不死者と異端者 ⑤
ありがとう…。
「だからこそ…。聞きたい。」
月執は渋澤の瞳を覗き込む。
「本当は死にたくなかったんでしょ?」
辺りを静寂が包む。渋澤は小さく頷いた。解った。と月執は云う。その少し後、渋澤の瞳は大きく開かれた。
態とらしく月執は言葉を紡ぐ。
「私には何の【才能】も無いと思ってた…。けどね…。世界が歪んでしまったあの日、私の【咎】は私に告げた。」
月執は両の手を広げる。
「私が持っていた才能は…。【人を死に至らしめる事】なんだって…。嘘に嘘を重ねて真実を覆い隠す事が出来る才能なんだって…。私にとって…。【悲しいけれど、ソレが真実】だったの…。」
【サッド・バット・トゥルー】
「私は不死者の貴方を殺す事が出来る。」
月執は右手で銃の形を創った。
バン…。と擬音を発し、人差し指でトリガーを引く動作をした。
その刹那。
渋澤の肉体から血が噴き出す。
「ありがとう…。」
そう呟くと渋澤は地面に倒れた。
渋澤円。
二十一歳。女性。
【慈愛】の咎を発症。
咎名【HUGs】
併存疾患(不死性)を有するステージⅡ。
解析能力に特化した漆川京二の【咎】【壁越しの監視者】、並びに解析能力も有する姫川佳乃の【咎】【ディストピア】の能力からも渋澤円の【不死性】を確認。我々が行った検証でも【不死性】を確認。類稀な再生能力。自己補修能力を確認。
身体能力の向上(小)
半径二メートルから生命力を奪う(極小)。
ステージ0。
身体能力の向上(中)。
半径二メートルから生命力を奪う。(小)
ステージⅠ。
身体能力の向上(中)。
半径二メートルから生命力を奪う。(中)
ステージⅡ。
併存疾患【不死性】
致命傷を与えても死ぬ事は無い。虚人の症状に近しいが自我がある。稀有な存在。
攻撃力 B
防御力 C
精神力《攻》SSS
精神力《防》SSS
俊敏性 C
器用値 D
生命力 SSS
運命値 SSS
原因不明だが月執の攻撃により死亡を確認。彼女の遺体は我々の監視下にあったのだが、その遺体は消失した。




