した。神殿では人手が足りず、王宮に行った際に引き受けたと。エドゥアールからも家にそのように連絡を入れてもらった。

 

 実際は地下洞窟で、エドゥアールと指輪を探しているのだが……。

 

 探検して疲れると、昔エドゥアールが暮らしていた建物で休憩をとる。

 そこには食べ物や飲み物が置かれていた。

 エドゥアールが侍従に中を整えさせ、食事を用意させたのだ。

 

 二人でいても、お茶会の日のようなおかしな真似をされることはなかった。

 一緒に指輪を探してくれ、シャルロットは彼に感謝を覚えていた。 

 

 

 地下洞窟を捜索して、半月経った。

 ゲーム自体に指輪のありかのヒントが隠されているのではないかと、シャルロットは考えはじめた。


(ここはゲームの世界だし)


『聖なる乙女のラビリンス』では重要なシーンにおいて、金色の星がよく使われていた。恋を自覚したり、攻略対象と想いを交わし合ったり、グッドエンドを迎えると、金色の星がきらきらと画面上で舞うのである。

 シャルロットはダメ元で訊いてみた。


「エドゥアール様、この洞窟に金色の星のようなものが、きらきらと舞う場所ってありませんか?」

「あるが」


 シャルロットは目を見開いた。


「えっ!?」


(あるの!?)


「ここに閉じ込められたときに、綺麗だったからよく見に行っていた。だがそこには指輪はなかったぞ」

「わたくし、そこに行ってみたいです! 連れて行ってくださいませ!」

 

 シャルロットはエドゥアールを急き立て、今まで歩いていなかった逆方向に足を踏み入れた。

 すると実際に、きらきらと金色に煌めく空間に出たのである。


(これは……っ! ゲームの重要場面のきらきら星と非常に似ているじゃないの……っ!)


 シャルロットはテンションが爆上がりした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【カクヨム版】
悪役令嬢は攻略対象の愛から逃れられない
どうぞよろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ